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第二章 異世界というものは
No.11
しおりを挟むつまりだ。
と話してくれた話しは、どうやら同じ7色持ちでレベルは上のロドリヌスがさらにシャルを従わせたらしいのだ。
だから、現在二人の主を持つようなんだけど……それって大丈夫なのかな?
それで、普通は主が望んだ姿とかにできるらしいんだけど、そーゆー説明もなく無理やりに契約したもので、私を取り込みやすい姿になったんだとか。
なんでも、『理想像』が私にはなかったようで、割合私がいた世界でイケメンとして捉えられる姿になったらしいです。
だから微妙に二次元よりなのかも……ねえ(ヲタクじゃないよー)。
でもって、今度は全てを解き明かした上でロドリヌスが、力技で上書きしたわけですよ。
それも私が主であることを残してままで従事させたわけ。
なので、『男』のままで私たちのそばに置くのが嫌だったというロドリヌスが、姿を私とソカに近い年の女性にしたらしい。
つまりね、今まではラナンだけに頼らざる得なかった女性専用の施設でも守れるようにっていうのと、自分のライバルを減らしたいということらしいんだよ。
でも、女×女も恋愛ありなら同じだとおもうんだけどなー。とは言わないでおく。
まあ、私自身はそれはないからね。私的にはかわいい女の子はウエルカムですけどねー。
むさい男よりずーっと良い!ただ、あのイケメンが見れないのは、ちと残念だとも思うが。
「だから、我がシャルじゃ。で、常にショウの護りをするのだ。」
「そうにゃんだ。んー、まあいっかにゃあ。ね?ソカ。」
「うん。強い武器ならショウの危険は減るしね。」
まあ、そーゆーわけで、また魔神の短剣は私の手に戻った。
また武器を買いに行く手間が省けたし、無駄にイケメン(見るだけなら楽しいがね)よりは、美少女の方がドキドキがない分気楽だし、楽しそうだ。
「で、下宿屋はどのくらいでできるの?」
奏歌がロドリヌスにそう切り出した。
「そうだな、一月もありゃできるんじゃないだろうか。まあ、その間に家具とか頼むか?」
「んー、私ら稼ぎたいけどさ。まずは魔法とか全くわからんのよ。特に加減?普通に知ってる呪文?というか、言葉で出したら…ね?」
「ああ、ああなると。」
ハロルドが納得顔で頷く。
「そそ。ショウなんて、ああできちゃうし?だから、どうしたらうまく使えるかなあって。」
「そこは俺が教えてやろう。」
「ロドさんが?」
「おう、不満か?」
「不満じゃないけど、悪いかな?って。だって、うちらド素人だし?天下の元勇者様をお使いするなんて、もーしわけないかなあ?なんて?」
「クックック、恐ろしい素人もあったもんだね?でも、なおさら、あんたらの力はロドリヌス様のがいいんじゃないかな。
まあ、実践で鍛えるってのも考えたけどさ。
ロドリヌス様なら練習相手でも、強いし?
なにせ……あんたら闇のスライムを一瞬で倒しちゃうだろ?物凄く……アンバランスでさ、危なっかしい。なら?学んだ方がいいだろう?暴走してもロドリヌス様なら止められるだろうしね。」
「…闇のスライム……。」
「一瞬て……。」
ハリーとハロルドが何やブツブツと。
「そうねえ?この国のことも子供以上に知らないし。なーんか、危なかったしいわ。」
呆けていたハロルドが頭をふり、正気に戻って同意する。
「だな。本当はさ。俺たちとパーティを組んでとも思っていたんだけど、何かあって『暴走』をおこしたら……たぶん、俺たちくらいの力じゃ止められないからな。」
「んーと、私たちの力って、そんな強いの?ショウの力が強いのはわかるんだけど。」
「……総合レベルくらいは聞いていいか?」
自分を取り戻したハリーに聞かれる。
「んーと、レベルとかは言ってもだいじょーぶ?」
「まあ、パーティ内なら知っておかないとまずいだろ?
まあ、皆レベルくらいは開示しているぞ?」
「んー、私たちのレベルはショウが30で、私が20よ?」
「まあ、普通?だが、それで倒すか……闇スライムを。」
「そのレベルで体力が1000以下……。」
「上位魔法を簡単に……。」
「ロドリヌス様の結界を……。」
あり?なんでみんな頭を抱えてるの?
「つまり、魔法ランクが高く魔力値がでかいわけだ。
そのレベルで俺の結界を無くすか……いいぞ。本当に最高だ。」
なんか、ロドリヌスだけが喜んでるけど。
まあ……めんどくさいからスルーしておこう。
「うん、訓練が必要だな。やっぱり。あたいらもその間に荒稼ぎしたいしねえ。」
「なあ……これだけの人材を王国がほっておくか?」
ハロルドが心配そうに言う。
……たしかにだ、魔力が高く有効な魔法が使えるけど、レベルと体力が低い。御し易いと考えるかもしれない。
ただ、抑えるには勇者クラスが必要らしいが……。
ただ、魔物とかならなんとか退治できても……リアルで人を殺せるか?と問われたらノーだ。
つまり、死ぬ気で来られたらこちらのほうがぶがわるい……わけだ。
「だから、俺がいる。」
ロドリヌスが胸を張る。まあ、元勇者で未だに影響力があり強いロドリヌスがいれば、そうそう手は出せないだろう。
「俺もいる。」
「ハリーが?何も持たない奴が?逃げている奴が?」
ロドリヌスが嘲笑うかのようにハリーに問う。
「………英雄になれと?」
「ああ、そうだ。なれるならな?ずっと逃げ続けているお前が、なれるなら?なればいい。
こいつらを守る盾は一つでも多い方がいい。」
「そうね。元勇者と現勇者と英雄を前に手を出す奴らはいないものね?」
にっこりとミリオンが微笑む。
これで、ロドリヌスのつぎに年寄りとは到底思えないんだが。
まあ、確かに人相手の戦争なら英雄が一番強いらしい……でも勇者とどっちが上?
というか、今は戦争ないんでしょう?なら必要なの?
「あのちゃ、素朴にゃギモン。勇ちゃは、魔王軍相手で人の軍相手は英雄なんでしょ?にゃら、今はもう勇ちゃはいらにゃくない?
他国との戦争もにゃいなら、英雄いらにゃくにゃい?」
「それがなあ、必要なんだ。」
「にゃんで?」
「まあ、簡単に言うと人というのは強欲ということ。権力があればあるほどね?」
「……それは、欲に上限がないってこと?」
「その通りだ。魔族は、まあたぶん面倒な事はしないだろう、もともとは自分たちが脅かされなければ、静かだしな。あいつらから欲しいと思うものは、それほど多くない。
なら、なぜ?攻め込んできていたか?
まあ、単純な事だが『人にとって脅威な存在はいらない』と迫害を受けていたから。
だから、交渉した。
向こうが欲しいのは、『人が魔族を迫害しない、差別しない。』だ。一方で、人が欲しいもの。
魔石、富、そして人間にない力。
だから、奪う。だから除去しようとしたわけだ。
それが魔族との戦争。
そしてそれが終着すると、今度は人との戦争。俺と英雄で打ち負かし、最小限の被害で人間間の戦争は終わったが……勇者と英雄がいなくなったらどうなると思う?」
「……また攻めてくる?」
「そうだ。今は俺たちが怖いから和平を結んでいる。言っちゃなんだが、この国はかなり潤った平和な国だからな。」
魔獣や魔物が出ても、平和な国なのか。なら、他の国はもっと危険だったわけ?
「まあ、小競り合いくらいはあるがな。まあ、そこは王と騎士がいりゃなんとかなる。けして、弱くはないからな。
だが、お前たちは危険なんだよ。この国以外ではな。」
「つまり、私たちの力が他国に知られたら、ミリさんたちの対抗戦力になるから?」
「あたりだ。」
「ちゅまり、あたちたちを守ると同時にかんちちゅるわけだね?」
「……ああ、そーゆーことか。だから、こんなに親切なんだ。納得!」
うんうんと奏歌が頷く。
そうだよね、それならこの『優しさ』も納得できるかな?
「いや、それだけってわけじゃないわよ?」
「んー、まあ、でも。そんくらいの打算があるにゃら……。」
こっちも利用しまくっていいんじゃないかなって、思えるしね。
「じゃ、えんりょちない。ロドしゃん、よろちくね。」
うん、ロドリヌスの生き字引のような知識と経験を教えていただきましょうかね、ふふふ、踏み台?にしてもいいよね。
まずは、そこから始めよう!だよね?
ロープレだって、初めは情報を集めからするもんじゃない?
しかし……やっぱり人はいる限り争いはなくなんないんだね。
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