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17:ブーメラン
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製造をすると、作った物のランクや付いた性能によってポイントが発生しているの。
一週間のその合計でランキングがあって、上位十人のプレイヤーさんがTOPランカーとして──
「発表されるのでござるよ!」
「公式晒しだけどねぇ。俺としては恥ずかしいから止めて欲しいんだよなぁ」
「で、でもTOPランカーさんだけが、こうして個室を貰えるのでござろう?」
「ま、それは有難いんだけどね」
ほえぇ。
このゲーム、サービスが始まってまだ二週間だけど、ロックんさんは二週連続でTOP3。
す、凄い!
「それで、製造依頼って何が欲しいんだい?」
「はうっ。ああ、主殿っ。ラララララ、ランカー殿に、せ、製造依頼!?」
「どどどど、どうしようっ。わたし、ロックんさんがそんな凄い人だと思わなかったもん」
「はわわっ」
「はわわぁっ」
紅葉ちゃんと二人であたふたしていると、ロックんさんも一緒にあたふたし始めた。
「いやいや、そんな恐縮しないでよ。そりゃあ公式晒しのせいで、めちゃくちゃ製造依頼が来るようになっちゃって。今は全部お断りしてるけどさ」
「そ、それなのに、某たちの依頼は受けてくれるのでござるか?」
「言っただろ? めちゃくちゃ依頼が増えたって。公に『依頼受けますよー』ってすれば、数百件の依頼が来るんだ。正直ね、リアルで五時間ぐらいだとそんな数捌くの無理なんだよ」
ロックんさん、最初は先着五十着で引き受けようとしたんだって。
でもTOP5のランカーさんがそれをやって、結局ログインしている時間ずっと製造に追われることになって。
「素材を全部用意してきてくれる人はまだいいんだよ。加工から始めればいいし。贅沢を言えば鉱石もインゴットまで加工してあると助かるんだけど、それもスキルが無いとできないからね」
「い、いんごっと?」
「鉱石を加工して、塊にしたものだよ。まぁ製造依頼をするプレイヤーのほとんどが、素材無しか半端な数しかなかったりするんだ」
足りないものは他のプレイヤーが売っている物を買うか、買い取りをするか。もしくは生産者さん自身で取りにいくしかない。
だけど製造をするだけで手いっぱいだから、素材を探しに町でお店を見て回る時間も無くって──
「依頼品が期日までにできないと、今度は叩かれてね……結局その人、二、三日生産から離れちゃってさ。まぁ今は復帰してるけど、もう製造請負しないんだーって。自分の作りたいものを作るんだってさ。その気持ち、俺も分かるんだよ。だから今は依頼を全部断るようにしてるんだ」
実は他の上位ランカーさんも、ここ数日で製造依頼を中止してるんだって。
「ランカーさんになるのって、大変なんですね……」
「まったくだよ。せめて公式で名前が出なければねぇ」
「そ、それと某たちの依頼を受けてくれるのと、どういう関係が?」
「あ、そうそう」
頭を書きながらロックんさんが笑って──「でも人から頼まれるのって、やっぱり嬉しいじゃないか」と言う。
たくさんの人の依頼を受ければ、自分が作りたい物を製造する時間がなくなっちゃう。
そうならない程度に、お友達の装備ぐらいは作ってあげるんだよって。
「チョコ・ミントちゃんにはお世話になるし、君やお友達の分ぐらいは作らせてよ。もちろんタダでは作らないよ。素材か、お金。どちらかはキッチリ貰うからね。あ、手数料も込みで」
「も、もちろんです!」
「そ、素材はこれだけでござるが……それで作れる軽装備はあるでござるか?」
「あ、わたしのも」
紅葉ちゃんと素材を出し合って、ロックんさんの机の上に並べた。
それを見てロックんさん、
「んー、上半身か下半身。どちらか一つか、手袋とショートブーツの二つ。こんな感じかな。どれを作るにしろ、少しだけ素材があまるけど」
「靴を作って貰えたらいいなぁって思ったでござるが、手袋も作れるのでござるか」
「あー、生産スキルのレベルが上がるとね、成功率が上がるのと同時に『無駄』が無くなるっていう設定なんだよ」
「むだ、ですか?」
「うん。無駄。つまり革手袋を作るときって、生地に型紙を当てて切り抜いて縫い合わせるとするだろ? レベルが低いと生地を切るのに失敗して、一枚無駄にしちゃう──とか、そんな感じかな」
もちろん実際に切り損ねているわけじゃないけどね──とロックんさんが言う。
ゲームのシステムとして、そういう設定なんだってこと。
「某は籠手を持っているので、ブーツだけでいいでござるが」
「わ、わたしは手袋と靴が欲しいですっ。服は上下で一緒に揃えないと、なんだかちぐはぐになりそうだし」
錬成するにしても、色や生地が違うとなんだか不自然なデザインになりそう。
「俺もその方がいいと思うよ。じゃあ製造するから、二人が欲しいステータス補正を教えて。あ、あとチョコ・ミントちゃん。俺が製造している間に、あれの錬成お願いできるかな」
「あ、はいっ」
ロックんさんが指さしたのは、ワンピースにポンチョを羽織らせたマネキン。
魔法使い用なのかな?
「魔術師用なんだ。女性用のね。とりあえず可愛い系で錬成して欲しいな」
「わ、分かりました!」
よし、頑張るぞぉ~。
ワンピースは青紺色。白の縁取りと、ポンチョを外して気づいたけど、袖も白いの。
可愛くない訳じゃないんだけど、のぺーっとしたデザインがちょっと残念。
やっぱりふわっとしたスカートがいいよね!
あと不思議なのは、ワンピースに見えて実は違うの。まったく同じ生地、色で作っているからそんな風に見えるだけなんだって。
「あ、そうそう。これがその時余った布なんだ。錬成するとき、追加で使ったりできるのかな?」
「ほえ。どうでしょう?」
「うん。じゃあ使ってみてよ。ボリュームとか欲しいだろ?」
「やってみます!」
袖の白いのはこのまま残したいなぁ。でも肩の所をパフ型にしたいかも。じゃあ半そでにしちゃおう!
縁どりの白は中央に集めて──スカートは前後で丈の長さが違うフィッシュテールのデザインに。
白い布が残ってるから、それをレース風にして内側に──出来るかなぁ。
うん、頑張ろう!
念入りにイメージして──
錬成陣用紙を敷いて、まずは上半身の分。
生地を足す分、今度はしっかりツーピースに見えるようにしようっと。
「レッツ『錬成』!」
錬成陣が輝き、出来上がったのはイメージ通りの服!
──と思ったけどちょっと違うぅ。
肩のところでふわっと盛り上がるパフ型半そでは、思った以上に盛り上がっちゃった。
これだとランタンなんとかってタイプの袖だよね。
もしかしてパフだと布の量があまっちゃって、システムで自動補正がかかったのかなぁ。
うん。これはこれで可愛いからいい!
「よぉし、次いっくよぉ~」
「お、おーでござる」
「レッツ『錬成』!」
スカートの下の長さは膝下ぐらい。
前側の丈を少し短くして、その分後ろを伸ばす。追加布もあるから、ボリュームが出るようにフレアスカートにしたよ!
同じく白の追加布はレース編みをイメージしたんだけど、ただのメッシュになっちゃった。それにペチコートをイメージしたんだけど、布が足りなかったみたい。
スカートの裏地の途中に縫い付けたみたいになっちゃってる。
でも外から見たらペチコートっぽいからいいよね!
「か、可愛いでござるよ主殿ぉ」
「そ、そう思う? 喜んでもらえるかなぁ」
「ロックんどのは性別的に着れないでござるから、喜ぶかどうか……」
違うの……買ってくれる人が喜んでくれるかどうかで言ったつもりだったんだけど。
紅葉ちゃんって、少し天然なところあるみたい。
一週間のその合計でランキングがあって、上位十人のプレイヤーさんがTOPランカーとして──
「発表されるのでござるよ!」
「公式晒しだけどねぇ。俺としては恥ずかしいから止めて欲しいんだよなぁ」
「で、でもTOPランカーさんだけが、こうして個室を貰えるのでござろう?」
「ま、それは有難いんだけどね」
ほえぇ。
このゲーム、サービスが始まってまだ二週間だけど、ロックんさんは二週連続でTOP3。
す、凄い!
「それで、製造依頼って何が欲しいんだい?」
「はうっ。ああ、主殿っ。ラララララ、ランカー殿に、せ、製造依頼!?」
「どどどど、どうしようっ。わたし、ロックんさんがそんな凄い人だと思わなかったもん」
「はわわっ」
「はわわぁっ」
紅葉ちゃんと二人であたふたしていると、ロックんさんも一緒にあたふたし始めた。
「いやいや、そんな恐縮しないでよ。そりゃあ公式晒しのせいで、めちゃくちゃ製造依頼が来るようになっちゃって。今は全部お断りしてるけどさ」
「そ、それなのに、某たちの依頼は受けてくれるのでござるか?」
「言っただろ? めちゃくちゃ依頼が増えたって。公に『依頼受けますよー』ってすれば、数百件の依頼が来るんだ。正直ね、リアルで五時間ぐらいだとそんな数捌くの無理なんだよ」
ロックんさん、最初は先着五十着で引き受けようとしたんだって。
でもTOP5のランカーさんがそれをやって、結局ログインしている時間ずっと製造に追われることになって。
「素材を全部用意してきてくれる人はまだいいんだよ。加工から始めればいいし。贅沢を言えば鉱石もインゴットまで加工してあると助かるんだけど、それもスキルが無いとできないからね」
「い、いんごっと?」
「鉱石を加工して、塊にしたものだよ。まぁ製造依頼をするプレイヤーのほとんどが、素材無しか半端な数しかなかったりするんだ」
足りないものは他のプレイヤーが売っている物を買うか、買い取りをするか。もしくは生産者さん自身で取りにいくしかない。
だけど製造をするだけで手いっぱいだから、素材を探しに町でお店を見て回る時間も無くって──
「依頼品が期日までにできないと、今度は叩かれてね……結局その人、二、三日生産から離れちゃってさ。まぁ今は復帰してるけど、もう製造請負しないんだーって。自分の作りたいものを作るんだってさ。その気持ち、俺も分かるんだよ。だから今は依頼を全部断るようにしてるんだ」
実は他の上位ランカーさんも、ここ数日で製造依頼を中止してるんだって。
「ランカーさんになるのって、大変なんですね……」
「まったくだよ。せめて公式で名前が出なければねぇ」
「そ、それと某たちの依頼を受けてくれるのと、どういう関係が?」
「あ、そうそう」
頭を書きながらロックんさんが笑って──「でも人から頼まれるのって、やっぱり嬉しいじゃないか」と言う。
たくさんの人の依頼を受ければ、自分が作りたい物を製造する時間がなくなっちゃう。
そうならない程度に、お友達の装備ぐらいは作ってあげるんだよって。
「チョコ・ミントちゃんにはお世話になるし、君やお友達の分ぐらいは作らせてよ。もちろんタダでは作らないよ。素材か、お金。どちらかはキッチリ貰うからね。あ、手数料も込みで」
「も、もちろんです!」
「そ、素材はこれだけでござるが……それで作れる軽装備はあるでござるか?」
「あ、わたしのも」
紅葉ちゃんと素材を出し合って、ロックんさんの机の上に並べた。
それを見てロックんさん、
「んー、上半身か下半身。どちらか一つか、手袋とショートブーツの二つ。こんな感じかな。どれを作るにしろ、少しだけ素材があまるけど」
「靴を作って貰えたらいいなぁって思ったでござるが、手袋も作れるのでござるか」
「あー、生産スキルのレベルが上がるとね、成功率が上がるのと同時に『無駄』が無くなるっていう設定なんだよ」
「むだ、ですか?」
「うん。無駄。つまり革手袋を作るときって、生地に型紙を当てて切り抜いて縫い合わせるとするだろ? レベルが低いと生地を切るのに失敗して、一枚無駄にしちゃう──とか、そんな感じかな」
もちろん実際に切り損ねているわけじゃないけどね──とロックんさんが言う。
ゲームのシステムとして、そういう設定なんだってこと。
「某は籠手を持っているので、ブーツだけでいいでござるが」
「わ、わたしは手袋と靴が欲しいですっ。服は上下で一緒に揃えないと、なんだかちぐはぐになりそうだし」
錬成するにしても、色や生地が違うとなんだか不自然なデザインになりそう。
「俺もその方がいいと思うよ。じゃあ製造するから、二人が欲しいステータス補正を教えて。あ、あとチョコ・ミントちゃん。俺が製造している間に、あれの錬成お願いできるかな」
「あ、はいっ」
ロックんさんが指さしたのは、ワンピースにポンチョを羽織らせたマネキン。
魔法使い用なのかな?
「魔術師用なんだ。女性用のね。とりあえず可愛い系で錬成して欲しいな」
「わ、分かりました!」
よし、頑張るぞぉ~。
ワンピースは青紺色。白の縁取りと、ポンチョを外して気づいたけど、袖も白いの。
可愛くない訳じゃないんだけど、のぺーっとしたデザインがちょっと残念。
やっぱりふわっとしたスカートがいいよね!
あと不思議なのは、ワンピースに見えて実は違うの。まったく同じ生地、色で作っているからそんな風に見えるだけなんだって。
「あ、そうそう。これがその時余った布なんだ。錬成するとき、追加で使ったりできるのかな?」
「ほえ。どうでしょう?」
「うん。じゃあ使ってみてよ。ボリュームとか欲しいだろ?」
「やってみます!」
袖の白いのはこのまま残したいなぁ。でも肩の所をパフ型にしたいかも。じゃあ半そでにしちゃおう!
縁どりの白は中央に集めて──スカートは前後で丈の長さが違うフィッシュテールのデザインに。
白い布が残ってるから、それをレース風にして内側に──出来るかなぁ。
うん、頑張ろう!
念入りにイメージして──
錬成陣用紙を敷いて、まずは上半身の分。
生地を足す分、今度はしっかりツーピースに見えるようにしようっと。
「レッツ『錬成』!」
錬成陣が輝き、出来上がったのはイメージ通りの服!
──と思ったけどちょっと違うぅ。
肩のところでふわっと盛り上がるパフ型半そでは、思った以上に盛り上がっちゃった。
これだとランタンなんとかってタイプの袖だよね。
もしかしてパフだと布の量があまっちゃって、システムで自動補正がかかったのかなぁ。
うん。これはこれで可愛いからいい!
「よぉし、次いっくよぉ~」
「お、おーでござる」
「レッツ『錬成』!」
スカートの下の長さは膝下ぐらい。
前側の丈を少し短くして、その分後ろを伸ばす。追加布もあるから、ボリュームが出るようにフレアスカートにしたよ!
同じく白の追加布はレース編みをイメージしたんだけど、ただのメッシュになっちゃった。それにペチコートをイメージしたんだけど、布が足りなかったみたい。
スカートの裏地の途中に縫い付けたみたいになっちゃってる。
でも外から見たらペチコートっぽいからいいよね!
「か、可愛いでござるよ主殿ぉ」
「そ、そう思う? 喜んでもらえるかなぁ」
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