異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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初経験値

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 ゼンは起き上がり、ゴブリンが手放したこんぼうを拾う。




「お前は、ただのモンスター……数日たったら、復活する……けど、それって、お前なのか、それとも別のやつなのか……」




 つい、なんとなく、そんな事を考えてしまった。

 けれど、すぐに、




「はっ……どうでもいいか……行くぞ、火ゴブリン。記念すべき、俺の最初の敵…………」




 投げつけられた二つの火の玉を左腕でガードする。




 ブォオオっと、前の玉よりも鋭い勢いで全身を包み込んだが、

 それも、結局、一瞬の出来事だった。




 ヤケドにも至っていない。




 ダメージは負った。

 痛みもシッカリと感じている。




 しかし、




「いてぇ……熱い……だが、覚悟を決めていれば……我慢できる……我慢出来ない分はカットされる……つまり、俺は、いつだって、最後まで闘える……あとは、気合いと根性……なら、俺は行ける……いや、そうでなくたって、きっと……」




 眼帯が見通した火ゴブリンの残りMPはゼロ。

 動くこともままならず、死にかけで、魔力も尽きた子供サイズの敵。







 もはや、負けはない。







 距離をつめ、こんぼうをふりあげ、




「倒すとか、勝つとか、やっつけるとか、成敗するとか、駆除するとか、そんな綺麗な言葉は使わねぇ。これは殺し合いだ。手前勝手に、お前を殺して、俺は生きる。……俺のエゴで、お前の命を奪う。俺はこれから……そうやって、生きていく」







 宣言。

 頭がヒリついた。




 腹の底から湧き上がってくる『明確な殺意』に対して、『歪んだ喜び』は感じなかった――その事に安堵しながら、




「うらぁああああ!」




 思いっきり頭部に叩きつけると、




「グ……ギ……」










 ようやく、ゴブリンはぐたっとして動かなくなった。










「はぁ……はぁ……よしっ」







 ゼンは、その場に座り込みながら、グっと拳を握りしめた。




 動かなくなってから5秒ほど経過すると、ゴブリンの全身から、よくわからない光の粒が、湯気のようにチラチラと放出される。

 やがて、それらは、ゼンの体に入っていった。




 ゼンは、そんな光景を見ながら、数真で自分のステータスを確認する。










 000000000000000000000000000000000000000







 《レベル》     【2】

 《GODレベル》  【236】




 [生命力バリア]  【5375/5375】

 [MP]      【1273/1273】

 [スタミナ]    【8/32】




 「攻撃力」       【2】

 「魔法攻撃力」     【1】

 「防御力」       【2】

 「魔法防御力」     【1】

 「敏捷性」       【1】

 「耐性値」       【2】

 「バリア再生力」    【1(+2000)】

 「魔力回復力」     【1(+2000)】

 「スタミナ回復速度」  【2】

 「反応速度」      【1】




 「隠しパラメータ合計値」【159】




 「獲得経験値」     【3】

 「ネクストEXP」   【1】










 111111111111111111111111111111111111111










(GODレベルの上がり方が、ホントにエグいな。……隠しパラメータってのも、なんなのかよくわからねぇけど、まあまあ上がっている……)




 凄まじい成長率。

 毎秒、強くなっていく。




(でも、経験値は3……あんだけ苦労して3かよ……7倍になってないところから察するに、強敵とは認められなかったってことか……今の俺からすれば、まあまあ強敵だったんだが……それとも、経験値3で、7倍になっているのか? ありえなくもない話だが……モンスターごとの経験値表が欲しいところだな……てか、攻略ウィキが欲しい)




 などという思考が、一瞬、頭を埋め尽くしたが、すぐにゼンは、




(ないものねだりは時間の無駄だ。現実だけ直視しろ。……レベルはあまり上げられそうにないけど、バリアの耐久度はドンドン上がっていて、回復速度もスゲェはやいから、ずっと闘い続けていない限り、そうそう死ぬことはないだろう。最悪、死にそうになっても、全力で逃げて、どっかでバリアを回復させてから、もう一度挑むっていうのを繰り返せば、どうにかなると思う……)




 『ふぅ』と、これからの戦闘に対する目途がたった事に安堵し、息をつく。







 それから、ようやく、







「さて……それじゃあ……記念すべき、最初のレベルアップといこうか」

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