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第二話:まずは婚約者(脳筋王子)との関係改善から。
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「……ええ。どうぞ、お通ししてちょうだい」
なんとか絞り出した声は、幸いにも震えてはいなかった。
内心は、嵐の中の小舟のように揺れに揺れているというのに。
さすがは公爵令嬢。
体に染み付いた所作というものは、意識が入れ替わっても健在らしい。
ありがとう、元々のセレスティナさん。
ゆっくりと扉が開かれ、一人の青年が部屋に入ってくる。
燃えるような赤い髪に、快活な翠の瞳。
鍛え上げられた、がっしりとした体躯。
いかにも「王子様」といった華やかな軍服を身にまとっている。
第一王子、アルフォンス・ルキウス・クライネルト。
ゲームでは「脳筋王子」なんて呼ばれていたけれど、実物はなかなかのイケメンだ。
太陽みたいな、眩しい笑顔。
――まあ、その笑顔が、私に向けられることはないのだけれど。
「セレスティナ。急にすまない」
アルフォンス殿下は、少し気まずそうな顔で私に言った。
ゲームの彼は、セレスティナに対していつも苛立った態度を取っていたはず。
今のところ、その気配はない。
(まだ、ヒロインに出会う前だから……か)
そう。ゲームのストーリーが本格的に始まるのは、ヒロインが王立魔導学園に入学してから。
今はまだ、プロローグの段階なのだ。
ここで下手に媚びたり、逆に冷たく突き放したりするのは悪手。
目指すは、「知的で穏やかな、非の打ち所のない婚約者」。
「いいえ、殿下。お越しいただけて光栄ですわ。どうぞ、お掛けになって」
私は優雅に微笑み、椅子を勧めた。
その完璧な淑女ムーブに、アルフォンス殿下は少しだけ目を見開く。
「……ああ」
促されるままに、彼はソファに腰を下ろした。
侍女が手際よくお茶の準備をしてくれる。
沈黙が、少し気まずい。
さて、どう切り出すか。
彼の今日の訪問理由は、十中八九、近々行われる「王家の狩猟会」についてだろう。
ゲームでは、セレスティナが「殿下のエスコートは私以外ありえませんわ!」と騒ぎ立て、彼を辟易させるイベントだ。
もちろん、そんなことはしない。
「近々、王家の狩猟会が催されると伺いましたわ」
私から、あえてその話題を切り出した。
「ああ、そうだ。それについて、君に話があって来たんだ」
アルフォンス殿下は、待ってましたとばかりに身を乗り出す。
「今年の狩猟会だが、私は騎士団の若手たちと共に行動することになった。だから、その……君をエスコートすることが、できない」
申し訳なさそうに、けれどどこかホッとしたように彼は言う。
ゲームのセレスティナなら、ここでヒステリーを起こす場面だ。
「どうしてですの!? 私という婚約者がいながら、他の者と……!」と。
しかし、今の私は違う。
「まあ、そうですの。それは素晴らしいことですわ」
「……は?」
私の予想外の反応に、アルフォンス殿下は鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。
「殿下は次期国王となられるお方。騎士団との連携を深めることは、国の守りを固める上で非常に重要ですもの。どうぞ、お気になさらないでくださいな」
にっこりと微笑んでみせる。
完璧な、理解ある婚約者の笑顔。
「私でしたら、父や兄もおりますし、友人たちと楽しませていただきますわ」
「そ、そうか……。君がそう言ってくれると、助かる」
アルフォンス殿下は、心底安堵した様子で息をついた。
チョロい。
さすが脳筋王子。
(よし、第一関門はクリア!)
これで、彼に「面倒な女」という印象を与えることは避けられたはずだ。
むしろ、「物分かりの良い婚約者」として、少しは好感度が上がったかもしれない。
しかし、彼の次の言葉が、私の心をざわつかせた。
「最近、隣国のアークライト皇国の動きが不穏でな。騎士団の練度を上げておく必要があるんだ」
アークライト皇国。
その名前に、心臓がどきりと跳ねる。
私の最推し、ゼノン・アークライト皇子の国だ。
「……何か、あったのですか?」
平静を装って尋ねる。
声が上ずっていないか、少し心配だ。
「国境付近で、不審な魔力の反応が観測されているらしい。父上も警戒を強めている」
アルフォンス殿下は、顔を曇らせる。
ゲームでも、二国の関係は常に緊張状態にあった。
それが、物語の大きな軸にもなっている。
(ゼノン様……)
推しの名前は出てこなかったけれど、彼の国の話が出ただけで、胸が高鳴ってしまう。
会いたい。
一目だけでもいいから、生きて動いている彼に会ってみたい。
――なんて、ダメダメ!
彼は破滅フラグだって、さっき自分で確認したばかりじゃないか。
(関わっちゃダメ。絶対に)
自分に強く言い聞かせる。
彼との会話を当たり障りなく終え、私は安堵の息をついた。
アルフォンス殿下が帰った後、ドッと疲れが押し寄せる。
たった数十分の会話で、精神をすり減らしすぎだ。
(前途多難すぎる……)
ぐったりとソファに体を預けた、その時だった。
「お嬢様、失礼いたします」
父付きの執事であるセバスチャンが、恭しく部屋に入ってきた。
老齢だが、背筋はピンと伸びている。
「旦那様がお呼びです。書斎までお越しください、とのこと」
「お父様が?」
私の父、ライオネル・フォン・ヴァレンシュタイン公爵。
この国の宰相を務める、冷徹で計算高い人物だ。
ゲームでは、娘であるセレスティナを政略の駒としか見ていない、非情な父親として描かれていた。
彼が私を呼ぶなんて、珍しい。
大抵は、何か面倒事を押し付けられる時だけだ。
嫌な予感が、胸をよぎる。
書斎の重厚な扉を開けると、父は山積みの書類から顔を上げた。
娘に似た、美しい紫の瞳。
だが、その光は氷のように冷たい。
「来たか、セレスティナ」
「はい、お父様。お呼びと伺いまして」
「うむ。アルフォンス殿下との婚約の件だが……少し、変更がある」
父の言葉に、私は息を呑んだ。
まさか、もう婚約破棄!?
早すぎる!
しかし、父の口から告げられたのは、私の予想を遥かに超える、衝撃的な内容だった。
「お前には、王家に嫁ぐのではなく、我がヴァレンシュタイン家の力となってもらう。近々、我が領地の視察へ向かえ」
「……領地の、視察ですか?」
「そうだ。ただの視察ではない。お前の役目は、ヴァレンシュタイン家の権威を領民に示すこと、そして――」
父は一度言葉を切り、私を射抜くような鋭い目で見つめた。
「――我が家の力を削ごうと画策する、不穏分子を炙り出すことだ」
ゲームには、そんな展開、どこにもなかった。
なんとか絞り出した声は、幸いにも震えてはいなかった。
内心は、嵐の中の小舟のように揺れに揺れているというのに。
さすがは公爵令嬢。
体に染み付いた所作というものは、意識が入れ替わっても健在らしい。
ありがとう、元々のセレスティナさん。
ゆっくりと扉が開かれ、一人の青年が部屋に入ってくる。
燃えるような赤い髪に、快活な翠の瞳。
鍛え上げられた、がっしりとした体躯。
いかにも「王子様」といった華やかな軍服を身にまとっている。
第一王子、アルフォンス・ルキウス・クライネルト。
ゲームでは「脳筋王子」なんて呼ばれていたけれど、実物はなかなかのイケメンだ。
太陽みたいな、眩しい笑顔。
――まあ、その笑顔が、私に向けられることはないのだけれど。
「セレスティナ。急にすまない」
アルフォンス殿下は、少し気まずそうな顔で私に言った。
ゲームの彼は、セレスティナに対していつも苛立った態度を取っていたはず。
今のところ、その気配はない。
(まだ、ヒロインに出会う前だから……か)
そう。ゲームのストーリーが本格的に始まるのは、ヒロインが王立魔導学園に入学してから。
今はまだ、プロローグの段階なのだ。
ここで下手に媚びたり、逆に冷たく突き放したりするのは悪手。
目指すは、「知的で穏やかな、非の打ち所のない婚約者」。
「いいえ、殿下。お越しいただけて光栄ですわ。どうぞ、お掛けになって」
私は優雅に微笑み、椅子を勧めた。
その完璧な淑女ムーブに、アルフォンス殿下は少しだけ目を見開く。
「……ああ」
促されるままに、彼はソファに腰を下ろした。
侍女が手際よくお茶の準備をしてくれる。
沈黙が、少し気まずい。
さて、どう切り出すか。
彼の今日の訪問理由は、十中八九、近々行われる「王家の狩猟会」についてだろう。
ゲームでは、セレスティナが「殿下のエスコートは私以外ありえませんわ!」と騒ぎ立て、彼を辟易させるイベントだ。
もちろん、そんなことはしない。
「近々、王家の狩猟会が催されると伺いましたわ」
私から、あえてその話題を切り出した。
「ああ、そうだ。それについて、君に話があって来たんだ」
アルフォンス殿下は、待ってましたとばかりに身を乗り出す。
「今年の狩猟会だが、私は騎士団の若手たちと共に行動することになった。だから、その……君をエスコートすることが、できない」
申し訳なさそうに、けれどどこかホッとしたように彼は言う。
ゲームのセレスティナなら、ここでヒステリーを起こす場面だ。
「どうしてですの!? 私という婚約者がいながら、他の者と……!」と。
しかし、今の私は違う。
「まあ、そうですの。それは素晴らしいことですわ」
「……は?」
私の予想外の反応に、アルフォンス殿下は鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。
「殿下は次期国王となられるお方。騎士団との連携を深めることは、国の守りを固める上で非常に重要ですもの。どうぞ、お気になさらないでくださいな」
にっこりと微笑んでみせる。
完璧な、理解ある婚約者の笑顔。
「私でしたら、父や兄もおりますし、友人たちと楽しませていただきますわ」
「そ、そうか……。君がそう言ってくれると、助かる」
アルフォンス殿下は、心底安堵した様子で息をついた。
チョロい。
さすが脳筋王子。
(よし、第一関門はクリア!)
これで、彼に「面倒な女」という印象を与えることは避けられたはずだ。
むしろ、「物分かりの良い婚約者」として、少しは好感度が上がったかもしれない。
しかし、彼の次の言葉が、私の心をざわつかせた。
「最近、隣国のアークライト皇国の動きが不穏でな。騎士団の練度を上げておく必要があるんだ」
アークライト皇国。
その名前に、心臓がどきりと跳ねる。
私の最推し、ゼノン・アークライト皇子の国だ。
「……何か、あったのですか?」
平静を装って尋ねる。
声が上ずっていないか、少し心配だ。
「国境付近で、不審な魔力の反応が観測されているらしい。父上も警戒を強めている」
アルフォンス殿下は、顔を曇らせる。
ゲームでも、二国の関係は常に緊張状態にあった。
それが、物語の大きな軸にもなっている。
(ゼノン様……)
推しの名前は出てこなかったけれど、彼の国の話が出ただけで、胸が高鳴ってしまう。
会いたい。
一目だけでもいいから、生きて動いている彼に会ってみたい。
――なんて、ダメダメ!
彼は破滅フラグだって、さっき自分で確認したばかりじゃないか。
(関わっちゃダメ。絶対に)
自分に強く言い聞かせる。
彼との会話を当たり障りなく終え、私は安堵の息をついた。
アルフォンス殿下が帰った後、ドッと疲れが押し寄せる。
たった数十分の会話で、精神をすり減らしすぎだ。
(前途多難すぎる……)
ぐったりとソファに体を預けた、その時だった。
「お嬢様、失礼いたします」
父付きの執事であるセバスチャンが、恭しく部屋に入ってきた。
老齢だが、背筋はピンと伸びている。
「旦那様がお呼びです。書斎までお越しください、とのこと」
「お父様が?」
私の父、ライオネル・フォン・ヴァレンシュタイン公爵。
この国の宰相を務める、冷徹で計算高い人物だ。
ゲームでは、娘であるセレスティナを政略の駒としか見ていない、非情な父親として描かれていた。
彼が私を呼ぶなんて、珍しい。
大抵は、何か面倒事を押し付けられる時だけだ。
嫌な予感が、胸をよぎる。
書斎の重厚な扉を開けると、父は山積みの書類から顔を上げた。
娘に似た、美しい紫の瞳。
だが、その光は氷のように冷たい。
「来たか、セレスティナ」
「はい、お父様。お呼びと伺いまして」
「うむ。アルフォンス殿下との婚約の件だが……少し、変更がある」
父の言葉に、私は息を呑んだ。
まさか、もう婚約破棄!?
早すぎる!
しかし、父の口から告げられたのは、私の予想を遥かに超える、衝撃的な内容だった。
「お前には、王家に嫁ぐのではなく、我がヴァレンシュタイン家の力となってもらう。近々、我が領地の視察へ向かえ」
「……領地の、視察ですか?」
「そうだ。ただの視察ではない。お前の役目は、ヴァレンシュタイン家の権威を領民に示すこと、そして――」
父は一度言葉を切り、私を射抜くような鋭い目で見つめた。
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