異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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美しき女の友情

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「君の本気を少しだけ見せてほしくてな。分かってくれるだろ?」




 アダムの言葉を受けたシューリは、

 まるで、当然のように、




「もちろん、分かっていまちたよ。オイちゃんはバカじゃありまちぇん。『あー、試されているなー、じゃあ、乗らなきゃなー』って感じで闘っていまちた」




 輝くような笑顔で返した。

 まるで予定調和とでも言わんばかりに、




「そうだろう。ああ、そうだろうとも」

「そうでちゅよ。うん、もちろんでちゅとも」




 互いに、ニコニコしながら、




「ひとまず、敬意を表させてくだちゃい」




 言いながら、シューリは、アダムに手をさしだす。




 それを受けて、アダムも、




「いやいや、私こそ、君には敬意を表したい」




 そう言って、シューリの手をギュっと握った。

 決して、力強く握り締めたりしない。




 これは友好の証明。




「本音を言おう。実は、色々あって、『この世で最も麗しき神シューリ・スピリット・アースよりも強くなる』ことが出来れば、『主上様が、私の願いを、なんでも一つだけ叶えてくださる』という事になってな」




 ピクっと、シューリの耳が動いた。

 とってつけたような御世辞は、その耳に入ってすらいない。

 気になったのは一点だけ。




 ――なんでも一つだけ願いを――




 サァっという背中が冷めていく音と、バチっという、脳で弾けた火花の音。




 センがアダムに対して『願いを叶える』と口にした意味が容易に想像できて、シューリは奥歯をかんだ。




 強く、強く、噛んだ。




(あ・の・クソ童貞ぇぇ……)




 このとてつもなく激しい怒りの中でも、シューリはポーカーフェイスを保っていた。




 ハラワタは煮えくりかえっているが、

 しかし、それでも、絶対に『素』だけはみせない。




 狂気的なプライド。

 究極の底意地。
















 ――アダムが言う。




「『なんでも願いを聞く』とは、またとんでもない約束をなさると思っていたが、なるほど、よく理解できた。確かに、君よりも強くなろうと思えば、そのくらいの報酬がないと、途中で心が折れてしまうだろう」




 アダムのそんな言葉に対して、

 シューリは、感情を殺して、




「いやいや、アーちゃんなら、すぐにでもオイちゃんを超えられると思いまちゅよ。事実、存在値はアーちゃんの方が上でちゅち」




「君ほどの神にそう言ってもらえるとは光栄だ。もしよかったら、友にならないか? 同じ大神を崇拝する者同士、仲良くやっていければと思う」




「嬉しいでちゅっ、オイちゃん、お友達とかいませんでちたから。これからは、仲良くしてくだちゃい」




「今後は、互いを高め合うために、組手などをやっていきたいな」




「ぜひぜひっ」

「ははは、いやぁ、今日は良き日だ」




 言いながら、心の中で、







(とりあえず、弱点を探る。アリア・ギアス特化のハメビルド対策は単純。条件を満たせないようにしてやればいい。確率を底上げしている条件を見つけ出して阻害する。ついでに、技も盗む。……確かに、シューリは強いが、存在値は私の方が上、無限蘇生のおかげで死ぬこともない。神闘を学び、戦闘力をあげ、この女の苦手なスタイルを確立し、確実に殺す)




(願ってもいないチャンス……あるていど強くなったら、組手中の事故に見せかけて殺してやる。最悪、どうしても殺し切れないようなら、どうにかスキをついて、バラバラにして封印してやる。出来ないとでも思っているのか? バカが……あたしは、絶勝と烈運を司る究極超女神シューリ・スピリット・アース。貴様のような虫とは存在の格が違う女神の中の女神。ナメるなよ、クソがっ)







「いやぁ、まさか、君ほどの美しい友ができるとは夢にも思っていなかった。実に喜ばしい」




「オイちゃんも、これほどの美少女とお友達になれるとは夢にも思っていまちぇんでちた。超ハッピーでちゅ」
















 などと言いながら、

 お互い、心の中で、




((必ず殺す。絶対、殺す))







 モリモリと殺意を練り上げていたのでした、とさ。













 めでたし、めでたし。

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