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第二章 異世界というものは
No.9
しおりを挟む私は奏歌と二人でやっていくことに決めた。
いや、周りは利用するよ?でも、ただ庇護を受ける気はないんだ。
そう、完全に50/50で。等価交換ってやつね。
当たり前だのクラッカー!だよね。
私は外見はともかく、いい大人だであるし?まあ、多少はね体に引きずられてるところもあるけども。
いわゆるあの、某アニメだね。
体は子供、頭脳は大人ってやつ。あそこまで頭良くないけどね?でも、高校生よりは『経験値』あるとおもう。
まあ、幸いにもあまりある魔力があるんだもん。
あとは、この容姿もどーやら役に立つようであるし。ちょっと余計なものも引き寄せちゃうのが難点ではあるけども。
強いと言ってた武器を置いてきたのは、もしかしたら痛かったかもしれないけど。
まあ、魔法でなんとかしていけばいいだろう。最悪は、テレポートで逃げればいいしね。
なにせ、チートだ(笑笑)。
「んじゃ、奏歌しゃん。かじょく会議をはじめまちょうか?」
「はーい!でも。ママ……ううん、ショウ。ソカでちゃんと呼んで。私も気をつけます!」
と、ソカはなぜか敬礼した。こんな時までおちゃらけるお前が好きさ。
「……ん、しょだね。ごめん、きをちゅけます。」
そうだね。なんの弾みに出てしまうかわからんしねえ。
『ママ』は、この世界にはなかったみたいでアダ名みたいにごまかせたけどね。
奏歌はまずい、本名だもの。
「さて、ちょか。」
「うん、ショウ。まずは、お金だよね?」
「うん。」
やはり、何をするにも先立つものがいる。たしかにマールがある間はなんとかなるが、できる限り残しておきたい。
何があるかわからないのだから。
「稼ぐ手段は、冒険者として依頼をこなす!これでしょ?」
「うん。」
「カフェは、稼いでからだね。どのくらいで作れるかはわかんないけどさ。」
「まね。」
たぶん、それを言ったらロドリヌスあたりが、お金を出してしまいそうだ。
でも、それは自分たちの力じゃない。
「まあ、さ。おっさんたちが出すっていいそうだからさ。この夢は言わない方がいいよね?
あ、この宿くらいのさ規模はいらないけどさ。この宿がどのくらい必要なのか聞いてみる?そしたら資金がいくらかって、わかるよね?」
「そうだね。ちょれならこの宿ができるくらいまで、おかねをかちぇいで、貯めればいいにぇ。ちょしたら、にゃんとか、オープンできりゅね!」
「うん。よし、私ちょっと行って聞いてくるね!善は急げ!時は金なりだね!」
言ったとたんに、走って出て行った。……なんか使い方間違っている気もする。私はお前に『慌てる乞食は貰いが少ない』をおくりたいぞ?
この宿だからまだ、一人の行動も許せる。女しか入れないからね。勇者クラスあたりがこなきゃ、私たちを拐えないだろうことはわかったから。
また、パタパタ走って奏歌が戻ってきたが……顔が暗い。
「ショウ、やばい。」
まさか、もう追っ手が来たとか?
「ど、どちた?」
「……家だけじゃなく、土地が高い。って言うか?税金なのか?が超高い。」
「マジで?」
「うん。9000万クルーがないと無理だって。」
「なななな!」
「保証金が店をやるには必要なんだって。新しく商売をやるには、5000万クルーの保証金が払えないと土地は買えないし、店もできないんだって。土地が3500万クルーくらいで建物とかは安いみたい。
村ならまだ安いみたいだけど、どこでやるにもこの国でやるなら、保証金は一緒なんだって……。」
「うわー、マジで?ひぁあ、ぼっちゃくりってかんじじゃん。」
「うん。だからね……親のを継いでとかが必要みたいなの。
つまりさ、身分制が高いみたいなんだよ。
身寄りのないしがない冒険者には無謀な感じみたいだった……。」
「そっか。」
そだよね。ラナンだってミリだって……実家がしっかりしてるみたいだったもんね。あ、ミリは王子か。
ロドとかはさ、本人がもうすでに身分ありだもんね。
だからって、世話になりたくはないけどもさあ。
だってね。
こたえてなんかできないし。
まあ、しかたないか。
どのくらい、依頼をこなしたらばそこまで稼げるかはわからないけでさ。
でも?
「まあ、ソカ。あたちたちには、あまりありゅ時間がありちょーだし、ふたいで頑張ればかちぇげるんじゃないかにゃ?」
「んふふ、私、ショウの前向きなとこ大好き。」
「そだよ!だって、あたちは一人でソカの大学ちきんまで、稼ぐ女だじょ?」
「ははー。流石にございます。」
と、奏歌は私にひれ伏す真似をした。
気分はお代官ごっこだ。私たちはやはり根が……お笑いなのかもしれない。よく、二人で親子漫才になってしまうんだよね(笑笑)
二人で、吹き出し大笑いをした。
そう、ゆっくり、ゆっくりでいい。
私たちはどーやら長生きらしいんだもん。
いつか、二人でできたらいよね?
だって、この世界に来る前、流行りなのかな?
異世界で食べ物屋をやるラノベも多かったじゃない?
冒険してお金稼いで、いつかはカフェをなんていーとおもう!
いーじゃん、いーじゃん。
ね?
目標があれば、それだけで頑張る気力が湧くってもんだ!
「ね、ね。このちぇかいに猫いるかにゃ?」
「んー、目が四つとかにはなりそうだけどさ、愛玩動物はいるんじゃないかな?」
「んー、猫がいちゃら、ネコカフェいいにゃって。」
「まあ、それもいいじゃん。ネコカフェが無理でもさ。家族に迎えられるかもしれないじゃない?」
「あ、そっか。それがいいきゃも。家族がふえりゅ。」
「黒サーベルの縫いぐるみ?ネコみたいじゃん?いるかもね?」
「んー、そうだよね?」
うん、黒サーベルの縫いぐるみを出して、ギュッとする。
たしかにこの縫いぐるみはネコにしか見えないんだけどなー。
本物みてみたいなー。
「いつか、本物。みたいね?」
「うん。」
じつは、奏歌もかなりの猫好きだからね。
とりあえずは、第一にお金を稼ぐ。
これしかない!
稼いだ後は、どのくらい長く生きるかわかんないから、家と店があれば、安心だよね。
って、思うとロドが下宿をしてくれるの……すごく助かったよね。
だって、女宿よりも自由度高そうだし…何より安いかもだし。
それにご飯を作るのに困らない設備を作ってくれそうだった。
いやいや、頼ってはいけないと思い直すけど……惜しいって気持ちもあるんだよ。
だってさ、下宿代を安くしてもらって、炊事を担当しようと思っていたんだもん。
それに、何となく色々とこの世界のことを教えてもらえるかな?って。それって大事だと思うし?
魔法の使い方とか戦い方とかも詳しそうだからさ。特に魔法に関しては『勇者』が最高なんでしょう?
何より、わたしと同じだけ属性があるようだったし。
って、おもう反面、応えることはできないし……あー、もうだから、男と女は恋愛感が入ると面倒なんだ!
「ね、ショウ。あれからさ、魔法使ったりしたじゃない?どのくらい、強くなったかな?」
「ああ、みてにゃいね。スマホで見る?」
「うん。」
「ステイタスウィンドウ。」
「ちゅていたすういんど!」
ーー鈴木奏歌(通称ソカ)
ーー15歳
ーーギルドランク(F)
ーーレベル(20)
ーーHP(500/1000)
ーーMP(1500/2000)
ーー魔力ランク(S)
ーー魔力レベル(25)
ーー魔力属性/風火土水無
ーー武器ランク(S)
ーー武器レベル(2)
ーー武器/金剛石の竪琴/スーラの短剣
ーー防具/風の守護服
ーー異世界人スキル/マルチリンガル/恋愛運上/母の護り
ーーユニークスキル/歌い手/空間収納
ーー鈴木昭子(通称ショウ)
ーー3歳(精神年齢38歳)
ーー冒険者
ーーギルドランク(F)
ーーレベル(30)
ーーHP(200/360)
ーーMP(5500/6000)
ーー魔力ランク(SSS)
ーー魔力レベル(40)
ーー魔力属性/光闇水火土風無
ーー武器ランク(SS)
ーー武器レベル(1)
ーー武器/なし
ーー防具/黒サーベルの守護服
ーー異世界スキル/マルチリンガル/神の祝福/魅力上/愛でられ運上
ーーユニークスキル/獣語/癒し手/魔神の護り(仮)/空間収納
「……上がり方がめちゃすごい?」
「ん、でも体力があがんにゃい。」
「うーん。基礎体力の差かなあ。」
「でも、減りはすくにゃいね。」
「うん。」
「魔力系はすごくない?」
「だねえ。」
「やっぱ、教えてくれる人ほしいねえ。でないとさ、簡単に人をパンってしそう……でこわい。」
「ん、わかる。」
わかりますよ。だってねえ。あれですもん。本気だしたら……こわいですよね~。人は殺したくないですよね~。
まあ、魔法防御によっては、瞬殺はないだろうけど?
まだレベルが10の時でもあれで……たぶん、人間を簡単に破壊するよねえ?
ーーコンコン
扉?違う窓?恐る恐る窓まで行くと。
「よう?」
「ろどりぬちゅ!」
「さっきは悪かった。だから、部屋から出てきてくれないか?」
「いや。」
「夕飯、奢るから。話がしたい。」
「いや。」
「城にはいかないから。飯宿ならいいだろ?もちろんミリたちもいる。」
「……ね、ショウ。頭にきたとはいえさ、勝手に帰ってきちゃったじゃない?やっぱさ、ミリさんやラナンさんには話しようよ。」
うーん。それはね。私も気になる案件。
「も、けんかちないか?」
「ああ。」
「……なんにもちないか?」
「ああ。もちろんだ。」
「おーちゃまとかにちゅかまえられない?」
「させない。」
……させないのか。安心していいのか?
なら、話を聞くか。短気起こしたのは私だし……な。
私、こんなに短気じゃなかったんだけどな……。
「わかった。下にいくきゅから。」
「外でまってる。」
「ん。」
ヒュンと窓から、ロドリヌスは消えた。便利なやつ。
空飛べるのか。
ん?もしかして私も飛べるかな?
「さあ、ショウ。行こうか?」
「うん。ソカ。」
「大丈夫。何があっても私はママ…ショウの味方で離れない。」
「うん、私もソカのみかちゃではにゃれない。」
二人で手を繋いでお互い力を込めた。
うん、二人なら頑張れるね?
さあ、おっさんたちと対決(?)だ!
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