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第五章 ゲームカウントダウン?それとも開始とか?ヤバイんですが(泣)
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しおりを挟む目が覚めるとそこは……。
知らない天井だ。
マジで!
どこだろう。このやりとりもこのゲーム世界に生まれて何度目なんだろうねえ?
「ハル!」
「にい、さま。」
これも何十回もしました?あれ?そんなにはしてないか。
しかし、知らない天井だ。
ここはどこぞ?
でも、ものすごいデジャブはあるんだよ。
「大丈夫か?」
「う、ん?」
えーっと?
あっ!
「赤ちゃんっ、は?」
「大丈夫。」
「でも、変なくすり……赤ちゃん……。」
「それも大丈夫だから。」
「……本当?」
「本当に。私がハルに嘘ついたことある?」
「………。」
「ハル、そこはないって言って?」
「ふふ。」
「もう、ハルは~。」
「んんっ!」
「アズリア、なに?」
「あのさ、なんですぐいちゃつくのよ。私、借り出されてるのよ?」
「ああ、だが。可愛いハルが目覚めたら……なあ?」
「……カレイドちゃんもハノエルちゃんもブレない……。」
アズリアがいる。
なんで?
でも、ここは知らない場所で。
「薬は、ちゃんと吐き出したから大丈夫よ。」
え?
でも、完全に飲み込んだ……。
はず?
「あ、あの!ルイくんはっ!」
「大丈夫。あの子も無事よ。まあ、洋服は二人とも無事じゃなかったけど。」
「すまない、ハル。主犯格の奴は逃げられた。」
「逃げられ……た?」
「じっくり、説明してあげたいんだけど、時間がないわね。
たぶん、早く屋敷へ。」
「え?」
「そうだな。」
すぐに抱き上げられて……少しだけお腹が痛い。
蹴られてしまったけど、踏みつけられてしまったけど……大丈夫なんだろうか?
まだ、成長前の状態だから普通の妊婦さんたちよりも、強いらしい。
まあ、だからこそ学校にも来れるんだけども。
抱き抱えらて、部屋から出るとデジャブった意味がわかる。
ここはどこの学校にもある、保健室だ。医務室ともうらしいが。
……アズリアって保健医?
いや、確か……ゲームでは、そうだった気も?
いや、モブすぎて覚えてない。
セシウス様がルイくんを抱き抱えていた。
どうやらルイくんはまだ意識が戻っていなみたいだ。
何がいったいどーしてこうなったのか、全くわからない。
たぶん、だけど……助かったってことだよね?
酷いことにならなかったってことだよね?
「ハル、大丈夫だから。」
さらにギュッと抱きしめてくれた。
大丈夫だったんだって、思ったら。
怖くなってきて、震えと涙が止まらなくなってしまった。
今更かもしれないけど。
赤ちゃんもルイくんも大丈夫って。
だから、余計ホッとして涙が出た。
震えはたぶん身体が恐怖を思い出したからだと思うんだ。だって、本当に怖かったんだ。
俺の従者になったせいで、ルイくんに何かあったらって。
せっかく、やってきてくれた最愛の人との赤ちゃんが消えたらって。
すごく、すごく怖かったから。
兄は時々、嘘をつくけど。
こーゆーことには嘘はつかない。
だから、大丈夫。
だいじょうぶなんだ。
程なく馬車に乗り込むと、ドクリと心臓が跳ねて、身体が熱くなり始めた。
なんで?
だって、媚薬と堕胎がどうのっていっていた嫌な薬は吐き出したって。
なのに、これは……。
「にぃ、あちゅい。」
「うん、そうだね。」
「んー、にい、しゅきぃ。」
……媚薬?
身体が熱くて、兄が欲しくなる。
好きで好きで好きで……頭がいっぱいになる。
俺と俺がまた離れるような、ブレるような?
ああ、知ってる。
絶対にこれは兄の魔力を欲しくて、発情し始めたヤツだ!
え?なんで?
確かにたまにあるけど、こんな状態になるのは最初の頃には週一くらいであったけども!
けども!
今は落ち着いて、一月に一度あるかどうかになったのに。
それも一週間前にあったし、もう、ここまで言葉が怪しくなるほどの発情なんて、なかったのに!
なんで?
そんな……魔力を欲しがるなんて……。
ああ、でも欲しい!
身体が熱い!
この『発情』状態の嫌なところは、冷静な春樹の部分が残ってしまうところなんだよ。
体は同調するのにぃ、冷静に自分が乱れる様を見せられるだけで、まったくコントロールが効かないという……。
俺を羞恥でコロスキデスカ?
的な……発情なのです。
なんとも……。
理由も聞けず。
アレからどうなったのかもわからず……。
発情状態になることに兄たちは、知っていたということだ。
だから、急いだんだよね?
なら、たぶん。
これを治めるには……兄とラブするしかないのですよね?
……冷静な俺よ……どっか飛んでって~!
と思わずにはいられない。
でも、容赦なく……俺はエロエロな誘い受というものに、なるのでした(兄限定!)。
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