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人形憎愛
第一否定 人形憎愛 第零節
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とても……とても暗く辺り一面何もない空間に僕は立っていた。
そこで特に何もすることはない……慌てたり灯りを探したり叫んだり走ったり歩いたり泣いたり怒ったり笑ったりなどを一切せずにただただボーとしている。
この空間をよく知っている何度も何度もここに来ているからだ、最初はかなり怖かった。
何もできないこの空間が誰もいないこの世界が……だけどある時からここが一番心地いい場所だと理解できるようになっていた。
もうそろそろだろうと思い始めた頃、何もなかった暗闇に光が照らし出される。
綺麗な朝日を思い浮かべれるような光はこの世界を照らし、周りには見たこともない花が辺り一面に咲き始めた。
光が全てを照らし出すと、一面の花々の中に白いワンピースを着た女性が立っていた。
その女性は僕の存在に気づくと微笑みを浮かべながらこちらに近づいてくる……ああそうかそろそろか。
そっと目を閉じ少ししてからもう一度目を開ける。
……先程までの風景とは一変し周りにはテレビや本棚など見慣れた部屋で僕は目覚める。
太陽の光が窓から差し込み、鬱陶しい暑さもなく肌に心地いい風が吹くいい季節だ。
もう少し寝たら先程の夢の続きが見れるかも知らないが、そんな願いは叶わない。
あと少し時間が経てば間違いなくあの厄介者が僕に電話をかけてくるからだ。
そしてまた僕を危険な仕事に巻き込むのだ。
(ブーー、ブーー、ブーー)
……やはり電話が鳴ってしまった……間違いなくあいつからだろう。
電話を出ないという手段もあるがそれをすればさらにめんどくさいことになる。
しかし電話をとるのは非常に面倒くさい……。
「はぁ、まったく今からもう一眠りしようと思ったら……よし知らなかった事にして寝るとするか。」
布団にくるまり寝ようとした直後に……
「おっはよージン!君の数少ない友達にして親友のこの私が起こしにきてあげたぞ!!」
そいつは大きな声を出げ堂々と部屋に侵入してきた……最悪だ。
腰ほどぐらいの黒くて長い髪が窓から照らされていた月明かりに当てられて宝石の様に煌めき出す。
その髪に似合うかのような綺麗な顔をした女性、腕には何かのプレゼントの様な物が入っているであろう箱を持っていた。
普通の男性なら喜びそうなこの状況だが、僕はコイツの大変さをよく知っている。
一切の遠慮もなく侵入してきたこいつ……彼女の名前は引坂 加羅 高校一年の時ある事件に関わって以降、彼女の頼みごとを僕の都合を一切気にせずに無理矢理協力させられている……本当いい迷惑だ。
こうなっては仕方がない、ゆっくりと体を起こす。
「これはこれはどうもわざわざ起こしに来てもらってありがとうございます。
色々とツッコミたいことがあるんだが、めんどくさいから一つだけ聞くよ。
どうやって入った?」
「どうやって入ったって?そんなもの簡単な話だよ鍵を開けて正面から堂々と入ったんだよ?」
と彼女は不思議そうに首を傾けて答える。
ちなみに鍵など渡した覚えは全く無いのだが、どんな神経をしているのだコイツは。
「そうか……でも僕はお前に鍵を渡した覚えはないんだが?」
「勿論! 君がくれるはずないから堂々とスペアを作ったに決まっているだろう、流石私だ!」
「……お前は一度刑務所にはいらないといけないのでは?」
と半分呆れ気味に彼女に言ってやったが、まぁ例え彼女を無事に捕らえ、刑務所に入れられても1時間もしないうちに出てきそうだから意味ないか、と考えてるうちに彼女は手に持っていた箱を僕に投げる。
箱を開けると中には男物のスーツが入っていた。
「さぁさぁジン、早速だがスーツに着替えてくれ、飯に行こう。」
「……スーツだって? 一体僕をどこに連れて行く気なんだ?」
「じゃあ私は隣の部屋で優雅にお茶でも飲んでるので着替えてくれたまえよ。」
何の説明もなく彼女は部屋から出る。
一応ここは僕の家と言おうと思ったが、彼女に言ったところで無駄だと思った僕はスーツを着る事にしたが……。
「……何故サイズがわかるだ。」
何故か体に見事に合ったスーツに着替えると、彼女に僕の家を荒らされてしまう前に部屋を出る……そして僕はまた厄介な事件に巻き込まれるのだろうな。
そうしてまた僕は誰かの願望を否定するのだろう。
そこで特に何もすることはない……慌てたり灯りを探したり叫んだり走ったり歩いたり泣いたり怒ったり笑ったりなどを一切せずにただただボーとしている。
この空間をよく知っている何度も何度もここに来ているからだ、最初はかなり怖かった。
何もできないこの空間が誰もいないこの世界が……だけどある時からここが一番心地いい場所だと理解できるようになっていた。
もうそろそろだろうと思い始めた頃、何もなかった暗闇に光が照らし出される。
綺麗な朝日を思い浮かべれるような光はこの世界を照らし、周りには見たこともない花が辺り一面に咲き始めた。
光が全てを照らし出すと、一面の花々の中に白いワンピースを着た女性が立っていた。
その女性は僕の存在に気づくと微笑みを浮かべながらこちらに近づいてくる……ああそうかそろそろか。
そっと目を閉じ少ししてからもう一度目を開ける。
……先程までの風景とは一変し周りにはテレビや本棚など見慣れた部屋で僕は目覚める。
太陽の光が窓から差し込み、鬱陶しい暑さもなく肌に心地いい風が吹くいい季節だ。
もう少し寝たら先程の夢の続きが見れるかも知らないが、そんな願いは叶わない。
あと少し時間が経てば間違いなくあの厄介者が僕に電話をかけてくるからだ。
そしてまた僕を危険な仕事に巻き込むのだ。
(ブーー、ブーー、ブーー)
……やはり電話が鳴ってしまった……間違いなくあいつからだろう。
電話を出ないという手段もあるがそれをすればさらにめんどくさいことになる。
しかし電話をとるのは非常に面倒くさい……。
「はぁ、まったく今からもう一眠りしようと思ったら……よし知らなかった事にして寝るとするか。」
布団にくるまり寝ようとした直後に……
「おっはよージン!君の数少ない友達にして親友のこの私が起こしにきてあげたぞ!!」
そいつは大きな声を出げ堂々と部屋に侵入してきた……最悪だ。
腰ほどぐらいの黒くて長い髪が窓から照らされていた月明かりに当てられて宝石の様に煌めき出す。
その髪に似合うかのような綺麗な顔をした女性、腕には何かのプレゼントの様な物が入っているであろう箱を持っていた。
普通の男性なら喜びそうなこの状況だが、僕はコイツの大変さをよく知っている。
一切の遠慮もなく侵入してきたこいつ……彼女の名前は引坂 加羅 高校一年の時ある事件に関わって以降、彼女の頼みごとを僕の都合を一切気にせずに無理矢理協力させられている……本当いい迷惑だ。
こうなっては仕方がない、ゆっくりと体を起こす。
「これはこれはどうもわざわざ起こしに来てもらってありがとうございます。
色々とツッコミたいことがあるんだが、めんどくさいから一つだけ聞くよ。
どうやって入った?」
「どうやって入ったって?そんなもの簡単な話だよ鍵を開けて正面から堂々と入ったんだよ?」
と彼女は不思議そうに首を傾けて答える。
ちなみに鍵など渡した覚えは全く無いのだが、どんな神経をしているのだコイツは。
「そうか……でも僕はお前に鍵を渡した覚えはないんだが?」
「勿論! 君がくれるはずないから堂々とスペアを作ったに決まっているだろう、流石私だ!」
「……お前は一度刑務所にはいらないといけないのでは?」
と半分呆れ気味に彼女に言ってやったが、まぁ例え彼女を無事に捕らえ、刑務所に入れられても1時間もしないうちに出てきそうだから意味ないか、と考えてるうちに彼女は手に持っていた箱を僕に投げる。
箱を開けると中には男物のスーツが入っていた。
「さぁさぁジン、早速だがスーツに着替えてくれ、飯に行こう。」
「……スーツだって? 一体僕をどこに連れて行く気なんだ?」
「じゃあ私は隣の部屋で優雅にお茶でも飲んでるので着替えてくれたまえよ。」
何の説明もなく彼女は部屋から出る。
一応ここは僕の家と言おうと思ったが、彼女に言ったところで無駄だと思った僕はスーツを着る事にしたが……。
「……何故サイズがわかるだ。」
何故か体に見事に合ったスーツに着替えると、彼女に僕の家を荒らされてしまう前に部屋を出る……そして僕はまた厄介な事件に巻き込まれるのだろうな。
そうしてまた僕は誰かの願望を否定するのだろう。
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