『婚約破棄されたので、王宮の柱を素手でへし折って実家に帰りますわ。~「か弱い令嬢」の演技は疲れました。

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第9話 王家の使者、あるいは新たなる商談相手

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 ベルシュタイン辺境伯邸の巨大な黒鉄の門が、重々しい音を立てて開かれた。

「ようこそ、我がベルシュタイン領へ! 歓迎いたしますわ、ジークフリート殿下」

 私は馬上のジークフリート殿下に振り返り、スカートの裾をつまんでカーテシーをした。  もっとも、私の背後ではボブたちが解体されたワイバーンの肉(山盛り)を担いでおり、殿下の背後には私の「流星落とし」を目撃して放心状態の従者たちが続いているため、優雅な貴族の帰還というよりは、魔王軍の凱旋パレードに近い光景になっていたけれど。

「いやはや……話には聞いていたが、これほどとは」

 ジークフリート殿下は、屋敷を見上げて感嘆の声を漏らした。  彼の視線の先にあるのは、要塞と見紛うばかりの我が家だ。  城壁には歴戦の傷跡が刻まれ、屋根には対空防御用のバリスタが夕日に照らされて輝いている。  そして庭には、私が昨日植えた(そして異常成長した)巨大野菜のジャングルが広がっている。

「質実剛健。まさに最強の一族が住まうに相応しい城だ」

「お褒めにあずかり光栄ですわ。少々、飾り気がないのが玉に瑕(きず)なのですが」

「いや、この無骨さがいい。機能美を感じる」

 殿下は満足げに頷くと、軽やかに馬を降りた。  その動き一つとっても、体幹が全くブレていない。  やはり、彼はただの皇太子ではない。相当な鍛錬を積んだ武人だ。

 玄関ホールに進むと、父バルバロスと兄ヴォルフガングが出迎えてくれた。  二人とも、今日はちゃんと服を着ている(昨日の温泉での半裸姿ではなく、正装に近い軍服だ)。

「ドラグノフ帝国の皇太子殿下が、まさかこのような辺境の地までお越しになるとは。ベルシュタイン家当主、バルバロスだ。遠路はるばる、よくぞ参られた」

 父が差し出した手は、熊の掌のように分厚い。  ジークフリート殿下は一瞬も怯むことなく、その手を握り返した。

「突然の訪問、失礼する。ジークフリートだ。貴殿の武勇は我が国にも轟いている。一度お会いしたいと思っていた」

 ガシッ!!

 握手の瞬間、空気が震えた気がした。  二人の笑顔は爽やかだが、握り合う手からはミシミシという骨のきしむ音が聞こえてきそうだ。  これは挨拶ではない。マウントの取り合い……もとい、筋肉による対話だ。

「ほう……。若いのに、いい身体をしているな。芯が通っておる」

「貴殿こそ。岩盤のような手だ。これが『魔獣喰い』の握力か」

 数秒の沈黙の後、二人は同時にパッと手を離し、豪快に笑い合った。

「ガハハハハ! 気に入った! 王都の軟弱な貴族どもとは鍛え方が違うわ!」

「ハハハ! 光栄です。いや、噂以上の覇気だ。背筋が凍るかと思った」

 どうやら、父の「筋肉審査」はパスしたらしい。  兄ヴォルフガングも、興味深そうに殿下を見ている。

「エリーから聞きましたよ。ワイバーンの群れに単騎で突っ込んだとか。なかなかの無茶をしますね」

「はは、結果的には妹君に助けられた形だがね。彼女の『流星落とし』には度肝を抜かれたよ」

「ああ、あれですか。子供の頃から、よく裏山でやってましたからね」

 兄が懐かしそうに言う。  いや、子供の頃にやっていたのは「木登りからのジャンプ」であって、戦略級魔法のような攻撃ではないはずだが、記憶が美化されているようだ。

「立ち話もなんだ。さあ、中へ。ちょうど夕食の準備ができているはずだ」

 父に促され、私たちは食堂へと向かった。

          ◇

 今夜のメインディッシュは、もちろん『ワイバーンの唐揚げ』だ。

 巨大なテーブルの中央に、山のように積み上げられた黄金色の肉塊。  ワイバーンの肉は筋肉質で硬いが、適切な下処理(物理的に叩いて繊維をほぐす)と、特製のタレ(ニンニクとショウガ、そして各種スパイスを調合したもの)に漬け込むことで、驚くほどジューシーで柔らかくなる。

「おお……これがワイバーンの肉か」

 ジークフリート殿下が、子供の頭ほどもある唐揚げをフォークで突き刺した。

「我が国では、ワイバーンは討伐対象であって、食材という認識はなかったが……」

「食べてみれば分かりますわ。ほら、熱いうちに」

 私が促すと、殿下は意を決して肉にかぶりついた。

 カリッ。ジュワァ……。

 衣が弾ける音と共に、肉汁が溢れ出す。

「……ッ!!」

 殿下の目がカッと見開かれた。

「美味い! なんだこれは!? 鶏肉よりも弾力があり、牛肉よりも濃厚な旨味……! それに、噛むたびにピリピリとした魔力の刺激が舌を走る!」

「ええ、ワイバーンは火属性の魔力を帯びていますから、食べると体が温まるんですの。冷え性にも効果てきめんですわ」

「素晴らしい。これなら戦場での士気高揚にも役立つだろう。……セバスチャンと言ったか、おかわりを頼む!」

「御意」

 殿下は王族らしからぬ勢いで唐揚げを平らげていく。  父と兄も負けじと手を伸ばし、テーブルの上はまさに戦場と化していた。  私は優雅に(当社比)ナイフとフォークを使いながら、そんな男たちの様子を微笑ましく眺めていた。

 食事が一段落し、デザートの『鋼鉄カボチャのプリン』が出された頃、殿下がふと真面目な顔で切り出した。

「さて……礼儀として食事を楽しませてもらったが、そろそろ本題に入らせてもらおうか」

 空気が少しだけ引き締まる。  やはり、彼が来たのは単なる観光ではないようだ。

「バルバロス殿、そしてエレオノーラ嬢。私がこの地を訪れた理由は二つある。一つは、我が国境付近で異常発生している魔獣の調査。そしてもう一つは……」

 彼は私を真っ直ぐに見つめた。

「アルカディア王国の『異変』についての情報収集だ」

「異変、ですか」

 父が片眉を上げる。

「ああ。我が国の諜報員から、王都の結界が消失したとの報告が入っている。さらに、王城が物理的に傾いているともな。……その原因が、まさかここにあるとは思いもしなかったが」

 殿下の視線が、部屋の隅にある『漬物石』――つまり、王宮の柱に向けられた。  現在は巨大な樽の上に乗せられ、いい感じにキャベツを圧縮している。

「あれが、噂の『王家の守護石』か?」

「ええ。今は我が家の食卓を守る『漬物石』として第二の人生を歩んでおりますわ」

 私が涼しい顔で答えると、殿下は肩を震わせて笑った。

「クックック……! 国宝を漬物石にするとは、傑作だ。アルカディア王家も形無しだな」

「笑い事ではありませんぞ、殿下」

 父がワイングラスを揺らしながら言った。

「あの柱がなくなったことで、王都の防衛力はガタ落ちだ。今日来たガレインの騎士団も、本来なら国境警備に就くべき精鋭。それをあんな風に、一個人の私怨で使い潰すとは……今の王家は腐っておる」

「同感だ。正直に言おう。我が帝国としては、隣国が勝手に自滅してくれるのは歓迎すべきことだ。だが……」

 殿下の表情が険しくなる。

「魔獣の大量発生(スタンピード)となれば話は別だ。魔獣に国境はない。アルカディアが崩壊すれば、溢れ出した魔獣は雪崩を打って我が国にも押し寄せるだろう。それは阻止せねばならん」

 なるほど。  彼は隣国の危機を利用して攻め込むのではなく、もっと大局的な視点――『人類圏の防衛』という観点で動いているわけだ。  ジェラルド殿下とは器が違う。

「そこで、だ。ベルシュタイン辺境伯。我が国と『密約』を結ばないか?」

「密約?」

「うむ。王都が機能不全に陥った際、貴殿の領地を『防波堤』として支援したい。具体的には、物資の提供と、我が国の魔法技術の供与だ。その代わり……」

 殿下はニヤリと笑い、私を見た。

「エレオノーラ嬢。貴女の『力』を貸してほしい」

「私、ですか?」

「ああ。貴女のその常識外れの武力があれば、戦況をひっくり返せる。もしもの時は、我が軍と共に戦ってくれ」

 それは、実質的な同盟の申し出だった。  王国の一貴族である我が家が、隣国の皇太子と手を組む。  通常なら国家反逆罪だが、今の王家(というかジェラルド殿下)に義理立てする必要など微塵もない。

 父は少し考え、そして口を開いた。

「悪くない話だ。だが、条件がある」

「なんだ?」

「わしらは今、娘の提唱する『スローライフ』の真っ最中でな。戦争ごっこに付き合っている暇はないのだ」

「……は?」

 殿下が目を丸くする。

「ですがお父様、スローライフを守るためには、外敵を排除する必要がありますわ」

 私が口を挟むと、父は「む、それもそうか」と頷いた。

「ならばこうしよう。殿下、同盟の話は前向きに検討する。だが、我々は王家の犬ではないのと同様、帝国の駒になるつもりもない。対等なパートナーとして、まずは『商売』から始めないか?」

「商売?」

「うむ。見ての通り、我が領地では今、魔獣の肉や素材、そして規格外の野菜が余るほど生産されておる。これを帝国に輸出するのだ。その対価として、魔道具や日用品を輸入する。どうだ?」

 殿下は驚いたように目を見開いたが、すぐに計算高い顔になった。

「なるほど……。食料自給率の低い我が国にとって、その提案は渡りに船だ。特にこのワイバーンの肉や、先ほど見せてもらった巨大野菜……あれが安定供給されるなら、軍の維持コストは劇的に下がる」

「でしょう? それに、私の作った野菜は美容にもいいんですのよ」

 私が微笑むと、殿下はポンと手を打った。

「決まりだ! では、ベルシュタイン領とドラグノフ帝国との間で、通商条約を結ぼう。……名付けて『マッスル貿易協定』というのはどうだ?」

「ネーミングセンスはともかく、内容は素晴らしいですわ」

 こうして、歴史的な(そして非公式な)会談は、美味しい唐揚げと共に和やかに合意へと至ったのだった。

          ◇

 食後の腹ごなしにと、殿下は私に「手合わせ」を申し込んできた。  屋敷の裏庭――ボブたちが整地した訓練場でのことだ。

「さあ、エレオノーラ嬢。武器は何を使う? 剣か? 槍か?」

 月明かりの下、殿下は愛剣を抜き放ち、美しい構えをとった。  その切っ先からは、澄んだ青い魔力が立ち昇っている。  本気だ。手加減なしの気配だ。

 私はドレスのエプロンを外し、軽く手首を回した。

「私は素手で結構ですわ。スローライフ中ですので、武器を持つと殺伐としてしまいますもの」

「……素手か。相変わらず豪快だな」

 殿下は苦笑したが、その瞳はますます鋭さを増した。

「行くぞッ!」

 ドシュッ!

 殿下の姿が消えた。  神速の踏み込み。  瞬きの間に間合いを詰め、鋭い突きが私の喉元へと迫る。

 速い。  ガレイン卿の三倍は速い。

 だが。

「そこですわ」

 私は最小限の動きで首を傾けた。  ヒュンッ!  剣先が髪を数本切り裂いて通り過ぎる。

「なっ……!?」

 殿下が驚愕する隙を与えず、私は踏み込んだ。  攻撃ではない。  優しく、あくまで優しく、彼の手首を掴む。

「捕まえました」

「くっ……動かん!?」

 殿下が全力で剣を引き戻そうとするが、私の指は万力のように固定されている。  私はニッコリと笑い、彼の手首をクイッとひねった。

「合気道……のようなものですわ」

 クルッ、ドスンッ!

 殿下の体が宙を舞い、背中から地面に叩きつけられた。  受け身を取る暇もない、鮮やかな投げ技。

「ぐぅっ……!」

 殿下は呻き声を上げて空を見上げた。

「……完敗だ。剣筋を見切るどころか、剣そのものを制されるとは」

「殿下の剣、とても綺麗でしたわ。真っ直ぐで、迷いがなくて。でも、少し力みすぎですわね。もっと肩の力を抜いて、筋肉と対話なさいませ」

 私が手を差し伸べると、殿下はその手を取り、苦笑しながら立ち上がった。

「筋肉と対話、か……。深いな。貴女の強さの深淵を覗いた気がするよ」

 彼は埃を払い、改めて私を見た。  その目は、以前よりも熱っぽく、そして親愛の情に満ちていた。

「エレオノーラ。……改めて求婚したくなったと言ったら、迷惑か?」

「ええ、迷惑ですわ。私は畑仕事で忙しいので」

 即答すると、彼は「ハハハ、振られたか」と楽しそうに笑った。  どうやら、諦める気はなさそうだが、しつこく迫ってくるタイプでもなさそうだ。  良き友人、あるいは良きライバルとしての関係が築けそうだ。

          ◇

 一方その頃。王都のアルカディア城では、別の意味で熱い夜が繰り広げられていた。

「なんだとぉぉぉっ!? 失敗しただとぉぉ!?」

 ジェラルド王子の絶叫が、傾いた謁見の間に響き渡る。  玉座の前には、泥だらけのガレイン騎士団長と、もはやドレスとは呼べないボロ布を纏った聖女ミリアが跪いていた。

「も、申し訳ございません殿下……。ベルシュタイン領の防衛力は、我々の想定を遥かに超えておりました」

 ガレインが頭を下げる。  彼の報告は、王都の貴族たちを震撼させるに十分なものだった。

「民兵が岩を投げつけ、謎の巨大生物(グランドワーム)が地響きを立て、空からはワイバーンの群れが襲来……。さらに、エレオノーラ嬢自身が、そのワイバーンを一撃で全滅させるという……」

「嘘だ! そんな話があるか! エレオノーラは魔力ゼロの能無しだぞ!?」

 ジェラルドが喚き散らす。

「で、でもぉ、本当なんですぅ……!」

 ミリアが泣きじゃくりながら顔を上げる。  化粧が落ち、髪は乱れ、かつての可憐な聖女の面影はない。

「あいつ、悪魔と契約したに違いありませんわ! だって、空を飛んだんですよ!? それに、私の聖なる魔法(実は誘引香)も効かなかったし……!」

「おのれ……おのれエレオノーラ……! 私をコケにしおって!」

 ジェラルドは爪を噛んだ。  柱を取り戻すどころか、精鋭騎士団が敗走し、聖女が恥をかかされた。  これでは王家の威信は地に落ちる。

「陛下、いかがなさいますか?」

 宰相が国王に尋ねる。  アルカディア三世は、深いため息をついた。

「……ガレインの報告が真実なら、うかつに手出しはできん。ベルシュタイン家を敵に回せば、内乱になりかねんぞ」

「しかし、柱がなければ結界は……」

「分かっておる! だが、今は耐えるしかあるまい。……それに、気になる情報がある」

 国王は一枚の羊皮紙を取り出した。

「ドラグノフ帝国のジークフリート皇太子が、行方不明になっているそうだ。目撃情報によれば、南下してベルシュタイン領に入ったとの噂もある」

「なっ……!? 帝国が動いていると!?」

 ジェラルドが顔色を変える。

「もしベルシュタイン家が帝国と結託すれば、この国は終わりだ。……ジェラルドよ、お前の短慮が招いた種だぞ」

 国王の冷ややかな視線に、ジェラルドは押し黙るしかなかった。  だが、その目には反省の色はなく、さらなる憎悪の炎が燃え上がっていた。

(見ていろエレオノーラ……。必ず貴様を屈服させてやる。どんな手を使ってでもな……!)

 王都の夜は、陰謀と焦燥に包まれて更けていった。

          ◇

 翌日。  ジークフリート殿下は、「必ずまた来る。今度はもっと美味い酒を持ってな」と言い残し、颯爽と帰国していった。  彼との「マッスル貿易協定」に基づき、第一弾として余ったワイバーン素材と大量の野菜が、ボブたちの手によって国境まで運ばれることになった。

「姐さん、これマジで売れるんですか?」

 ボブが荷車を引きながら聞く。

「ええ、間違いなく売れるわ。皇太子殿下のお墨付きだもの。これで我が家の財政は安泰、そしてあなたたちのお給料もアップよ」

「うおおお! マジっすか! 一生ついていきます総長!」

 現金な部下たちだ。

 私は屋敷のテラスで紅茶を飲みながら、遠ざかる殿下の背中を見送った。

「さて……食材は確保した。温泉も掘った。畑も順調。交易ルートも開拓した」

 指折り数えて確認する。

「スローライフの基盤は整いましたわね」

 順風満帆だ。  これなら、もう王都のことなど忘れて、のんびりと暮らせるはずだ。

 ――そう、思っていたのだが。

「お嬢様」

 セバスチャンが静かに現れた。  手には一通の手紙を持っている。  封蝋(ふうろう)には、見覚えのある紋章――王家の紋章ではなく、『商業ギルド連合』の刻印が押されていた。

「王都の商人たちから、嘆願書が届いております」

「嘆願書?」

「はい。『マッスル商会』の設立と、王都への物資供給を懇願する内容でございます。なんでも、王都では食料価格が高騰し、民衆の不満が爆発寸前だとか」

「……あらら」

 私は手紙を受け取り、サラリと目を通した。  そこには、悲痛な叫びが綴られていた。  ベルシュタイン領からの供給が止まったことで、王都の高級食材市場が壊滅し、貴族たちが「美味い肉が食いたい」と暴れているらしい。

「現金な方々ですこと。私を追い出したくせに、私の領地の肉は食べたいだなんて」

 私は呆れて笑った。

「どうなさいますか? 無視しますか?」

「うーん……」

 私は少し考えた。  王家は嫌いだが、王都の商人や民衆に罪はない。  それに、ジークフリート殿下との貿易だけでなく、王都ともパイプを持っておけば、王家への牽制にもなる。  経済的な首輪をつけてやるのも悪くない。

「いいわ。商会を立ち上げましょう。名前は……そうね」

 私はニヤリと笑った。

「『エレオノーラ・トレーディング』……いえ、ここは父の案を採用して、『マッスル商会』にしましょうか。インパクト重視で」

「……本気でございますか?」

「ええ。私たちの商品を扱うなら、それくらいの覚悟は必要よ」

 こうして、ベルシュタイン領と外界をつなぐ新たな架け橋――筋肉と食材の総合商社『マッスル商会』が産声を上げようとしていた。  それが、後に王国の経済を支配する巨大コングロマリットになるとは、まだ誰も知らない。

 私は手紙を畳み、空を見上げた。  次の目標は「経済制圧(物理)」だ。  スローライフは、まだまだ忙しくなりそうだった。
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