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第二章 異世界というものは
No.1
しおりを挟むふー、なんだか……勘違い(私が悪いわけじゃないと思うんだけどな。)に振り回された感が強い。
すごく……ものすごーく精神的に疲れた。
「とりあえじゅ、かえりたいにゃ。」
「答えはくれないのか?」
「……じょうけんがのめるにゃら、いいかにゃ?」
「条件?なんだ?言ってくれ。」
「んー、まじゅは、おちついてからはなちゃない?」
「ああ、そうか……そうだな。こんなところで、不粋な話だったな。」
「だよねえ?第一、ここ危険だって言うし?」
「いや、そこは大丈夫だと思うぞ?たぶん、お前らの結界はそうそう破れないだろう。
だが、まあ、ゆっくり落ち着いて話そうか。
どうだろう……俺の部屋に来るというのは?」
「うぇーー?だってさ王城なんでしょう?なんか、逃げらんなくなりそうだから、私的には嫌かな?」
「んー、私の実家にいくかい?とりあえずはまあ、話す部屋はあるが……うるさく言う奴もいるかなあ。」
なんか、また私を無視してませんかねえ。
ですが、私はやはり幼児なのですね。現在、ものすごい睡魔に襲われています。
「……ねむい……。」
やばい、まじで眠すぎるんだけども。
「ロドさん、お話は、明日にしようよ。もう、ママは(幼児だからさ)限界みたいだし。」
「そうか、わかった。では、宿までは、俺が連れて行こう。結界を解いてくれたら助かる。」
「ママ、バリア解いて。」
「んみゅー、わかっちゃあ。解除……。」
バリアを解除したら、眠気がさらに襲ってきて、たぶん眠ってしまったみたいだ。
なんだか大きな腕に抱かれた気がしたけど……ラナンかな?
ーーーーーーーーーーーー
気がつくと朝だった。うん。そんな気がしていた。
部屋は、今日まで借りていたはずの部屋で。
きっとたぶん、宿のおばさんの計らいだろうと思われる。
魔法があるからなのか?扉はすっかり綺麗に直っていた。
よかったです。
でもって、隣ではスヤスヤと娘が爆睡している。無事だね、良かった。
とりあえずは、私たちは無事に宿に帰してもらえたらしい。
悪い奴ならば、そのまま連れて帰ってしまうこともできたろうに。
そこは、善人表示に間違いがないということだろうか。
善人……バグじゃなくてよかったよ。
しかし、まさかのプロポーズだったとは!わからないよ!まったく。世の中にはあんなプロポーズあるんですかね?
さて、15年まつと言うくらいだ。16未満に手を出すのは、とりあえずは『あり得ない』ということでいいのだろうか?
なら、少しは奏歌の危険度は下がるけれども。
まあ、どこにだって例外の変質者はいるのだろうとは思いますが。
何故なら『変態』という言葉がきちんと翻訳されているわけよ。
つまりは変態行為をする奴がいるんだと、『変態』は万国共通なんだねえ。いらない奴はどこにでもいるんだね。まるでGだね!
この世界にも『変態』とかがいるといことですが、問題は善人でも『変態』はいるのか?ということだ。ラナン兄は、変態だよね?チッ、スマホで確認すればよかったよ。でも、神さまは『変化』することもあるって言ったなあ。難しい。なんかいい機能つけて欲しいよ。
はあ……でもさあ。
いい世界なのか、悪い世界なのか……わからないねえ。
娘の頭を撫でながら考える。
『我を呼べばよい。』
ああ、いたんだったね。魔神のシャルくん。
「なぜ、くんになるのだ。」
「いやあ、としちたかにゃ?っておもったんだけど、ちがう?」
「年下であるわけあるまい?我は5000以上の時を生きておるぞ?」
「ちょっかあ、ひともにゃがいんだもんにゃあ。にゃら、魔神とかはしゃらにながいきにゃの?」
「当たり前だ。あと……危機にひんしたなら、なぜに我を呼ばなかったのだ?」
「んー、ああしょっかあ。あたまににゃかったねえ。だって、にげれればよかっただけだちね。」
「……魔力もかなり溜まったぞ?言の葉の魔力を使ってみるか?
その幼児の言葉は疲れよう?」
「え、できるの?」
「ああ、主が嫌でなければな。」
「いや、もう、ちゃべれるにゃら、たちょうのことはがんばるち、がまんちゅる!」
「ならば、目を閉じよ。」
目を閉じるのか。いやあ、ちょっとドキドキ。魔法をかけられるのでしょう?ビビディバビディブーってか?
「*********,****************」
シャルの声がなにか言葉を紡ぐ、何を言っているかは、わからないが少し旋律がある感じで歌にきこえる?
んーと祝詞とかみたいな感じなのかな?
リズミカルなんだけど、厳かな感じというか……詠唱って言うのか、ちょっと綺麗だ。
それが終わると、唇が柔らかなものに包まれた。
びっくりして口が開いてしまい、ディープなキスをされた。
うぇ、なんでなんで!なにするんだよ!
子供じゃないから(いや。こどもだけど!)何が起きているかわかってしまう。
私はまた、シャルにキスをされている。
まして、またベロチューって!あんた!幼児の口にするのは反則だろうが!
今回は、長い。
前よりも長いっつんじゃ。
いい加減にしろ!とシャルの胸を叩く。
クスリと鼻で笑われた。
にげられないように頭を手で抑えられた。
こ れ は !
幼児に対するキスではないだろが!
いや。やばいって!
現在、私は赤ん坊に毛が生えた程度の幼児なのです!
幼児なんだってば!大事なことなんで二度!
くたりと、体から力が抜けてしまい抗う力がさらに弱まる。
「ふふ、本当ならこのまま奪ってしまいたいが……それも叶うまい。だが、勇者にやる気はないとだけ言っておこうか?」
「は?なにを?」
「決まっている、お前をだ。おまえを勇者になぞ、やる気はない。」
それだけ言うとシャルは消えた。
いや、それよりもキスって?
魔力をもらう時だけじゃないのか?いや、言の葉の魔法で魔力を使ったから?
いやあ、マジで奏歌が寝ていてくれてよかった。
私をやる気はないって?
一体全体、どーゆー意味?
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