異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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俺は謝らない

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 ゴートが返事をする前に、UV1は言う。

「確かに、お前の召喚能力は、そこまで劣っている訳ではなさそうね。新しい召喚が出来るかどうかわからないから、それは今後も観察していくつもりだけれど、戦闘面では、この世界なら充分に使える。認めるわ。……さて、どうする? 私は謝った。非を認めた……で、お前はここからどうするの?」

「……」

「どうするのかと聞いているのだけれど? 謝罪するなら聞いてあげなくもないわよ」

「俺は絶対に謝らない。すでに言っているはずだ。俺があんたに見せる態度の度合いは、そっちの礼節しだい。慈愛には敬意で、八つ当たりには反意で返す」

「……」

「頭ごなしに上からきたのも、いきなり膝をいれてきたのも、全部あんただ。あんたが頭を下げるのはただの必然。あとは俺がその謝罪を受け入れるか否か。現状の問題は、それだけだ。俺が謝る道理はねぇ」

「……」

「俺はミスを犯してねぇ。それは変わってねぇ。謝る理由がどこにある」

「……」

「勘違いすんなよ、ゼノリカのなんたらウルトラバイオレット001。俺があんたにへりくだっていたのは、あんたの方が強いから。それ以外の理由はねぇ。つまり、死ぬ気で抗うと決めた今、あんたに頭を下げる理由はない。尊敬している訳でもなんでもねぇんだからなぁ。……殺したければ殺せよ、ファック」

「……ガキね」

 あきれ果てたとでも言いたげな顔で、ボソっとそうこぼしたUV1に、
 しかし、ゴートはいっさい怯むことなく、

「俺がガキ? は? だからなんだ? 相手を下に置いた分だけ自分が上にいけるとでも思っているのか? それも勘違いだ。ハッキリ言っておくが、あんたは、まだ、俺に、一度も、尊敬できる所を見せてねぇ。秩序ってのは、力ごなしに抑えつけて作り上げた順位や枠組みでは整わねぇ。まだ証明が足りねぇってんなら、とことん付き合ってやるよ。俺は死ぬまで叫び続ける。そう決めた。もう一度言うぞ、勘違いすんな」

「……めんどくさ」

「同意見だぜ」

「……はぁ……」

 深く溜息をついてから、

「詫びるわ。正式に」

 声のトーンを調節して、そう言った。
 屈辱も少し混じっているが、だからこそ明確な本気がうかがえる、そんな声音。

「確かに、少し焦って、色々と、あんたに対して配慮が足りていなかったかもしれないわね。きちんと謝罪する。だから、もう、この面倒臭いケンカは終わらせない? このまま、この非生産的な言い争いを続けていても、前には一歩も進めない。私が神になれないだけならともかく、ミッションを与えられていながら、ゼノリカになんの貢献も出来なかったという無様な結末だけは許されない」

「……」

 ゴートは、そこで、

「ん……んんっ」

 まだまだ言い足りなかった言葉を飲み込んで、
 ぐっと奥歯をかみしめて、
 喉を整えて、
 スっと、表情を穏やかにして、


「非常に素晴らしいご提案かと存じます。UV1様。思ったよりも理知的な御方のようで助かりました。私の周りにいた女という生き物は、どいつもこいつも、こちらが何を言っても絶対に折れないキ○ガイばかりだったので、あなたもそうだったらどうしようと、内心、びくびくしていました。やはり、神を目指すほどの御方は色々と違いますね」


「私は、ゼノリカの秩序を乱したくないだけ。そのためならなんでもする……ただし、譲歩は今回だけ。あんたの信念(底意地)は本物だろうと判断したからゆずった。礼儀に対しては礼儀で応えるというのなら、最低限の礼節をもって接しようと決めただけ。もし、あんたの信念が、ただの嘘だった時は迷わず殺す」


「ご心配なく。俺は、ふざけた態度を取られない限り、ありとあらゆる節度を守り続けます。あなたは、『俺ごときに折れる』という尊敬できる態度をみせてくださいました。これからは、きちんと尊敬させていただきますよ」

 空気が弛緩する。
 と、同時に、UV1は、疲れたような顔で、

「……今まで、どんな世界で生きてきたか知らないけれど……その性格だと、色々と問題ばかりだったんじゃない?」

「ええ。御察しの通りです。こんな性格ですゆえ、社会に出てからというもの、ケンカする機会の多いこと多いこと……とくに、クソババアとはよく戦争をしました。事務職員、上司、同僚、部下、免許センターにいるゴミババアに、町内会のクソババァ……どいつもこいつも、感情だけで不条理なことをワーワーと、そして、最後には泣いて終わらせよとする……女というのは、本当に……おっと、もうしわけございません。ひとくくりにすべきではありませんよね。男も女も、人それぞれ。マシな女性がいることも存じていますとも、ええ」




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