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第二章 異世界というものは
No.12
しおりを挟む食事も終わり、まだ少し時間もあるということなので、下宿屋をやるという敷地を見に行くか?
ということになった。
疲れているから別の日にと言ってみたんだけど、なら送りがてらと言われてさっさとロドリヌスに抱き上げられてしまった。
仕方がない。
「ソカはだいじょぶ?」
「ん、まだ大丈夫だよ?」
「そう。にゃらいいけど。」
「大丈夫さ。疲れたら言いな。あたいが抱っこしてやるからね?」
とラナンに頼りになるお言葉をいただきました。
「やだ、いくつだと思ってるんですか!私は、15です。もう、抱っこされる年じゃないですー。」
と娘はブー顔で言い切りました。じゃ、娘。38歳で抱っこされてる私はどーなるわけさ。
私がちろりと見ると、スマホに着信。
『ママは今、3歳だからね?』
娘はエスパーか?何故、考えてることがわかったんだろうか。
まあ、いいや。今日は疲れてるし、まあ肉体的(こう言うとエロく思えるのは汚れた大人だからか?)にというより精神的にだけども。
38歳の羞恥は捨てようと思う。
だって、何をしても38歳には戻れないようだしね。戻れるなら、神様がちゃんと戻していたはずだもんね。
さてと飯宿を後にして、その確保済みだという敷地に向かう。
歩くこと、たぶん十数分てところかな?割合、女宿似近いんじゃないだろうか。
あ、ギルドには物凄く近いかもね。でも騒然とした市場やなんかからは、少しだけ隔離された感じでいわゆる高級住宅地みたいな感じなのかな?
まわりもお屋敷っぽいのや、日本のアパートくらいの大きさの家やなんかがあるけど、ほどほどに緑が残ってる感じがいいね!
もしかして、わざとかな?ギルドとかに近いの。
でもさ、どこからどこまでが敷地なわけ?
ま さ か!だけど?
この柵で覆ってるとこじゃあありませんよね?
マンション立ちますよ?
そう、それもマンモス的な。駐車場付きで公園付きな感じの。
違いますよねー?流石に。
「ロドさん、どこが敷地?」
「この柵で囲まれてるとこは、全部だ。どのくらいのがいい?薔薇園とかも作れるしな。」
「でかすぎる。」
「いや、だがそのくらい欲しいし必要だろ?」
「おちょーじたいへん。」
そんな広かったら、掃除がたいへんだよ。一日中掃除になっちゃう。あ、魔法があるか!でもさあ、ものには限度があるし。何より、部不相応だよ!
花は好きだけど、こじんまりとした花壇くらいがせいぜいだし、そのくらいで充分だもん。
あ、でもできたら、小さなハーブ園みたいなのが欲しいな。
「いや、飯は作って欲しいが、それ以外はメイドがするぞ?」
「は?」
「いや、だから人を雇うし。」
「……宿屋じゃにゃいんだから、各自の部屋は、じぶんででちょ?まあ、みんなでちゅかうとこは、みんなでこうたいで、おちょーじか、やとうにゃら……赤字の経営ににゃらにゃいか?」
「……いや、その。これで儲ける気はないしな。敷地も昔に貰った褒賞だし……金もどんだけあるか分からんしな。」
「ロドリヌス様は現役で唯一、黒金のギルドカードを持つのよ。」
「黒金……て?」
「うーん。SSランクの色ね。Sは黒。SSSは金だけど……未だかつて、そこに至ったのはいないわ。」
「ふーん。ちゅごいんだね。」
そこまでは長そうだね。単純なレベルじゃなさそうだし。
「ま、そーゆーわけでな、ギルドのクエストもこなしてたから……一人じゃ使い切れねーだけあるんだよ。」
「でも、お金は大事だから。節約するところはした方がいいと思う。それに、このほかに誰か下宿人を募集するの?」
「いや、しない。ライバルになる奴も邪な考えの奴も困るからな。とりあえずは、予備で一部屋多く作る程度か?」
「じゃ、あんまり大きくない方がいいな。」
そうそう。所詮は、庶民だしねえ。広すぎたらかえって落ち着かない家になってしまう。
「そうか?なら、明日は図面におこすとか思ってたが……二人もくるか?その後なら、色々教えてやるぞ?」
「んー、勉強は大切だよね。」
「うん。たいせちゅ。」
右も左もわからないしね。できたら、きっちり教えてもらわねば。
ということで、とりあえずは明日は下宿屋としての部屋の見取り図?を一緒に考えたあと、お勉強になりそうだね。
しかし……どーにも一日が濃すぎて疲れるのです。
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