異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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アダムとサイの融合

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 十分後、センは、アダムの膝から頭をあげる。

 『短い』『もっと』という顔をしているアダムに背を向けて、




「よっ、ほっ」




 ググ、ググっと準備運動をしてから、




「さて、それじゃあ、はじめるか」




「主上様。もう少しお休みになられてはいかがでしょうか? さしでがましいようですが……少々、やりすぎかと」




 センの修行は想像を絶するもので、見ているだけでも心配になるほど。




 センは、アダムの心配を受けて、ニコっと笑い、




「何言ってんだ。ウォーミングアップで終わってどうすんだよ。ここからが本番だろうが」




「ほん……ばん?」




「ああ。……アダム、ここからは、お前にも手伝ってもらう」




「もちろん、喜んで……しかし、何を?」




「サイ。アダムの横に並べ」




 呼ばれて、サイは、アダムの隣に並ぶ。




「この指輪をつけろ」




 言いながら、センは、二人に、それぞれ指輪を与えた。




 二人は、受け取ると同時に、左手の薬指にはめる。




「はめる場所を指定した訳でもないのに、なんで同じ指にはめるかね……まあ、別にいいけど」




 こほんと一息ついて、




「その指輪は、俺が全力で創った融合用のアイテムだ」




 『融合』は、『いくつかの条件』を満たさないと実行できない裏技。

 センが作った指輪は、その条件を根こそぎスルーできる究極超神器。




 ただ、融合する事によって生じるデメリットは消しきれない。




 融合は、強大な存在値を得る事が出来る特殊技だが、時間制限を筆頭とした、無数のデメリットも存在する。

 最も痛いデメリットは、戦闘力が下がる事。

 そして、存在値の上昇分よりも、戦闘力の低下分が上回る事が多い。




 あくまでも仮にだが、

 『存在値100(戦闘力:かなり強い)』と『存在体90(戦闘力:かなり強い)』の者が融合した場合、たいがい、存在値『120(戦闘力:弱い)』となる。




 もし、『存在値100(戦闘力:かなり強い)』と、『120(戦闘力:弱い)』が闘った場合、ほぼ確定で前者が勝つ。




 そもそも、ただ融合するだけでも本来ならば難しい。

 かつ、融合しても逆に弱くなるパターンが多い。




 そのため、融合は、戦力強化という点ではあまり利用されない。
















 ――融合用のアイテムと聞いて、ユンドラが、




「なるほどね。アダムとサイを合体させて、『あの時の力』を引き出そうというわけね」




「察しがいいな。その通りだ。サイの異常性を用いて、アダムをむりやり覚醒させる」




「組み手の相手としてうってつけというわけね」







 話を聞いていたアダムが、




「ご意思は理解させていただきました。それで、どうすれば合体できるのでしょう」




「互いの指輪を合わせるだけでいい。簡単だろ?」







 頷きながら、アダムは、自分の左手の甲を、サイに向けた。




 すると、サイが、チラっと、センに視線を送り、




「お父様……サイ、がんばります。必ず、お役にたってみせます」




 そう言って、互いの指輪を合わせた。




 すると、カッッ!!

 と、世界が、まばゆい光に包まれた。




 耀きが収まった時、そこには、










「……んー、まあ、見た目はほとんど変わらないか」










 サイの特徴を少しだけ加味したアダムがいた。

 もともと、サイはアダムに似ている所が多いので、少しだけ加わったくらいでは違いは少ない。

 髪の色が若干、普段よりも淡くなって、顔つきが2~3歳ほど若返った感じがする程度。




 ちなみに、中身は、ほとんどアダム。

 それは、サイがアダムに心を委ねているから。

 アダムが完全中枢で会った方がよいと心の底から認識しているがゆえ。




「まあ、見た目はどうでもいい。それより力だ。さあ、アダム、あの時の闘いを思い出しながら、神化してみてくれ」




「かしこまりました」




 言って、アダムは、気合いを入れる。

 エネルギーを全身に充満させていく。

 神化を使ってみようとして、




 だが、




「……どうした?」




「しょ、少々お待ちください……」




 どうにか、覚醒しようとするが、一向に変化する気配がない




 アダムは、あの時の感覚は覚えている。

 異常事態だったが、それゆえに印象深かった。




 コスモゾーンに接続する、

 あの感じ。




 理解は出来ているのに、

 なぜ――
















「な、なぜ……できない……」
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