異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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初めてのレベルアップ、はじめての魔法。そして、

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『数真』の項目にある『レベルを上げる』をタップしたゼン。




 すると、







『経験値をいくつ使いますか?』

     【0】







 そこそこゲーム慣れしているゼンは、困惑することなく、そのメッセージを受け入れた。

 そして、ゼンは、とりあえず、1と打ち込んで決定ボタンをタップする。




 すると、




『おめでとうございます。レベルが3にあがりました。【雷術、ランク1】の魔法を覚えました』




 そのメッセージが表示された瞬間、ゼンは、全身に力がみなぎってくるのを感じた。

 体が軽くなり、視界がクリアになる。




「へぇ……」




 感嘆の声をもらしながら、ゼンは、全身をチェックする。




「なんか、強くなったって分かるな……」




 体の軽さに、つい、顔がほころぶ。




「それに、魔法も使えるようになったのか……魔法、はは……ついに俺も魔法を覚えちゃったよ……いいね、いいね、いいねぇ。これこれ、こういうのがしたかったんだ」




 満面の笑みで、そうつぶやきながら、ステータス画面を確認してみると、







 000000000000000000000000000000000000000







 《レベル》     【3】

 《GODレベル》  【279】




 [生命力バリア]  【6789/6789】

 [MP]      【1956/1956】

 [スタミナ]    【15/35】




 「攻撃力」       【3】

 「魔法攻撃力」     【3】

 「防御力」       【5】

 「魔法防御力」     【2】

 「敏捷性」       【2】

 「耐性値」       【3】

 「バリア再生力」    【2(+2000)】

 「魔力回復力」     【3(+2000)】

 「スタミナ回復速度」  【3】

 「反応速度」      【2】




 「隠しパラメータ合計値」【189】




 「獲得経験値」     【2】

 「ネクストEXP」   【1】







 111111111111111111111111111111111111111










「そ……そんなに上がっていないな……けど、強くなったって、しっかりと実感できている……不思議なもんだ」




 そこで、ゼンはピョンピョンと飛び跳ねてみた。




(前よりも『倍』くらいジャンプできるようになったとか『そういう訳じゃない』けど、あきらかに体が軽くなっている。けど、筋肉は重くなった……へんな感じだ)







 腹の底に力を入れると、身体の輪郭が明確にイメージできた気がした。




 『産まれた時からつけていた重り』をわずかだが外せた――みたいな、妙な気分。




 なぜか分からないけれど確信できる、ほんの少しだけ『自由』に近づけた感覚。




(握力、完全にあがっているな……)




 グーパーグーパーしてみると、力の入り方が違った。




(これなら、きっと、こんぼうで殴った時のダメージとかも、かなり違っているはず……ためしてみたいな……)




 体がウズっとした。




(また、ゴブリンが出てきてくれるとありがたいんだけど……)




 先ほどと全く同じタイプのヤツが相手なら、もはや、負ける事はありえない。




(こうなったら、いっそ、ウジャウジャと出てきてほしいところなんだけど……)







 しかし、残念ながら、その気配はない。







(水場的なアレを探すついでに、ゴブリンも探してみるか。ウルフ的なのや、スライム的なのも、いるなら闘ってみたいんだが……おっと、その前に魔法の確認をしておくか)




 そこで、ゼンは、




(うまれてはじめての魔法……ふふっ、ワクワクするねぇ)




 ドキドキしながら、掌を上に向けて、













「雷術、ランク1」













 詠唱した直後、

 パチッっと、掌の上で、




 『シャー芯くらいの大きさの水銀みたいなの』がわずかに光って弾けて消えた。
















 ……それでおしまいだった。
















「……? な、なんだ、今の……静電気か?」




 あまりのショボさに呆然としてしまった。




「ぁ……あんなんで、何をどうしろってんだ」




 ゼンは、そのあとも、何度か雷術を試してみたが、




「ダメだ……一瞬だけパチって光って終わりだ……クソの役にもたたねぇ。なにが魔法だ。これだったら、バラエティでよく見る電流ボールペンの方がまだマシな気がする」




 そこで、ゼンは、GLに関する情報を思い出す。




「そういえば、魔法もGPで強化できるんだよな……強化すれば、少しはマシになるのかね……試してみたいけど……結局、いまだに、GPの使い方がわからねぇんだよなぁ……」







 などと、ぶつぶつ呟つぶやいていた、




 その時、






















 ――ガツゥゥンッッ!! っと、後頭部に激しい衝撃が走った。






















「ぐぁっ! なっ――」







 一瞬だけグラっとしたが、おそらく『ある一定』をこえたのだろう。

 間違いなく、気絶級のダメージを受けたのに、そこまで痛みは感じなかった。

 もちろん、かなり痛かったのだが、『小指をタンスの角にぶつけた』くらいの痛みにおさまって、その痛みも時間とともに、スゥウっと消えていった。







 ゼンは、慌てて振りかえると、







「……どたまに、思いっきり入ったってのに、気絶はおろか、なんでよろめきすらしない……どうなってやがる……」







 鉄のハンマーを手にもつ、身長170センチを超えている屈強な体格のゴブリンがそこにいた。




 肌は緑色で、耳が尖っていて、しっかりとした豚っ鼻。

 だが、モンスターという感じはしなかった。

 『人間だ』とは思えないが、『それに近い存在である』と頭の奥が認識した。




 妙な感覚だったが、ゼンは、これも、素直に受け入れることにした。




 ――このゴブリン、

 間違いなくブサイクだが、知性を感じさせる目をしている。

 身にまとっているのは、しっかりとした麻の服に、革の靴。

 右手に鉄の籠手をつけて、腰には2本の剣を差している。







 ゼンが3秒ほど観察に徹していると、

 ――そのゴブリンが口を開いた。







「……まったく、今日のおれは、運がいいのか悪いのか……」










 そのゴブリン――『亜人(ゴブリンの進化種)』は、

 苦虫をかみつぶしたような顔で、

 ピリピリとした警戒心を隠さずに、ゼンを睨みつけていた。

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