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第二十五話 最後の断罪イベント:主役は王太子(私は観客です)
王都の上空。 私たちの『真実の証明(トゥルー・カウンター)』によって神託の文字を砕かれ、結界を暴かれた『沈黙の賢者』が、ゆらりと宙に浮いていた。
仮面の下から覗く瞳は、憎悪に染まっていた。 彼は杖を振り上げ、金切り声を上げた。
「……おのれ、蒙昧な家畜どもが! 私が管理してやらねば、貴様らは嘘と欲望で自滅するだけの存在なのだぞ!」
賢者の全身から、赤黒い瘴気が噴き出す。 それは『強制誓約(ギアス)』の魔力だ。彼はこの場の全員――私とアシュ様、そして広場の数万の民衆――の自由意志を、無理やり塗り替えようとしているのだ。
『ひれ伏せ! 思考を止めろ! 我が言葉のみが真実だ!』
脳に直接響く命令。 広場の民衆が頭を抱えてうずくまる。 強力な精神干渉だ。
「……しつこいな」
しかし、私の隣に立つ氷の宰相は、眉一つ動かさなかった。 アシュ様は眼鏡の位置を直し、冷徹に告げる。
「リディア、耳を塞いでいろ。……少し『大声』を出す」
「はい?」
アシュ様が大きく息を吸い込んだ。 そして。
「うるさいぞ、三流詐欺師!!」
ドォォォォォン!!
それはただの大声ではなかった。 『言霊(コトダマ)』を乗せた、物理的な衝撃波だった。 アシュ様の放った轟音は、賢者の放つ瘴気を吹き飛ばし、彼を包む防御結界にヒビを入れた。
「な、なんだと!? 私の支配が効かない!?」
「当たり前だ。私の妻との『愛の(ような)契約』に比べれば、貴様の強制など薄っぺらい紙切れ以下だ!」
アシュ様、またどさくさに紛れて恥ずかしいことを言いましたね? でも、その威力は絶大だった。 結界がパリンと砕け散り、賢者が重力に捕まって落下を始める。
「ひいぃっ! た、助けろ!」
賢者が空中で手足をバタつかせる。 魔法使いは、魔法を封じられればただの老人だ。 このまま地面に激突すればミンチだが……。
「させん!」
地上から、一頭のグリフォンが飛翔した。 その背に乗っているのは、煌びやかな鎧を纏った金髪の青年。
レオンハルト王太子だ。
「貴様だけは……貴様だけは、この私の手で引導を渡してやる!」
殿下は落下してくる賢者の襟首を空中で引っ掴むと、そのままグリフォンを急降下させ、広場の石畳に乱暴に叩きつけた。
ドサッ! 賢者が無様に転がる。 殿下は剣を抜き、賢者の喉元に突きつけた。
「年貢の納め時だ、賢者! よくも私を……この国の王太子を、人形のように扱ってくれたな!」
殿下の顔は、怒りと屈辱で歪んでいた。 広場の民衆が、呆気にとられてその光景を見守る。 洗脳が解け、自らの愚かさを悔いた王太子が、最後の最後に「美味しいところ」を持っていった形だ。
「……はぁ。主役気取りは相変わらずですわね」
私がバルコニーから見下ろして呟くと、アシュ様が肩をすくめた。
「まあいい。私が手を下すと、死体処理の書類作成が面倒だ。……汚れ役は彼に任せよう」
◇
賢者の捕縛により、一連の騒動は幕を閉じた。 広場はそのまま、即席の『断罪の場』となった。
中央には、縛り上げられた賢者と、逮捕されたヴァルガス公爵、そして誓約院の幹部たちが並べられている。 その前に立つのは、レオンハルト殿下だ。
彼は民衆に向かって、深々と頭を下げた。
「国民よ! すまなかった! 私の不徳の致すところにより、国を揺るがす事態を招いてしまった!」
プライドの高い殿下が、土下座せんばかりの勢いで謝罪している。 民衆からは、怒りの声よりも、戸惑いと同情の声が漏れ始めた。 「殿下も被害者だったんだろ?」「魔法を使われたら仕方ないよな」という空気が広がる。
……ふん。悪運の強い人。 でも、ここからが本当の『断罪』だ。
王宮の大バルコニーに、国王陛下(長らく病気療養中だったが、アシュ様の特効薬で叩き起こされた)が姿を現した。
「レオンハルトよ」
陛下の威厳ある声が響く。
「其方の過失は重い。洗脳されていたとはいえ、心の隙があったからこそ付け込まれたのだ。王族として、その責任はどう取るつもりか?」
殿下は顔を上げ、震える声で答えた。
「はい……。私には、王位を継ぐ資格はありません。廃嫡(はいちゃく)を受け入れます」
会場がどよめく。 次期国王の座を自ら降りると宣言したのだ。
「そして、リディアへの不誠実な対応、ミレイユへの人権侵害……それらの罪を償うため、いかなる罰も甘んじて受けます!」
殿下は悲壮な決意を込めて叫んだ。 まるで悲劇のヒーローだ。 陛下は重々しく頷き、アシュ様を見た。
「宰相。法の番人として、彼に相応しい罰を提示せよ」
アシュ様は眼鏡を光らせ、懐から一枚の羊皮紙を取り出した。 ……出た。いつの間に用意していたのか、すでに『人事異動辞令』が完成している。
「合理的判断に基づき、以下の処分を提案します」
アシュ様は淡々と読み上げた。
「元王太子レオンハルトを、王都より追放。……任地は、北方の極寒の地『ノースエンド』」
「ノ、ノースエンド!?」
殿下が素っ頓狂な声を上げる。 そこは万年雪に閉ざされた、国一番の僻地だ。
「役職は『特別徴税監査官』。……あそこは荒くれ者の漁師やドワーフが多く、税の取り立てが困難を極めている。貴殿の無駄に通る大声と、グリフォンに乗る体力、そして何より『騙された経験』を活かし、脱税者を見抜いて徴収する業務に従事してもらう」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 私が? ドワーフ相手に税金の計算を!?」
「不服か? 貴殿は『国民のために働く』と言ったはずだ。これは最も過酷で、誰もやりたがらない、しかし国家財政にとって不可欠な重要任務だ」
アシュ様はニヤリと笑った。
「それとも、地下牢で賢者と共に余生を過ごす方が好みか?」
「い、いや! やります! やらせてください!」
殿下は涙目で叫んだ。 会場からドッと笑いが起きる。 かつての煌びやかな王太子が、雪国でドワーフと怒鳴り合いながら小銭を数える姿。……うん、最高の『ざまぁ』であり、彼にとっては良い修行になるだろう。
処分が決まり、殿下はしょんぼりと肩を落とした。 そして、ふと私の方を見た。 彼は衛兵に促されながら、私の前まで歩み寄ってきた。
「……リディア」
殿下は私を真っ直ぐに見つめた。 その瞳には、未練と、諦めと、そして微かな感謝が混じっていた。
「私は行く。……もう、君の前に現れることはないだろう」
「ええ。お元気で、殿下。……北の海産物は美味しいそうですから、太り過ぎないようにご注意を」
私が微笑むと、殿下は苦笑した。
「最後まで手厳しいな。……だが、君のそういうところが、私は好きだったのかもしれない」
殿下は手を伸ばしかけて、止めた。 そして、アシュ様を見た。
「宰相。……彼女を泣かせたら、私が北からグリフォンで飛んでくるぞ」
「不要な心配だ。私の妻が泣くのは、私に愛されすぎて困る時だけだ」
「……けっ。食えない男だ」
殿下は背を向け、手を振って去っていった。 その背中は、王太子の重荷を下ろしたせいか、少しだけ軽く見えた。
これで、本当に終わりだ。 私の元婚約者は去り、悪しき陰謀は潰えた。 私はバルコニーの手すりにもたれ、青空を見上げた。
「……終わりましたね」
「ああ。すべて片付いた」
アシュ様が隣に立つ。 広場では、民衆が私たちの名前を呼んで歓声を上げている。 「魔女万歳!」「氷の宰相万歳!」 ……現金な人たちだ。でも、悪い気はしない。
「リディア」
アシュ様が、不意に私の手を引いた。 その顔は真剣そのもので、さっきの賢者戦の時よりも緊張しているように見えた。
「……少し、場所を変えたい」
「え? まだ何かトラブルが?」
「いや。トラブルではないが……重大な『契約更改』の案件だ」
彼は私の手を強く握りしめた。 左手の薬指にある『真実の誓約印』が、ドクン、ドクンと脈打つように赤く、そしてピンク色に明滅している。
「第五条の……『恋愛感情禁止』についてだ。これ以上、現状維持(先延ばし)することは不可能だと判断した」
!!
私の心臓が跳ね上がる。 ついに。 ついに、その時が来たのだ。
私は彼を見上げ、悪戯っぽく微笑んだ。
「あら。違約金の支払い交渉ですか? それとも……全面降伏宣言(愛の告白)?」
「……うるさい。来てくれればわかる」
アシュ様は顔を背け、私の手を引いて歩き出した。 その耳は、夕焼けよりも赤く染まっていた。
仮面の下から覗く瞳は、憎悪に染まっていた。 彼は杖を振り上げ、金切り声を上げた。
「……おのれ、蒙昧な家畜どもが! 私が管理してやらねば、貴様らは嘘と欲望で自滅するだけの存在なのだぞ!」
賢者の全身から、赤黒い瘴気が噴き出す。 それは『強制誓約(ギアス)』の魔力だ。彼はこの場の全員――私とアシュ様、そして広場の数万の民衆――の自由意志を、無理やり塗り替えようとしているのだ。
『ひれ伏せ! 思考を止めろ! 我が言葉のみが真実だ!』
脳に直接響く命令。 広場の民衆が頭を抱えてうずくまる。 強力な精神干渉だ。
「……しつこいな」
しかし、私の隣に立つ氷の宰相は、眉一つ動かさなかった。 アシュ様は眼鏡の位置を直し、冷徹に告げる。
「リディア、耳を塞いでいろ。……少し『大声』を出す」
「はい?」
アシュ様が大きく息を吸い込んだ。 そして。
「うるさいぞ、三流詐欺師!!」
ドォォォォォン!!
それはただの大声ではなかった。 『言霊(コトダマ)』を乗せた、物理的な衝撃波だった。 アシュ様の放った轟音は、賢者の放つ瘴気を吹き飛ばし、彼を包む防御結界にヒビを入れた。
「な、なんだと!? 私の支配が効かない!?」
「当たり前だ。私の妻との『愛の(ような)契約』に比べれば、貴様の強制など薄っぺらい紙切れ以下だ!」
アシュ様、またどさくさに紛れて恥ずかしいことを言いましたね? でも、その威力は絶大だった。 結界がパリンと砕け散り、賢者が重力に捕まって落下を始める。
「ひいぃっ! た、助けろ!」
賢者が空中で手足をバタつかせる。 魔法使いは、魔法を封じられればただの老人だ。 このまま地面に激突すればミンチだが……。
「させん!」
地上から、一頭のグリフォンが飛翔した。 その背に乗っているのは、煌びやかな鎧を纏った金髪の青年。
レオンハルト王太子だ。
「貴様だけは……貴様だけは、この私の手で引導を渡してやる!」
殿下は落下してくる賢者の襟首を空中で引っ掴むと、そのままグリフォンを急降下させ、広場の石畳に乱暴に叩きつけた。
ドサッ! 賢者が無様に転がる。 殿下は剣を抜き、賢者の喉元に突きつけた。
「年貢の納め時だ、賢者! よくも私を……この国の王太子を、人形のように扱ってくれたな!」
殿下の顔は、怒りと屈辱で歪んでいた。 広場の民衆が、呆気にとられてその光景を見守る。 洗脳が解け、自らの愚かさを悔いた王太子が、最後の最後に「美味しいところ」を持っていった形だ。
「……はぁ。主役気取りは相変わらずですわね」
私がバルコニーから見下ろして呟くと、アシュ様が肩をすくめた。
「まあいい。私が手を下すと、死体処理の書類作成が面倒だ。……汚れ役は彼に任せよう」
◇
賢者の捕縛により、一連の騒動は幕を閉じた。 広場はそのまま、即席の『断罪の場』となった。
中央には、縛り上げられた賢者と、逮捕されたヴァルガス公爵、そして誓約院の幹部たちが並べられている。 その前に立つのは、レオンハルト殿下だ。
彼は民衆に向かって、深々と頭を下げた。
「国民よ! すまなかった! 私の不徳の致すところにより、国を揺るがす事態を招いてしまった!」
プライドの高い殿下が、土下座せんばかりの勢いで謝罪している。 民衆からは、怒りの声よりも、戸惑いと同情の声が漏れ始めた。 「殿下も被害者だったんだろ?」「魔法を使われたら仕方ないよな」という空気が広がる。
……ふん。悪運の強い人。 でも、ここからが本当の『断罪』だ。
王宮の大バルコニーに、国王陛下(長らく病気療養中だったが、アシュ様の特効薬で叩き起こされた)が姿を現した。
「レオンハルトよ」
陛下の威厳ある声が響く。
「其方の過失は重い。洗脳されていたとはいえ、心の隙があったからこそ付け込まれたのだ。王族として、その責任はどう取るつもりか?」
殿下は顔を上げ、震える声で答えた。
「はい……。私には、王位を継ぐ資格はありません。廃嫡(はいちゃく)を受け入れます」
会場がどよめく。 次期国王の座を自ら降りると宣言したのだ。
「そして、リディアへの不誠実な対応、ミレイユへの人権侵害……それらの罪を償うため、いかなる罰も甘んじて受けます!」
殿下は悲壮な決意を込めて叫んだ。 まるで悲劇のヒーローだ。 陛下は重々しく頷き、アシュ様を見た。
「宰相。法の番人として、彼に相応しい罰を提示せよ」
アシュ様は眼鏡を光らせ、懐から一枚の羊皮紙を取り出した。 ……出た。いつの間に用意していたのか、すでに『人事異動辞令』が完成している。
「合理的判断に基づき、以下の処分を提案します」
アシュ様は淡々と読み上げた。
「元王太子レオンハルトを、王都より追放。……任地は、北方の極寒の地『ノースエンド』」
「ノ、ノースエンド!?」
殿下が素っ頓狂な声を上げる。 そこは万年雪に閉ざされた、国一番の僻地だ。
「役職は『特別徴税監査官』。……あそこは荒くれ者の漁師やドワーフが多く、税の取り立てが困難を極めている。貴殿の無駄に通る大声と、グリフォンに乗る体力、そして何より『騙された経験』を活かし、脱税者を見抜いて徴収する業務に従事してもらう」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 私が? ドワーフ相手に税金の計算を!?」
「不服か? 貴殿は『国民のために働く』と言ったはずだ。これは最も過酷で、誰もやりたがらない、しかし国家財政にとって不可欠な重要任務だ」
アシュ様はニヤリと笑った。
「それとも、地下牢で賢者と共に余生を過ごす方が好みか?」
「い、いや! やります! やらせてください!」
殿下は涙目で叫んだ。 会場からドッと笑いが起きる。 かつての煌びやかな王太子が、雪国でドワーフと怒鳴り合いながら小銭を数える姿。……うん、最高の『ざまぁ』であり、彼にとっては良い修行になるだろう。
処分が決まり、殿下はしょんぼりと肩を落とした。 そして、ふと私の方を見た。 彼は衛兵に促されながら、私の前まで歩み寄ってきた。
「……リディア」
殿下は私を真っ直ぐに見つめた。 その瞳には、未練と、諦めと、そして微かな感謝が混じっていた。
「私は行く。……もう、君の前に現れることはないだろう」
「ええ。お元気で、殿下。……北の海産物は美味しいそうですから、太り過ぎないようにご注意を」
私が微笑むと、殿下は苦笑した。
「最後まで手厳しいな。……だが、君のそういうところが、私は好きだったのかもしれない」
殿下は手を伸ばしかけて、止めた。 そして、アシュ様を見た。
「宰相。……彼女を泣かせたら、私が北からグリフォンで飛んでくるぞ」
「不要な心配だ。私の妻が泣くのは、私に愛されすぎて困る時だけだ」
「……けっ。食えない男だ」
殿下は背を向け、手を振って去っていった。 その背中は、王太子の重荷を下ろしたせいか、少しだけ軽く見えた。
これで、本当に終わりだ。 私の元婚約者は去り、悪しき陰謀は潰えた。 私はバルコニーの手すりにもたれ、青空を見上げた。
「……終わりましたね」
「ああ。すべて片付いた」
アシュ様が隣に立つ。 広場では、民衆が私たちの名前を呼んで歓声を上げている。 「魔女万歳!」「氷の宰相万歳!」 ……現金な人たちだ。でも、悪い気はしない。
「リディア」
アシュ様が、不意に私の手を引いた。 その顔は真剣そのもので、さっきの賢者戦の時よりも緊張しているように見えた。
「……少し、場所を変えたい」
「え? まだ何かトラブルが?」
「いや。トラブルではないが……重大な『契約更改』の案件だ」
彼は私の手を強く握りしめた。 左手の薬指にある『真実の誓約印』が、ドクン、ドクンと脈打つように赤く、そしてピンク色に明滅している。
「第五条の……『恋愛感情禁止』についてだ。これ以上、現状維持(先延ばし)することは不可能だと判断した」
!!
私の心臓が跳ね上がる。 ついに。 ついに、その時が来たのだ。
私は彼を見上げ、悪戯っぽく微笑んだ。
「あら。違約金の支払い交渉ですか? それとも……全面降伏宣言(愛の告白)?」
「……うるさい。来てくれればわかる」
アシュ様は顔を背け、私の手を引いて歩き出した。 その耳は、夕焼けよりも赤く染まっていた。
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