緊急! 超獣鋼猟 ウイークエンダー・ラビット ~パーフェクト朱墨の山~

リューガ

文字の大きさ
22 / 124

22.予期せぬ望み

しおりを挟む
 我々は?
 アーリンくん……いや、オズバーン団長と言ったほうがいいのかな。
 この後、どんなことを言うのか。
 その言葉で、世界の命運が決まるかも知れない。
 心臓が高鳴ってくる。
 周りの人たちをみてみる。顔が引きしまっていた。
 みんな、固唾をのんでるんだ。
 果たして、朱墨ちゃんが望み、選んだ答えとは。
 オズバーン団長は、神妙な面持ちだ。
 なぜか、その鼻がひくひくと動いている。
 ケースから、こん棒をあらためて取りだした。
 そしてじっと見ている。
 鼻を近づける。
 においを嗅いでいるんだ。
 塗りたてのウルシのさわやかな香りが、こっちまできた。
「このマシンがもっと見たいです!」
 そう言うと、こん棒とケースをおじさまに渡した。
 というか、押し付けた!?
「リッチーさんもオーガもモリーも、そう思いますよね!?」
 おじさまは、あっけにとられてすぐ手を動かすことができなかった。
 団長の言葉からすると、この人がリッチーさんなのかな。
 渡されたこん棒を、なんとか落とさずにすんだ。
 さすがプロ。なのかな?

 一方のオズバーン団長は、全自動こん棒修理マシンに情熱的にかけより、ピタッ! とくっついた。
 ……え?
 自棄になったり、おかしくなった感じはない。
 彼の眼はキラキラと輝き、喜びに見開かれている!
 再び周りを見てみる。
 全ての顔から引きしめがとけて、口がカクンと開いていた。
 みんな、アゴが外れたんだ。
 私も。
 アゴを、そっと手で押し戻したよ。
「これは。基本構造はオリハルコンではないですよね。
 こちらの世界で多く使われる、鉄ですか?!」
 団長、興味シンシンだね。
 朱墨ちゃん、本当にこれでいいの?
 そう思って目をむけると。
 胸に手を当てていた。
 彼の言葉を、真剣に受け止めてるように見えた。
 もしかしたら、いいコンビ、でなくても、いい関係は築けるかな。
 だったらいいな。
 オリハルコンとは、とっても硬くて異能力を強化してくれる金属だ。
 地球では古い伝説にしかほぼ登場しないけど、実在するんだよ。
「ほとんどはね」
 朱墨ちゃんが言った。
「でも、部品ごとにいろんな金属やプラスチックなどのいろんな物質を使ってるよ」
「それを電力で動かしているのですか?!
 ボルケーニウムの維持にも使えるのですか!?」
 ボルケーニウムとは、ボルケーナ先輩の体を作る変な……超常物質。
 どんなエネルギーも吸収するし、自分の性質を変えられる。
 硬くなったり柔らかくなったり、暑さや冷たさも変えられる。
「主な機械は電力ね。
 でもボルケーニウムの維持には、無限炉心て魔法的技術が使われてるはずだよ」
 そう言って、朱墨ちゃんは私を見てきた。
「その辺は、うさぎ先輩の方がくわしいはずだよ」
 かっこいい!
 ここは答えないと。って気持ちになる。
「じゃあ、機密に接触しない範囲で……」
 えーと。

「無限炉心とは、私のウイークエンダー・ラビットなどに使われエネルギー源です。
 この地球でもっとも小型で、高いエネルギーを発生させる生体部品です。
 ボルケーニウムは、機械では維持できません。
 必ず生命とつながらなければならないのです」
 もうちょっと解説するかな。
「もとは、地球で生まれた技術ではありません。
 ルークスという別の星で生まれた知的生命体、タイリナルの生態をまねして作られました」
 厳密には、我が特務機関プロウォカトルの長官、落人 魂呼さんの体をね。
 あの人は、地球人のお父さんとタイリナルのお母さんの生体情報を混ぜ合わせて作られた。
 それは、決して愛と幸せに包まれた関係じゃなかったらしいけど。
 私は、あの人のことが好きだよ。
「超高温プラズマ発電の一種です。
 太陽と同じような力を使い、少しですが、物理法則を曲げることもできます」
 オズバーン団長の目が、ますます輝いた。
 本当に、心の底から今の立場を喜んでいる目だ。
 なんだか、こっちまで、うれしくなるような……。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。 ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。 学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。 当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。 同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。 ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。 そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。 まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。  その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。 こうしてジュリーとの同居が決まった。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。

蛇崩 通
ファンタジー
 ネットオークションに、異世界転移魔方陣が出品されていた。  三千円で。  二枚入り。  手製のガイドブック『異世界の歩き方』付き。  ガイドブックには、異世界会話集も収録。  出品商品の説明文には、「魔力が充分にあれば、異世界に行けます」とあった。  おもしろそうなので、買ってみた。  使ってみた。  帰れなくなった。日本に。  魔力切れのようだ。  しかたがないので、異世界で魔法の勉強をすることにした。  それなのに……  気がついたら、魔王軍と戦うことに。  はたして、日本に無事戻れるのか?  <第1章の主な内容>  王立魔法学園南校で授業を受けていたら、クラスまるごと徴兵されてしまった。  魔王軍が、王都まで迫ったからだ。  同じクラスは、女生徒ばかり。  毒薔薇姫、毒蛇姫、サソリ姫など、毒はあるけど魔法はからっきしの美少女ばかり。  ベテラン騎士も兵士たちも、あっという間にアース・ドラゴンに喰われてしまった。  しかたがない。ぼくが戦うか。  <第2章の主な内容>  救援要請が来た。南城壁を守る氷姫から。彼女は、王立魔法学園北校が誇る三大魔法剣姫の一人。氷結魔法剣を持つ魔法姫騎士だ。  さっそく救援に行くと、氷姫たち守備隊は、アース・ドラゴンの大軍に包囲され、絶体絶命の窮地だった。  どう救出する?  <第3章の主な内容>  南城壁第十六砦の屋上では、三大魔法剣姫が、そろい踏みをしていた。氷結魔法剣の使い手、氷姫。火炎魔法剣の炎姫。それに、雷鳴魔法剣の雷姫だ。  そこへ、魔王の娘にして、王都侵攻魔王軍の総司令官、炎龍王女がやって来た。三名の女魔族を率いて。交渉のためだ。だが、炎龍王女の要求内容は、常軌を逸していた。  交渉は、すぐに決裂。三大魔法剣姫と魔王の娘との激しいバトルが勃発する。  驚異的な再生能力を誇る女魔族たちに、三大魔法剣姫は苦戦するが……  <第4章の主な内容>  リリーシア王女が、魔王軍に拉致された。  明日の夜明けまでに王女を奪還しなければ、王都平民区の十万人の命が失われる。  なぜなら、兵力の減少に苦しむ王国騎士団は、王都外壁の放棄と、内壁への撤退を主張していた。それを拒否し、外壁での徹底抗戦を主張していたのが、臨時副司令官のリリーシア王女だったからだ。  三大魔法剣姫とトッキロたちは、王女を救出するため、深夜、魔王軍の野営陣地に侵入するが……

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...