娘と二人、異世界に来たようです……頑張る母娘の異世界生活……ラブ少し!

十夜海

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第四章 異世界を自由に静かに……生きたい

No.6

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並び始めて……数時間。
ようやく順番がやってきた。
宰相おじいちゃんから貰った、王後見の証のメダルを見せれば順番早くなるって奏歌に言われたけど……皆んな並んでるし。
平民の旅行者?はもっと長く並んでいるみたいだしね。
冒険者、商人、貴族、平民は皆入り口別らしい。
貴族が待たずに入れるのは、どこの世界もあるあるだよね。
もちろん王族ならさらに先になる。
まあ、そりゃそうか。
並ばせて守る労力より、さっさとと入れてしまった方が、楽だものね。
まあ、そんなんで冒険者用の入り口に並んでます。
とりあえずは日が暮れる前に順番になってよかった。

「では、次の者ギルドカードを。」
「はーい。」

奏歌、ハロルド、ラナン、ティア
、アスカ、私、ロドリヌスの順にカード提示と黄色い版(これで犯罪歴がわかるみたい)に手を置いていく。
ロドリヌスが最後なのは、私のせい。
いつも揉めるからね。その尻拭いというか……保険というか。

「は?え?え?」

うん。そうだね、わかるよ。
こんなちびっ子が銀のギルドカードじゃね?
でも、実際強いからね。

「あっ!あの、天使ショウ様でらっしゃいますか?」
「はあ?」

いきなり、わけわからんことを。

「そうだ。」

って、ロドリヌスが肯定って。
いや、天使じゃねーし!

「あの、ショウは合ってるけど天使じゃないよ?」

確かに前に歌で白羽だしてからさ、出せるようになって……たまに天翔け!とか言って、空飛んでたのは認める。
でも、人に見られたことはないはず?

「あの!サインください!」

って、サインなんてあるんだー。そこは私より元勇者たちからもらおーぜ?

「えーと?私はどんな存在生き物認定をされているのでしょうか?」
「もちろん、『天使様』でございます。美しさと慈愛……他を寄せ付けない圧倒的なお力!
黒き天使様にございます!」

黒き天使って……堕天使なんじゃない?
というか……恥ずかしすぎる!

「天使はやめて……。」
「無理だな。」
「あの、これにサインを!」

ロドリヌスに否定され、警備兵にはサインするものを出された。
……まて、それはっ!

「ショウ様の姿絵です。給料の半分が吹っ飛びました。
もう、絵姿より……可愛らしっひうっ…。」

ロドリヌスから殺気が……これ以上目立ちたくない。
いつの間に絵姿が販売された?
肖像権はっ?
もう、面倒になった私は……死んだ目をして『ショウ』とだけ書いた。

「ありがとうございます。では、こちらに手を。はい、結構です。それから、素晴らしい!銀のサーベルに騎乗だなんて。
ただ、申し訳ありませんが影に入れていただけますか?」
「…うん。」

シュルリとシャルの姿が溶けて、影にはいる。
次の瞬間には短剣にシャルの気配を感じた。

「はい、結構です。それではどうぞ。」

ロドリヌスはとっと済ます。
それくらいサラリと入りたい。
後ろの順番待ちの冒険者も騒ついているし……認識されているのも面倒だと思う私なのだった。


「遅かったねー。」
「……もう、嫌だ。」

この先に何個か町があるのに……。
その度にこれか?あれか?
これか?は、天使云々。
あれか?は、偽証云々。
……もしかして、メダル見せた方がスルーできる?

「あはは。まあ、しょうがないよ。私もたまに女神だなんだってなるもん。ママみたいにサインまではないけどね。」
「ソカの絵姿は、ミリが禁止したから。」
「私のもしてよ!」
「無理だよ。だって、描かせてるの、ロド様だからな。」
「はあ⁈」
「……すまん。」

ロドリヌスが言うには、自分だけの楽しみに描いてもらっていたのだけども!
それをいつのまにか……売られていたと……。
その絵をさらに複写して売られてしまっているとか……。

「……勘弁してよ。」
「しょうがないよ。だって、ママは、『ドラコ』倒しちゃったし……癒しちゃったからねー。伝説の天使なんだとー。しってる?物語も出てるんだよ?
女神と天使の話で。」
「って、なんでそんなに冷静?」
「だって、私は目立ってなんぼの声楽家だし?来年、ミリと結婚したら……それこそ『プライベート』は無くなるじゃん?
それにさー、まあ、害がなければいいんじゃない?」

害はないかもしれないが!恥ずかしさはこの上ないだろうがっ!
私はの一般人なのに……。
でも、もういいや。

「ちなみになんで、私が羽生やした絵なの?」
「……すまん。」
「ロドのせいってこと?」
「すまん、悪気はない。前に空飛んでただろ?それをその……。」
「ああ、映像を録画できるやつ?」
「なに、それ!」

そんなもんあるの?

「え?ママ知らなかったの?それの方が驚きだよ。私のリサイタル、いつもミリが録画してるよ?」
「はあ?」

まじかよっ!

「み、見たことない!んだけど!」
「まあ、聞かれなかったし。」
「……あとで見せて……。」
「おっけー。」

というか欲しい。
コピー出来ないか聞いてみよう。
ああ、そうそう。
ごまされてしまうとこだった。

「で?ロドは、それで私の羽根つきを録画したと?」
「……すまん。」
「それを素に絵を描かせたと?」
「……すまん。」
「ちなみに、どんだけ描かせた?」
「……すまん。ハリーや宰相も欲しがったんだ……王も。」
「ちなみに、私も持ってるよ?二人の絵を描いてもらった。ほら。」

うん、すごい技術ですね。
まさか、ペンダントトップがロケットでその中に二人の絵が描いてあるとは思わなかった。
ミリオンのプレゼントだそうだ。

「ふふ、いつも一緒なんだ。」

にへっと笑うソカは可愛いが。
似たようなものを目にしていることに気づいた。

「……もしかして、ロドのペンダントトップの中も私がいるとか言わないよね?」
「………すまん。」

お前は乙女か!
っていうか……私だけ知らなかったわけだ。
……それって、私が鈍いのか?

「まあ、売ってるのはあんまりママがいかない店だもんねー。」
「ああ、高級店だしな。」

そーゆーことか。
確かに私は高級な店には、いかない。あ、いや、食事は何度か行ったか。
でも、貴金属店には興味がないし。
絵にも興味がなかった。
……恥ずかしさマックスだ。

……ロドリヌスは、お仕置きだな!うん。

しかし、映像を録画できるのに写真じゃないって……不思議だ。
はあ……教会を煽ってそうで、面倒だなあ。

ちなみにメダルを見せると早く中には入れるが、大事になるそうですよ。
太子やら、領主やらが迎えに来ちゃうんだとか……。
……私は、長くても並んで入る決意をしたのはいうまでもない。




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