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幻覚だ! ゲーンカク! ゲーンカク! ゲーンカク! 

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「幻覚だ! ありえない!! 絶対に幻覚だ!! 幻覚だ、幻覚だ、幻覚だ、幻覚に決まっている!!」




「もし幻覚だったら、それはそれでヤベェだろ。超神の目をごまかせてんだから」




「果てない領域に至った幻術使い!! おそらく、貴様の存在値は500億近い! それだけの力があって、偽りの道に走るとは愚かなり!! 所詮は幻覚!! 私を超える力ではない!」







(その目で現実を見たというのに、受け入れるための努力をするどころか、自分を慰めるだけで必死……こいつ、本当にアダムを吸収してんのか? それにしては、色々と酷過ぎるんだが……)







「醜い! 貴様は醜い! 貴様の存在そのものが、神に対する冒涜だ! 虚飾で体を大きく見せようとする事しかできない虫ケラ! 貴様など――」




「虚勢はまだ続くのか? アホ相手に『潔くなれ』なんて言うつもりはないが、流石に見苦しい。構えろ、クソガキ」




 そこで、センは、キノをアイテムボックスに戻して、




「神化までなら、素の状態でも、神器を使えばどうにかなったが、流石に、超神化したヤツが相手だと素じゃどうにもできない。と言う訳で、これからは、神として闘ってやる」




 そこで、センは、フゥっと息を吐く。

 パンッっと雑に両手を合わせて、奥歯に少しだけ力を込めた。
















「――超神化――」
















 センの体が光に包まれる。




 淡く静かな輝き。




 あえて強く押さえつけた薄い後光。




 どこか鈍さすら感じる光だというのに、感じる力強さと圧力は異常。










「ひっ……た、た、闘うというのか! この私と! どこまで愚かなのだ! やめておけ! 私は強すぎる!! 誰も届かない真なる頂点!! 最強の神!! 決して――」













「裏閃流、秘奥義」







「や、やめろと言っている!!」
















「――カース・ストライクフリーダム」
















 宣言すると、周囲の地面に、山ほどジオメトリが出現する。




 そして、そんな無数の禍々しいジオメトリから、『奴ら』が這い上がってくる。

 呪われた紫色の鎧を纏う魔人。







 ――総勢、150体。







 その存在値は、一律『500億』。







「ど、どういうことだぁああ、その数はぁああああ! というか! はぁあああ?! 一体、一体が……な、なんだ、この強さぁああああああ?!!」







 集団となって襲いかかってくるカースソルジャーを、どうにか迎撃しながら叫ぶサイケル。




 対処できないほどの強さではない。

 というか、『なぜか攻撃してこない』ので、ノーダメージで倒せている。




「なぜ、攻撃してこない! ワタシの周囲を走り回るだけで、いったい、何がしたいんだ、おまえら! ずっと、ずっと、なんなんだ、なんなんだよぉおおお!! ――――んっ……なっ……」




 戦闘中、ふいに、足下がグラついた。




 気分が悪い。

 吐き気がする。




 苦しい。

 全身が重ダルい。




「なんだ……」




 ついには、膝をつき、吐血する。




 そんなサイケルの周囲を取り囲み、特に攻撃してくる訳でもなくウロウロしている鬱陶しいカースソルジャー達。










「なに……が……」










「毒とバラモウイルスだけか。やるじゃないか。お前、ほんと、キャラスペックだけは異常なほど高いな」







「……はぁ……はぁ……まさか、状態異常……? ふざけるな……私は神だぞ……毒など、利くワケが……」







「ゲームじゃねぇんだから、状態異常が利かないヤツなんかいねぇよ。色々と頑張れば、限界まで利きにくくする事はできるが、そこまでが限界だ」




 シグレに貸し与えたニーも、魔法と状態異常無効という性質はついているが、当然、『ある一定までは無効に出来る』というだけで、『絶対完全無効』という訳ではない。










「く……ぃ……」










 そこで、サイケルが、




「ひ、卑怯……だ……こんなもの……」




「卑怯? おいおい、お前、それ、本気で言ってんのか? それとも、ボケで言ったのか? 後者だったら笑えないだけだが、もし前者だった、心の病気を疑うぞ」




「卑怯だろうがぁ! げほっ、ごほっ……もどせぇ……ちゃんと闘え……そうすれば、私の方が……強いに……決まっている……私の存在値は……3500億だぞ……勝てる者なんか……いる訳ないだろ……」







 サイケルの、その発言を受けて、センは、小指で耳をほじりながら、







「お前を殺せるくらいのヤツだったら、知り合いに30柱ほどいるけどな」







 ボソっとそう言った。
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