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第17話 聖女の断罪
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「えー、本日はお日柄もよく、絶好の『新商品発表会』日和となりました」
王都の西門前広場。 本来なら、攻め寄せる敵軍と、守る王国軍が対峙し、血で血を洗う攻防戦が繰り広げられるはずの場所である。 しかし今、そこに広がっている光景は、戦場というよりは巨大な野外ステージ、あるいは狂気の祭典会場であった。
広場の中央には、破壊された城壁の瓦礫を積み上げて作られた即席の特設ステージが鎮座している。 その上には、『マッスル商会 ~筋肉と暴力の祭典~』と書かれた横断幕が、朝風にパタパタと揺れていた。
ステージの中央に立つのは、私、エレオノーラ・ベルシュタイン。 手には拡声機能付きの魔道具(魔石を埋め込んだメガホン)を持ち、満面の営業スマイルを浮かべている。 その隣には、スペシャルゲストとして、爽やかな笑顔のジークフリート殿下。 さらに背後には、腕組みをして仁王立ちする父バルバロスと兄ヴォルフガング、そして煌びやかな(しかし殺意の高い)装備に身を包んだマッスル商会の店員たちが控えている。
対する観客席――もとい、城門の外に展開しているのは、隣国ガレリア帝国の正規軍、一万。 彼らは整然と隊列を組み、槍や剣を構えていたが、その表情は一様に困惑していた。
「な、なんだあれは……?」 「我々は王都救援……という名目の制圧に来たはずだが……」 「あの横断幕は何だ? マッスル……?」
ガレリア軍の指揮官、ボロディン将軍は、馬上で眉間の皺を深めていた。 彼は歴戦の猛者であり、冷徹な戦略家として知られている。 事前の情報では、王都は魔獣の氾濫(スタンピード)により壊滅状態、守備隊は全滅し、無政府状態になっているはずだった。 だからこそ、無傷の一万の兵を率いて「保護」しに来たのだ。
だが、蓋を開けてみればどうだ。 王都からは煙こそ上がっているものの、魔獣の気配は消え失せ、代わりに謎の集団が元気いっぱいに待ち構えているではないか。
「将軍! あそこにおられるのは、ドラグノフ帝国のジークフリート皇太子かと!」 「さらに、あの巨漢……ベルシュタイン辺境伯もおります!」
副官の報告に、ボロディン将軍の顔色が青ざめる。 ドラグノフ帝国とベルシュタイン家。 大陸でも一、二を争う武闘派勢力が、なぜここに揃っているのか。
「ごきげんよう、ガレリア軍の皆様!」
私の声が、メガホンを通して戦場に響き渡った。
「遠路はるばる、マッスル商会の新商品発表会にお越しいただき、誠にありがとうございます! 本日の司会進行を務めます、会長のエレオノーラです!」
パチパチパチパチ。 背後のボブたちが、サクラとして盛大に拍手をする。
「ふざけるな! 我々はガレリア帝国軍だ! 王都の危機を聞きつけ、救援に参ったのだ! 道を開けろ!」
ボロディン将軍が怒号を飛ばす。 しかし、私は涼しい顔で首を振った。
「救援? あら、奇遇ですわね。私たちも『害虫駆除』を終えたばかりなんですの。おかげさまで王都は平和そのもの。皆様の手を煩わせるようなことは何もありませんわ」
「な……終わっただと? スタンピードがか!?」
「ええ。スタッフが美味しくいただきました(物理的に)」
私が後ろを指差すと、そこには山のように積み上げられた魔獣の素材(解体済み)と、満腹で艶々した顔の王国兵士たちが並んでいた。 悲壮感など微塵もない。あるのは「朝飯も食ったし、一運動するか」という余裕だけだ。
「馬鹿な……。数千の魔獣を、一夜にして……?」
将軍が絶句する。 彼のシナリオが音を立てて崩れていく。
「さて、せっかくお越しいただいたのですから、手ぶらでお返しするのも申し訳ありません。……そこで!」
私は指を鳴らした。
「当商会が誇る、最新の『セキュリティ・システム』をご紹介いたしますわ! まずは第一のラインナップ!」
ドシンッ!!
父バルバロスが一歩前に出た。 彼の手には、昨晩の決戦で使用した『王宮の柱(ドラゴンゾンビの血糊付き)』が握られている。
「商品名『ザ・ウォール(嘆きの壁)』! どんな軍隊も単身で押し返す、頼れるお父様です! オプションで『範囲殲滅攻撃(柱スイング)』もついてきますわよ!」
「ガハハハ! 購入希望者は前に出ろ! 試しに一発、殴らせてやるぞ!」
父が柱をブンと振ると、暴風が巻き起こり、ガレリア軍の最前列の兵士たちが帽子を飛ばされた。
「ひぃっ……! あんなの、人間じゃねぇ!」 「投石機でも勝てないぞ……」
兵士たちが後ずさる。
「続きまして、第二のラインナップ! 空からの死角なし! 『スカイ・ハイ(竜騎士団)』!」
ヒュゴォォォォッ!!
ジークフリート殿下が手を上げると、上空で待機していたドラグノフ帝国のワイバーン部隊が一斉に降下し、低空飛行でガレリア軍の頭上を掠めた。 圧倒的な制空権の誇示。
「そして、真打ちは……!」
私はステージから飛び降りた。 ふわりと着地し、一人で一万の軍勢に向かって歩き出す。
「当商会の最高傑作。多目的決戦兵器、『エレオノーラ(私)』ですわ」
私はニッコリと笑い、地面に落ちていた手頃な岩(直径一メートル)を、サッカーボールのように軽く蹴り上げた。
ドォォォォォォン!!
岩は弾丸となって飛翔し、ガレリア軍の旗印――将軍の旗竿を、ピンポイントでへし折った。
バキィッ!
旗が地面に落ちる。 静まり返る戦場。
「あら、ごめんなさい。足が滑りましたわ。……次は、将軍の兜を狙わせていただきますわね?」
ボロディン将軍の額から、滝のような冷や汗が流れた。 彼は理解したのだ。 目の前にいるのは、か弱い令嬢ではなく、人の形をした戦略兵器なのだと。
◇
その時だった。 私の背後、ステージの袖から、金切り声が聞こえてきた。
「助けてぇぇぇ! 将軍! ボロディン将軍!!」
転がり出てきたのは、芋虫のようにカーテンでぐるぐる巻きにされていた、聖女ミレーヌ(本名ミリア)だった。 彼女はどうやってか拘束を緩め、必死の形相で這い出してきたのだ。
「私です! 特殊工作部隊のミレーヌです! 作戦は失敗しました! 私を保護してください!」
彼女は自分の正体を大声で叫んだ。 なりふり構っていられないのだろう。 ここでガレリア軍に合流できなければ、彼女を待っているのはアルカディア王国による極刑か、あるいはもっと恐ろしいエレオノーラによるお仕置きだ。
「……ミレーヌ隊長!?」
ボロディン将軍が目を見開く。 彼の反応で、王国側の人間たち――特に、一緒に転がされていたジェラルド王子にも、真実が伝わった。
「な……ミリア、お前、本当に……?」
ジェラルド王子が、信じられないものを見る目でミレーヌを見る。 彼はまだ、彼女が敵国のスパイだという話を半信半疑でいたのだ。愛した女が自分を騙していたなど、認めたくなかったのだろう。
ミレーヌは王子を一瞥もしなかった。 彼女の視線は、ただ一点、自国の軍隊に向けられている。
「将軍! 早く攻撃を! この女を殺して! こいつさえいなければ、王都なんて簡単に落ちるのよ!」
ミレーヌが叫びながら、よろよろと立ち上がり、ガレリア軍の方へ走ろうとする。
「ああ、いけませんわね」
私はため息をついた。
「商品管理が行き届いていないなんて、商会の恥ですわ」
私は足元にあった瓦礫――かつて王城の壁の一部だった石塊を拾い上げた。 重さは野球ボールくらい。手頃なサイズだ。
「お客様、大変申し訳ございません。不良品が脱走いたしました」
私はワインドアップのモーションを取った。 狙いは、逃走するミレーヌの足元……ではなく、彼女のすぐ目の前の地面。
「返品(リターン)・エースッ!!」
ビュオォォォォォッ!!
指先から放たれた石塊は、音速を超えて空気を切り裂いた。 それはミレーヌの鼻先数センチを掠め、彼女の進路上の地面に突き刺さった。
ズガァァァァァァァンッ!!
爆発。 地面がクレーター状に陥没し、土砂が噴き上がる。
「きゃあああああっ!?」
ミレーヌは爆風に煽られ、木の葉のように吹き飛ばされた。 クルクルと空中で回転し、私の足元へボテッと落ちてくる。
「……逃がしませんと言ったはずですわよ?」
私はミレーヌの襟首を掴み、吊り上げた。 彼女は顔面蒼白で、ガタガタと震えている。
「ひぃ……ごめんなさい……殺さないで……」
「殺しませんわよ。貴女には、たっぷりと働いて償ってもらわないといけませんから」
私はミレーヌを小脇に抱え(本日二度目の荷物扱い)、ボロディン将軍に向き直った。
「さて、将軍。こちらの『不良品(スパイ)』ですが……お引き取りになりますか?」
私はニッコリと笑った。
「ただし、お引き取りになる場合は、『返品手数料』として……そうですね、この場で我々と全面戦争をしていただくことになりますけれど?」
ボロディン将軍は、私と、私の後ろに控える「人間離れした怪物たち(父、殿下、ボブたち)」を交互に見た。 そして、自分の軍隊の士気を見た。 兵士たちは皆、私の「投石」の威力を見て、すでに戦意を喪失していた。
勝てるわけがない。 ここで戦えば、一万の兵が一時間で肥料になる。
将軍は苦渋の決断を下した。
「……我々は、何も見ていない」
「え?」
「王都救援に来たが、すでに事態は収束していた。……それだけだ。我々は撤収する!」
「将軍!? 見捨てるんですか!?」
ミレーヌが絶叫する。
「黙れ! 任務に失敗し、敵に捕らわれた無能になど用はない! 貴様はもはや帝国軍人ではない!」
将軍は冷酷に切り捨てた。 トカゲの尻尾切りだ。
「全軍、回れ右! 撤退だァァァッ!」
ガレリア軍は、来た時よりも素早い動きで、蜘蛛の子を散らすように撤退していった。 彼らの背中には、「二度とここには来たくない」という強い意志が感じられた。
◇
広場に静寂が戻った。 残されたのは、私と仲間たち、そして拘束された二人――ジェラルド王子と、捨てられた聖女ミレーヌだけだ。
「さて……これにて新商品発表会は終了ですわ。お疲れ様でした」
私はミレーヌを地面に下ろした。 彼女は力なく崩れ落ち、虚ろな目で地面を見つめている。 祖国に見捨てられたショックで、魂が抜けてしまったようだ。
そこへ、拘束を解かれた(というか、自分でほどいた)ジェラルド王子が、よろよろと近づいてきた。
「ミリア……いや、ミレーヌ……」
王子の声に、ミレーヌがビクリと反応する。
「ジェラルド……様……」
「貴様……よくも……よくも私を騙したな……!」
ジェラルドの顔が怒りで歪む。 彼はミレーヌの胸ぐらを掴み上げようとした。
「貴様のせいで! 私は王位継承権も、民衆の支持も、何もかも失った! どうしてくれるんだ! 責任を取れ!」
見苦しい。 自分の無能さを棚に上げて、全てを女のせいにするその態度。 私は呆れてため息をついた。
「おやめなさい、殿下」
私が割って入ろうとした時、ミレーヌが予期せぬ行動に出た。
「……うるさいッ!!」
バチィィィンッ!!
乾いた音が響いた。 ミレーヌが、ジェラルドの頬を平手打ちしたのだ。 それも、渾身の力で。
「な……!?」 ジェラルドが呆然と頬を押さえる。
「あんたが馬鹿だからいけないんでしょ! 私が少し煽てたくらいで調子に乗って! エレオノーラを追い出したのも、毒麦を撒いたのも、最終的に決めたのはあんたじゃない!」
ミレーヌが涙ながらに叫ぶ。 それは演技ではない、本心からの叫びだった。
「私だって……私だって、こんなことしたくなかったわよ! でも、国に家族を人質に取られて……やるしかなかったのよ!」
「な、なんだと……?」
「あんたみたいな温室育ちの王子様に、私の気持ちなんて分かるわけないわ! ……殺しなさいよ! もう国にも帰れない、ここで死ぬしかないんだから!」
ミレーヌはその場に泣き崩れた。 ジェラルドは立ち尽くし、何も言えなくなっていた。
……やれやれ。 どうやら、この二人にも、それなりのドラマがあったらしい。 だが、罪は罪だ。 同情はするが、許すわけにはいかない。
「……喧嘩はおしまいですわ」
私はパンと手を叩いた。
「お二人とも、ご自分の立場を理解していますか? 貴方たちは今、私の『捕虜』であり、『債務者』なんですのよ」
私はセバスチャンから受け取った、分厚い羊皮紙の束を二人の前に突きつけた。
「ジェラルド殿下には、先ほど申し上げた通り、金貨一億枚の請求書を。そしてミレーヌさんには……当商会の営業妨害および器物損壊、精神的苦痛に対する賠償請求書をお渡しします」
「い、一億……」 「ば、賠償……」
二人の顔色が、怒りや悲しみを超えて、純粋な絶望(借金への)に染まる。
「払えませんよね? 今のお二人に、そんな資産はないはずです」
私はニッコリと、悪魔の微笑みを浮かべた。
「ですから、身体で払っていただきますわ」
「か、身体……!?」 ジェラルドが身構える。変な想像をしたらしい。
「ええ。我がベルシュタイン領は、今、猫の手も借りたいほどの人手不足。特に、農作業と鉱山採掘の現場が逼迫していますの」
私は二人の肩に手を置いた。
「おめでとうございます。本日より、貴方たちはマッスル商会の『契約社員(期間工)』です。借金を完済するまで、しっかり働いていただきますわよ?」
「そ、そんな……私は王子だぞ! 土いじりなどできるか!」 「私も嫌よ! ドレスが汚れるわ!」
「拒否権はありません」
私の後ろで、父バルバロスと兄ヴォルフガングが、ポキポキと指を鳴らした。 ボブたちが、楽しそうに手錠と足枷(労働用)を持ってくる。
「さあ、連行しなさい! まずは『新人研修(ブートキャンプ)』からよ!」
「ひぃぃぃぃぃ!」 「助けてぇぇぇ!」
二人は泣き叫びながら、屈強な男たちによって馬車(護送車)へと詰め込まれていった。 彼らの悲鳴は、王都の青空に虚しく響き渡り、そして消えていった。
こうして、「聖女の断罪」は、極めて物理的かつ経済的な解決を迎えた。 処刑? 追放? そんな生ぬるいことはしない。 死ぬまで働かせて、国のために貢献させる。 それが、エレオノーラ流の『慈悲』なのだから。
私は去りゆく馬車を見送りながら、大きく伸びをした。
「ふぅ……これでようやく、本当の平和が戻ってきましたわね」
隣で見ていたジークフリート殿下が、苦笑しながら言った。
「……貴女を敵に回さなくて本当によかったよ。心底そう思う」
「あら、私は味方ならとても優しいですわよ? ……ところで殿下」
「ん?」
「新商品発表会の出演料ですが、こちらの請求書にサインをお願いできます?」
「……前言撤回だ。貴女は敵でも味方でも恐ろしい」
殿下は溜息をつきつつも、楽しそうにサインをしてくれた。 空は晴れ渡り、太陽が眩しい。 王都の復興はこれからだが、きっと大丈夫だろう。 なんて言ったって、ここには『マッスル商会』がついているのだから。
王都の西門前広場。 本来なら、攻め寄せる敵軍と、守る王国軍が対峙し、血で血を洗う攻防戦が繰り広げられるはずの場所である。 しかし今、そこに広がっている光景は、戦場というよりは巨大な野外ステージ、あるいは狂気の祭典会場であった。
広場の中央には、破壊された城壁の瓦礫を積み上げて作られた即席の特設ステージが鎮座している。 その上には、『マッスル商会 ~筋肉と暴力の祭典~』と書かれた横断幕が、朝風にパタパタと揺れていた。
ステージの中央に立つのは、私、エレオノーラ・ベルシュタイン。 手には拡声機能付きの魔道具(魔石を埋め込んだメガホン)を持ち、満面の営業スマイルを浮かべている。 その隣には、スペシャルゲストとして、爽やかな笑顔のジークフリート殿下。 さらに背後には、腕組みをして仁王立ちする父バルバロスと兄ヴォルフガング、そして煌びやかな(しかし殺意の高い)装備に身を包んだマッスル商会の店員たちが控えている。
対する観客席――もとい、城門の外に展開しているのは、隣国ガレリア帝国の正規軍、一万。 彼らは整然と隊列を組み、槍や剣を構えていたが、その表情は一様に困惑していた。
「な、なんだあれは……?」 「我々は王都救援……という名目の制圧に来たはずだが……」 「あの横断幕は何だ? マッスル……?」
ガレリア軍の指揮官、ボロディン将軍は、馬上で眉間の皺を深めていた。 彼は歴戦の猛者であり、冷徹な戦略家として知られている。 事前の情報では、王都は魔獣の氾濫(スタンピード)により壊滅状態、守備隊は全滅し、無政府状態になっているはずだった。 だからこそ、無傷の一万の兵を率いて「保護」しに来たのだ。
だが、蓋を開けてみればどうだ。 王都からは煙こそ上がっているものの、魔獣の気配は消え失せ、代わりに謎の集団が元気いっぱいに待ち構えているではないか。
「将軍! あそこにおられるのは、ドラグノフ帝国のジークフリート皇太子かと!」 「さらに、あの巨漢……ベルシュタイン辺境伯もおります!」
副官の報告に、ボロディン将軍の顔色が青ざめる。 ドラグノフ帝国とベルシュタイン家。 大陸でも一、二を争う武闘派勢力が、なぜここに揃っているのか。
「ごきげんよう、ガレリア軍の皆様!」
私の声が、メガホンを通して戦場に響き渡った。
「遠路はるばる、マッスル商会の新商品発表会にお越しいただき、誠にありがとうございます! 本日の司会進行を務めます、会長のエレオノーラです!」
パチパチパチパチ。 背後のボブたちが、サクラとして盛大に拍手をする。
「ふざけるな! 我々はガレリア帝国軍だ! 王都の危機を聞きつけ、救援に参ったのだ! 道を開けろ!」
ボロディン将軍が怒号を飛ばす。 しかし、私は涼しい顔で首を振った。
「救援? あら、奇遇ですわね。私たちも『害虫駆除』を終えたばかりなんですの。おかげさまで王都は平和そのもの。皆様の手を煩わせるようなことは何もありませんわ」
「な……終わっただと? スタンピードがか!?」
「ええ。スタッフが美味しくいただきました(物理的に)」
私が後ろを指差すと、そこには山のように積み上げられた魔獣の素材(解体済み)と、満腹で艶々した顔の王国兵士たちが並んでいた。 悲壮感など微塵もない。あるのは「朝飯も食ったし、一運動するか」という余裕だけだ。
「馬鹿な……。数千の魔獣を、一夜にして……?」
将軍が絶句する。 彼のシナリオが音を立てて崩れていく。
「さて、せっかくお越しいただいたのですから、手ぶらでお返しするのも申し訳ありません。……そこで!」
私は指を鳴らした。
「当商会が誇る、最新の『セキュリティ・システム』をご紹介いたしますわ! まずは第一のラインナップ!」
ドシンッ!!
父バルバロスが一歩前に出た。 彼の手には、昨晩の決戦で使用した『王宮の柱(ドラゴンゾンビの血糊付き)』が握られている。
「商品名『ザ・ウォール(嘆きの壁)』! どんな軍隊も単身で押し返す、頼れるお父様です! オプションで『範囲殲滅攻撃(柱スイング)』もついてきますわよ!」
「ガハハハ! 購入希望者は前に出ろ! 試しに一発、殴らせてやるぞ!」
父が柱をブンと振ると、暴風が巻き起こり、ガレリア軍の最前列の兵士たちが帽子を飛ばされた。
「ひぃっ……! あんなの、人間じゃねぇ!」 「投石機でも勝てないぞ……」
兵士たちが後ずさる。
「続きまして、第二のラインナップ! 空からの死角なし! 『スカイ・ハイ(竜騎士団)』!」
ヒュゴォォォォッ!!
ジークフリート殿下が手を上げると、上空で待機していたドラグノフ帝国のワイバーン部隊が一斉に降下し、低空飛行でガレリア軍の頭上を掠めた。 圧倒的な制空権の誇示。
「そして、真打ちは……!」
私はステージから飛び降りた。 ふわりと着地し、一人で一万の軍勢に向かって歩き出す。
「当商会の最高傑作。多目的決戦兵器、『エレオノーラ(私)』ですわ」
私はニッコリと笑い、地面に落ちていた手頃な岩(直径一メートル)を、サッカーボールのように軽く蹴り上げた。
ドォォォォォォン!!
岩は弾丸となって飛翔し、ガレリア軍の旗印――将軍の旗竿を、ピンポイントでへし折った。
バキィッ!
旗が地面に落ちる。 静まり返る戦場。
「あら、ごめんなさい。足が滑りましたわ。……次は、将軍の兜を狙わせていただきますわね?」
ボロディン将軍の額から、滝のような冷や汗が流れた。 彼は理解したのだ。 目の前にいるのは、か弱い令嬢ではなく、人の形をした戦略兵器なのだと。
◇
その時だった。 私の背後、ステージの袖から、金切り声が聞こえてきた。
「助けてぇぇぇ! 将軍! ボロディン将軍!!」
転がり出てきたのは、芋虫のようにカーテンでぐるぐる巻きにされていた、聖女ミレーヌ(本名ミリア)だった。 彼女はどうやってか拘束を緩め、必死の形相で這い出してきたのだ。
「私です! 特殊工作部隊のミレーヌです! 作戦は失敗しました! 私を保護してください!」
彼女は自分の正体を大声で叫んだ。 なりふり構っていられないのだろう。 ここでガレリア軍に合流できなければ、彼女を待っているのはアルカディア王国による極刑か、あるいはもっと恐ろしいエレオノーラによるお仕置きだ。
「……ミレーヌ隊長!?」
ボロディン将軍が目を見開く。 彼の反応で、王国側の人間たち――特に、一緒に転がされていたジェラルド王子にも、真実が伝わった。
「な……ミリア、お前、本当に……?」
ジェラルド王子が、信じられないものを見る目でミレーヌを見る。 彼はまだ、彼女が敵国のスパイだという話を半信半疑でいたのだ。愛した女が自分を騙していたなど、認めたくなかったのだろう。
ミレーヌは王子を一瞥もしなかった。 彼女の視線は、ただ一点、自国の軍隊に向けられている。
「将軍! 早く攻撃を! この女を殺して! こいつさえいなければ、王都なんて簡単に落ちるのよ!」
ミレーヌが叫びながら、よろよろと立ち上がり、ガレリア軍の方へ走ろうとする。
「ああ、いけませんわね」
私はため息をついた。
「商品管理が行き届いていないなんて、商会の恥ですわ」
私は足元にあった瓦礫――かつて王城の壁の一部だった石塊を拾い上げた。 重さは野球ボールくらい。手頃なサイズだ。
「お客様、大変申し訳ございません。不良品が脱走いたしました」
私はワインドアップのモーションを取った。 狙いは、逃走するミレーヌの足元……ではなく、彼女のすぐ目の前の地面。
「返品(リターン)・エースッ!!」
ビュオォォォォォッ!!
指先から放たれた石塊は、音速を超えて空気を切り裂いた。 それはミレーヌの鼻先数センチを掠め、彼女の進路上の地面に突き刺さった。
ズガァァァァァァァンッ!!
爆発。 地面がクレーター状に陥没し、土砂が噴き上がる。
「きゃあああああっ!?」
ミレーヌは爆風に煽られ、木の葉のように吹き飛ばされた。 クルクルと空中で回転し、私の足元へボテッと落ちてくる。
「……逃がしませんと言ったはずですわよ?」
私はミレーヌの襟首を掴み、吊り上げた。 彼女は顔面蒼白で、ガタガタと震えている。
「ひぃ……ごめんなさい……殺さないで……」
「殺しませんわよ。貴女には、たっぷりと働いて償ってもらわないといけませんから」
私はミレーヌを小脇に抱え(本日二度目の荷物扱い)、ボロディン将軍に向き直った。
「さて、将軍。こちらの『不良品(スパイ)』ですが……お引き取りになりますか?」
私はニッコリと笑った。
「ただし、お引き取りになる場合は、『返品手数料』として……そうですね、この場で我々と全面戦争をしていただくことになりますけれど?」
ボロディン将軍は、私と、私の後ろに控える「人間離れした怪物たち(父、殿下、ボブたち)」を交互に見た。 そして、自分の軍隊の士気を見た。 兵士たちは皆、私の「投石」の威力を見て、すでに戦意を喪失していた。
勝てるわけがない。 ここで戦えば、一万の兵が一時間で肥料になる。
将軍は苦渋の決断を下した。
「……我々は、何も見ていない」
「え?」
「王都救援に来たが、すでに事態は収束していた。……それだけだ。我々は撤収する!」
「将軍!? 見捨てるんですか!?」
ミレーヌが絶叫する。
「黙れ! 任務に失敗し、敵に捕らわれた無能になど用はない! 貴様はもはや帝国軍人ではない!」
将軍は冷酷に切り捨てた。 トカゲの尻尾切りだ。
「全軍、回れ右! 撤退だァァァッ!」
ガレリア軍は、来た時よりも素早い動きで、蜘蛛の子を散らすように撤退していった。 彼らの背中には、「二度とここには来たくない」という強い意志が感じられた。
◇
広場に静寂が戻った。 残されたのは、私と仲間たち、そして拘束された二人――ジェラルド王子と、捨てられた聖女ミレーヌだけだ。
「さて……これにて新商品発表会は終了ですわ。お疲れ様でした」
私はミレーヌを地面に下ろした。 彼女は力なく崩れ落ち、虚ろな目で地面を見つめている。 祖国に見捨てられたショックで、魂が抜けてしまったようだ。
そこへ、拘束を解かれた(というか、自分でほどいた)ジェラルド王子が、よろよろと近づいてきた。
「ミリア……いや、ミレーヌ……」
王子の声に、ミレーヌがビクリと反応する。
「ジェラルド……様……」
「貴様……よくも……よくも私を騙したな……!」
ジェラルドの顔が怒りで歪む。 彼はミレーヌの胸ぐらを掴み上げようとした。
「貴様のせいで! 私は王位継承権も、民衆の支持も、何もかも失った! どうしてくれるんだ! 責任を取れ!」
見苦しい。 自分の無能さを棚に上げて、全てを女のせいにするその態度。 私は呆れてため息をついた。
「おやめなさい、殿下」
私が割って入ろうとした時、ミレーヌが予期せぬ行動に出た。
「……うるさいッ!!」
バチィィィンッ!!
乾いた音が響いた。 ミレーヌが、ジェラルドの頬を平手打ちしたのだ。 それも、渾身の力で。
「な……!?」 ジェラルドが呆然と頬を押さえる。
「あんたが馬鹿だからいけないんでしょ! 私が少し煽てたくらいで調子に乗って! エレオノーラを追い出したのも、毒麦を撒いたのも、最終的に決めたのはあんたじゃない!」
ミレーヌが涙ながらに叫ぶ。 それは演技ではない、本心からの叫びだった。
「私だって……私だって、こんなことしたくなかったわよ! でも、国に家族を人質に取られて……やるしかなかったのよ!」
「な、なんだと……?」
「あんたみたいな温室育ちの王子様に、私の気持ちなんて分かるわけないわ! ……殺しなさいよ! もう国にも帰れない、ここで死ぬしかないんだから!」
ミレーヌはその場に泣き崩れた。 ジェラルドは立ち尽くし、何も言えなくなっていた。
……やれやれ。 どうやら、この二人にも、それなりのドラマがあったらしい。 だが、罪は罪だ。 同情はするが、許すわけにはいかない。
「……喧嘩はおしまいですわ」
私はパンと手を叩いた。
「お二人とも、ご自分の立場を理解していますか? 貴方たちは今、私の『捕虜』であり、『債務者』なんですのよ」
私はセバスチャンから受け取った、分厚い羊皮紙の束を二人の前に突きつけた。
「ジェラルド殿下には、先ほど申し上げた通り、金貨一億枚の請求書を。そしてミレーヌさんには……当商会の営業妨害および器物損壊、精神的苦痛に対する賠償請求書をお渡しします」
「い、一億……」 「ば、賠償……」
二人の顔色が、怒りや悲しみを超えて、純粋な絶望(借金への)に染まる。
「払えませんよね? 今のお二人に、そんな資産はないはずです」
私はニッコリと、悪魔の微笑みを浮かべた。
「ですから、身体で払っていただきますわ」
「か、身体……!?」 ジェラルドが身構える。変な想像をしたらしい。
「ええ。我がベルシュタイン領は、今、猫の手も借りたいほどの人手不足。特に、農作業と鉱山採掘の現場が逼迫していますの」
私は二人の肩に手を置いた。
「おめでとうございます。本日より、貴方たちはマッスル商会の『契約社員(期間工)』です。借金を完済するまで、しっかり働いていただきますわよ?」
「そ、そんな……私は王子だぞ! 土いじりなどできるか!」 「私も嫌よ! ドレスが汚れるわ!」
「拒否権はありません」
私の後ろで、父バルバロスと兄ヴォルフガングが、ポキポキと指を鳴らした。 ボブたちが、楽しそうに手錠と足枷(労働用)を持ってくる。
「さあ、連行しなさい! まずは『新人研修(ブートキャンプ)』からよ!」
「ひぃぃぃぃぃ!」 「助けてぇぇぇ!」
二人は泣き叫びながら、屈強な男たちによって馬車(護送車)へと詰め込まれていった。 彼らの悲鳴は、王都の青空に虚しく響き渡り、そして消えていった。
こうして、「聖女の断罪」は、極めて物理的かつ経済的な解決を迎えた。 処刑? 追放? そんな生ぬるいことはしない。 死ぬまで働かせて、国のために貢献させる。 それが、エレオノーラ流の『慈悲』なのだから。
私は去りゆく馬車を見送りながら、大きく伸びをした。
「ふぅ……これでようやく、本当の平和が戻ってきましたわね」
隣で見ていたジークフリート殿下が、苦笑しながら言った。
「……貴女を敵に回さなくて本当によかったよ。心底そう思う」
「あら、私は味方ならとても優しいですわよ? ……ところで殿下」
「ん?」
「新商品発表会の出演料ですが、こちらの請求書にサインをお願いできます?」
「……前言撤回だ。貴女は敵でも味方でも恐ろしい」
殿下は溜息をつきつつも、楽しそうにサインをしてくれた。 空は晴れ渡り、太陽が眩しい。 王都の復興はこれからだが、きっと大丈夫だろう。 なんて言ったって、ここには『マッスル商会』がついているのだから。
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