Let's『錬成』!~初めてのVRMMOで不遇職『錬金術師』やってます♪~

夢・風魔

文字の大きさ
16 / 43

16:新発見

しおりを挟む
「ふあぁ~。靴出なかったねぇ」
「ねぇ~……こほんっ。まぁそう簡単には出ないでござるよ。だけど素材はいっぱい集まったでござる」

 草原ラット──ラットというからネズミっぽいのかと思ったら、毛がふわもこでどちらかというとモルモット?
 だからドロップするアイテムも『草原ラットの柔毛』。それに革も。
 草原ラビもやっぱりふわもこな毛がたくさん取れたし、ラビの頭に生えていた角もゲットできた。

「素材があれば製造依頼も出来るでござる」
「あ、じゃあじゃあ、ロックんさんに頼もうよ」
「……うぅ……気は進まないでござるが、主殿を誑かした者を調査するいい機会でござるな」

 ちょ、調査って……。ロックんさんはいい人なのになぁ。

「じゃあ町に戻るでござるか」
「うん──あ、待って。やりたいことがあるのっ」
「やりたいこと?」

 ロックんさんから教えて貰った、スキルの習得の仕方。
 薬草をゲットするための『採取』スキルは、お金で買わずとも習得できる方法があるんだって。
 それをやりたいの!

 すぐに習得できないかもだけど、その辺は運次第なんだって。

 草原なんかで草をじーっと見て、色と形の違う草が時々生えてるの。それを摘んでいると、低確率でスキルを習得できる。

「あのね、草の色や形の違うものがあって、それを摘みたいの」
「ほぉ。錬成の材料でござるか?」
「うん。まぁそうなる、かな」

 摘んだ草は一応薬草になるみたい。
 低品質のライフ草って書いてあって、名前からしてあんまり回復量はなさそう。

「某もお手伝いするでござるよ」
「あ……うん、じゃあ出来たポーションは、紅葉ちゃんに上げるね」
「おぉ! それは助かるでござる。じゃんじゃん見つめるでござるよぉ」
「あはは。でもこの方法で見つけた薬草で作ったポーションは、回復量が少ないんだって。それにわたし錬金術師だから、更に二割減なの」

 何も言わず紅葉ちゃんは草を掻き分け、見つけたそれを摘み取っていた。
 私も頑張ろう。

 あ、発見!
 ヨモギの葉っぱみたいだなぁ。
 プチんっと葉っぱを摘み取ると──ぽーんっと音がして

【スキル『採取』を習得しました】

 というメッセージが浮かんだ。

「ほええぇぇぇっ!?」





 さ、採取スキル手に入れちゃった。しかも一枚目で!
 ま、まぁ確率だもんね。そんなこともあるよ。

「主殿は採取スキルを持っていたでござるか」
「う、うん。実は、ね」

 ロックんさんには、他の人にはスキルの習得方法を教えちゃあダメって言われたの。
 スキルの習得条件は、それだけで財産になる。例え店売りの物でも、お金を出さずに手に入れられるものは貴重だからって。
 紅葉ちゃんにはお話したかったけど、ここは耐えて「持っていた」ことにした。

「では某は主殿の周辺警護をしているでござるよ。採取はそちらに任せるでござる」
「うん。頑張って集めるね」

 スキルを手に入れてからヨモギっぽいのを摘むと、採れる葉っぱが二枚になった!
 スキルがあると倍になるのかぁ。
 でもヨモギがそもそも少ないんだよね。

 30分かけて四十八枚。回数にして二十四回かぁ。
 1分で一株も見つかってないってことになるぅ。
 はぁ、もっといっぱい見つかればいいのに……あ、あった。

 ──ぽーん。
【スキルの獲得条件をクリアし、『発見』を習得しました】

「……ほええぇぇぇぇっ!?」
「ど、どどどどうしたでござるか主殿!?」

 シュババババって走って来た紅葉ちゃんが、心配してわたしの顔を覗き込む。

「ご、ごめんね紅葉ちゃん。そ、そのね」

 このスキル、ロックんさんから教えて貰ってないヤツだぁ。
 ごにょごにょと紅葉ちゃんに教えると、彼女もビックリ!

「あ、主殿。そ、それは新は──いやいや、ここで口にするべきではござらぬな。よし、町へ戻るでござるよ」
「う、うん」
「ふっふっふ。主殿を誑かした男に、高く売りつけるのもいいでござるなぁ」

 なんか紅葉ちゃん、悪代官みたいぃ。

 フレンド画面からロックんさんを見ると、生産工房っていう所にいるみたい。
 たぶんさっき会ったところかなぁ。
 通信機で連絡をすると──

『製造依頼? うん、いいよ。こっちも一着良いのが出来たんだ。錬成頼める?』
「はい、やります!」
『じゃあ俺の部屋……あ、女の子と二人っきりはマズいか』
「お友達も一緒です」
『オケ。じゃあ部屋で待ってるよ』

 ということで、町の中にある生産工房にやってきましたー!
 三階の……あれ?
 どこの部屋だっけ?

「主殿、向こうで手を振っている男がいるでござるよ」
「あ、ロックんさぁーん」
「やぁチョコ・ミントちゃん。もしかして部屋の場所覚えてないかもと思って、待ってたんだけど」
「ナイスですロックんさん! 分からなくなってました!」

 ロックんさんは、うんうんと言いながら頷いた。
 凄いなぁ、ちょこっとお話したぐらいなのにわたしのこと分かってくれてるぅ。

「その子がお友達かい? よろしく、俺はロックん。革職人と裁縫職人、あと木工職人をやっているよ」
「紅葉ちゃん、この人がね──紅葉ちゃん?」

 ロックんさんが変な人じゃないかと警戒していた紅葉ちゃんだけど……固まってる。
 どうしたんだろう?

「あ、あああ、主ドノォ」
「ど、どうしたの紅葉ちゃん。声が裏返ってるよ?」
「主殿、こ、この方とお知り合いになったのでござるか!?」
「う、うん。そうだけど……紅葉ちゃんの知ってる人だったの?」

 紅葉ちゃんは勢いよく、首を左右に振る。
 そしてロックんさんはにこにこ笑顔。

「主殿。こ、このロックんって方は、生産系情報サイトでも有名な、生産TOPランカーのひとりでござるよ!」
「ほえええぇっ。生産TOPランカー!? って、何?」
「そこからぁーっ!」
「あっはっは。いやぁ、チョコ・ミントちゃんは面白いねぇ」
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。 底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。 ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。 だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。 翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。  どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!  スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!  天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活

アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
 名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。  妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。  貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。  しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。  小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。

処理中です...