異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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神? ははっ

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 混乱する。

 上から命令が下ってくるのは、よくある事ではないにしても、これまでにも何度かあった。

 というか、天下は、天上の命を受けて動く実行部隊。

 上の命令を受けるのは当たり前の事。




 ただ、これまで、十人蒼天が受けてきたのは、高くとも五聖命王からの指令。

 大概は(といっても滅多にないが。現世でどんな問題がおきても、基本的には、十人蒼天よりも遥かに下の組織だけでも余裕で解決できる)、九華から発令され、十席が下に持ってくる。




 かつて、アンドロメダは、一度だけ、『三至天帝ゾメガからの命』を受けた事がある(その際は、パメラノが下まで降りてきた)が、その時は大騒ぎになった。

 ただ、その経験があったものだから、

 バロールが直接、命令を伝えにくると聞いた際、




(これは、二度目がきたか……? おそらく、ミシャンド/ラ陛下の……)




 と、予測をしていた。

 どんな大きな仕事を任されるのだろうとワクワクしていた。




 だが、そんな想いはふっとんだ。







「神……帝……?」







 アンドロメダは、思わず、ボソっとそう声にだしてしまった。




 それを聞いたバロールは、




「私はバカではない。ゆえに、本気でそう思っている訳ではない……が、立場上、聞かねばならない。アンドロメダ……まさか、貴様、今、神帝陛下を呼び捨てにしたのか?」







 軽く殺気を放たれて、アンドロメダは、思わず立ち上がり、汗を振りみだしながら、




「あっ、ありえなっ……ありえません!!」




「当たり前だ。愚か者……座れ」







「はっ、失礼いたしましたっ!」




 威厳もクソもなく脂汗を流すアンドロメダから視線を外すと、

 バロールは、円卓に右手の人指し指を、トンと置いて、







「軽くでいい……まずは、これに目を通せ」







 言葉が終わると同時、円卓の上に、膨大な量の『資料』が出現した。




 『これはいったい何ですか?』などという愚かな質問をする者はいない。

 猊下が『目を通せ』と仰った。

 ならば、急いで目を通すだけの話。




 アンドロメダたちは、それぞれ、まだ心の整理がついていないものの、しっかりと命令には従う。




 他の者達は、心の中で、




(神帝陛下って……確か、三至天帝陛下を全て合わせた時の別名じゃったっけ?)

(神帝陛下のう……おそらく、『ゼノリカ天上の総意』……という意味じゃろうな)

(ふふ……神帝陛下か。昔、聖典で読んだな……確か、死後、神の世界で『神の神』になった御方じゃったっけ……ははっ)







 彼らにとっての最高権威は三至天帝であり、それより『上』はない。

 神はおとぎ話。

 あくまでも、空想上のヒーロー。




 ゆえに、アンドロメダとアクエリアス以外の全員は、神帝陛下について、

 勝手に『こういうことだろう』とテキトーな結論をつけてスルーしたのだ。













 みな、凄まじい速度で資料を読みこんでいく。

 パララララララっと、冗談のような速度で資料をめくりながら、

 眼球を全速ではしらせて、情報を頭の中に叩きこんでいく。




 十秒ほど目を通してから、アクエリアスが、




「これは、どこかの……中級世界エックスの資料でしょうか?」




 と、質問を投げかけた。




「そうであるともいえるし、そうでないとも言える」

「それは、いったい――」

「貴様らが気にする事ではない」

「我々ごときでは、知る権利がない……ということで?」

「違うな。権利がないというより、意味がない」

「……了解いたしました」




 そこで、バロールは、全員の顔を見渡して、




「最低限は頭に入ったようだな……では、神帝陛下の命を伝える」










 言葉を待っているアンドロメダたち。




「……」

「……」




 なかなか切りださないバロール。

 妙な空白時間を前にして、何人かが、首をかしげた。




 直後、アンドロメダがハっとして、




「し、神前の礼を尽くせ」




 慌てて立ちあがり、全員に命令を下す。




 と、同時に、皆も、「ぁあ……っ」という顔になり、慌てて席から立ち上がる。




 神帝陛下の命を受ける時の礼節……もちろん、頭には入っているが、しかし、そんな経験は今まで一度もなかったし、そんな『いもしない存在から命令がくる』などとは夢にも思っていなかったので、とっさには気付かなかった。

 これまでは、神帝陛下の命を受ける時の礼節は、『ゼノリカに属する者として、知っておかなければならない』というマナーの一つでしかなかったのだ




 皆、その場で両膝をつき、

 『神の言葉を聞ける』という事に対する賛辞を述べて、いっせいに頭を地につけた。







「仕方がないとはいえ……たるみすぎだ」







 バロールが、ボソっと苦言を呈した。




(こっちだって、厄介なのが上司について、色々と大変なんだから、細かいところでイライラさせるな、まったく……)




 心の中で愚痴をはく……

 が、すぐに、気持ちを切り替えて、
















「これより、貴様らには――」

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