126 / 178
第四章 ありえないよね?不憫なのはハノエルだけじゃないのかも・・・
ヒャクニジュウロク
しおりを挟む更に話は続いた。
「つまり、ハルちゃんの場合は既に防衛システムというべき力が働いていたの。だから、子供は無事。」
子供が無事。
それならいい。
せっかく授かった兄との子だもん。
診察してくれたアズリアがいうのだから本当のことなんだろう。
信じていいと思う。
「でね、ここからが本題。第二種男性の妊娠は個人差がありすぎて絶対ではないのだけど、だいたい妊娠期間が2、3年って感じなのよね。
まあ、何もない所から人を作り出すわけだから……ねえ。
ハルちゃんが学校に上がるまでには生まれてくるはずなんだけど。
私のサーチ能力程度じゃ、胎児になったってことくらいしかわからないの。
もちろん、生活にかわりはないわ。
ただ、メリットもあってね。
体自体にも防衛が働くのか、病気にはなりにくいみたい。
もちろんデメリットがあるわ。
基本『癒しの魔法』が使えないの。
旦那様であるカレイドが癒し魔法を使えたら問題ないのだけど。」
「すまない。癒し魔法は簡単なものしか使えないようだ。」
「ああ、そうだったわね。全属性化したのだったわ……あり得ないけど。まあ、少しでも使えるならマシかしらね。」
癒し魔法が使えない?
でも……。癒されたって。
「そう、今回のは私ではないから。ただ、言えるのは『癒しの魔法』ではなかったってことかしら?
ハルの元々の虚弱な体質は、『妊娠』のおかげで緩和されているのだけど、それ以上に傷ついた体が戻っているの。
でも、再生してるとでもいえば良いのかしら?…ただ、再生魔法なら……胎児も消えてしまうはずなのよね……だから、結論的には『癒し魔法』ではなかったとしか言えないの。魔法がどうかも怪しいし。
まあ、言うなれば神の身技とでもいうのかしらね。
で、これからのことなんだけど。
もちろん生活は普通にしていいわ。
もちろん、夜の生活の方も普通に戻していいわよ。」
パチンとウィンクされました。
……顔が熱いです。
「あらあら、初々しいことねえ。ふふふふ。」
「本当にな。」
って……中身は20歳だけども、ハノエルはまだ10歳ですよ?初々しいどころじゃないと思うんだけど。
こればかりはこの世界……腐ってやがるよねー。
「でも、赤ちゃんにまずいんじゃないの?」
そこ肝心じゃん。
だって……この世界のエッチって、割と激しい……のは、カレイドだけとか言わないよね?
「逆にしないほうが不味い。」
「なんで?」
だって、普通は妊婦さんエッチ禁止まではしなくても、あまり激しくはよくないって、昔聞いたよ?
「簡単に言うと、栄養が足りなくなる。」
「僕があまり食べれないから?」
「いや、この栄養は魔力のこと。第二種男性の子は出産10ヶ月前まで魔力で育つ。
そして、完全な胎児となるとそこからは、女性と変わらないかな?
ただ、女性の子より魔力を食うんだよねー。つまり、出産までは閨事は推奨って感じかな。
母親の魔力だけじゃ足りないからね。
まあ、だから魔力の高い子が生まれるんだけども。」
つまり、産みにくく育ちにくいのか?
「ハルちゃんは、今までのでわからないとこある?」
「うーん、納得できないけど、納得できた?みたい。」
な感じです。
「そう、まあ直ぐにどうこうすることは、ないから。
健やかに過ごすだけでよいわ。
で、完全二種の話をするわ。
第二種男性には三種類の性が存在するみたいなの。
まずは、ルイくんのように『胎』ができてくるタイプね。
ただ、時期は個人差がありすぎて妊娠できるまでに育つかは、わからない。
そして、生まれたときから『胎』を体内に持っているタイプ。
前者よりも『胎』が妊娠可能な状態に成長するわ。
そして、元から『胎』をもっていて更に元から妊娠が可能なタイプ。
それがハルちゃん、あなたよ。」
……衝撃の事実が今、発覚しました。
まさに!
ガッビーンって感じの!
その設定は、はっきりいって嬉しくないんですけどね?
神様?
一体全体何してくれちゃってんですかね?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,408
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる