異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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最善の追及

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「はぁ……はぁ……ははっ……超えたぞ……意外と、簡単にこえられたな……存在値18兆の壁……へへ……」




 しっかりと二本の足で大地を踏みしめたまま、

 天に向かって、荒く息をはきながら、そうつぶやくセン。




「究極超神化7も……少し見えてきたぞ……行けるな……そう遠くない未来……俺は、夢にまで見た、究極超神化7に辿りつける……」




 息を吸って、吐いて、




「ただ、ここまで最短でこられたのは、カンストしてからの『余剰経験値分』を使ったからっぽい……ここから先に進む速度は少し落ちそうだな……19兆よりも上に行くには、かなり時間が掛かりそ……いや、でも、GPを振り直せば、それだけでも20兆くらい行くんじゃねぇか? ポイントが足りなくて出来なかった『夢の、超特化マルチシステム』も可能になる訳だから……くく……最終的には、ほんと、どのくらい行くんだ?」




 ニっと笑ってから、




「アダム、いるか?」




 呼びかけると、




「……はっ、ここに」




 ミニスカ浴衣の超美人が、すぐさま現れて、センの足下で跪く。




 そのたっぷりとした谷間を見下ろしながら、センは、




「膝かしてくれ」




「……膝……でございますか?」




「そう」




 センはアダムに正座するよう命じて、その膝に頭を乗せた。




 少しだけヒンヤリと、けど冷たすぎないアダムの肌。




「少し寝たい」




「こ、光栄でございます」




 頬を真っ赤にして、歓喜に体をふるわせながらそう言うアダム。




 センは、アクビをしながら、アダムの、スベスベしたフトモモを撫でつつ、




「ユン、サイ、いるかぁ」




「いるわよ」

「ここに」




 出現した二人に視線を向けて、




「現世で何かあった? 変わった事があれば聞かせてくれ」




「サイの管轄では特に動きはありませんでした」

「変わった事……は、あったわね。あれは、間違いなく、変わったことだわ」




「へぇ、どんな?」




 尋ねると、ユンは、『ゼン』の身に起こった事をつらつらと語った。




 それを聞いたセンは、




「ふははっ、マジ?」




 噴き出して、




「1000ガチャで10兆システムあてたのかよ。マジでハンパねぇな」




 ゼンとシグレが殺されかけたという点に関してはスルーした。

 シグレは覚悟を決めて、この世界に降り立った者。

 自分の命の責任は自分でとってもらう。




 ゼンにいたっては、幼いとはいえ自分。

 いくら殿堂入り側の戦力に遭遇したとはいえ、

 そんなもん、所詮はエックスレベルの困難。

 その程度、自分でどうにかできないようでは話にならない。




 弱者に対しては基本的に激甘なセンだが、

 『覚悟を抱いて生きている者』や『自分』に対してはとことん厳しい。




「しかし、エグゾギアか……あれ、微妙なんだよなぁ……特化させるのが難しくて、どう磨いても器用貧乏にしか……あ、いや、でも限界はなくなったんなら、あるいは化ける可能性はあるか? ……んー、別に趣味にあわないってわけじゃなかったし……もしかして、いけんのか?」




 システム選びは、ゲーム選びに似ている。

 RPGを選ぶのかロボットアクションを選ぶのか格ゲーを選ぶのかシミュレーションゲーを選ぶのか。




 人生をかけて極められるのが一つしかないとなれば、どれを選ぶか。

 その選択において、センは、エグゾギアは「ないな」と判断した。




「ふふっ……ちょっと面白くなってきたな。『期待を超えた何か』に達したゼンと俺の融合……どんなシナジーが起きるのか……エグゾギア……エグゾギアね……なら、それとの組み合わせをイメージしながらのビルドにするか……となると、実は今のままでも、そんなに悪くないか? うん、そうだな、少し変更はするが、おおむね、今のままでも問題はない……しかし、流石に、装備品の組み合わせは、今のままだと微妙だな。ぶっちゃけ、話にならない。……もっと尖った改造をしないと……『ヴィトゲンシュタインのアトリエ』を解放させたいところだが……ポイントがなぁ……」




 色々と考える。




 この時間。

 この至福。







 最善の追及。

 神の果てに至ってなお、まだまだ、真なる神の一手は遠い。

 その事実が、センをたぎらせる。




「くく……」




 笑ってから、センは眠りについた。




 その横に、並ぶように横たわり、センに寄りそうサイ。

 ユンは、アダムの横に腰を落として、センの頭をなでた。







 狂ったような異次元アルファの奇妙な星で、

 主人公は、超絶美少女のヒロインズに囲まれて、

 ゆうがな御昼寝に興じたのだった。
















 ――圧倒的、成功者!!







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