【完結】死にたがり少女は過保護なヤクザの若頭に全肯定される~勘違い男の「光の暴力」は強面旦那様が排除します~

伊東園

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第15話 虎とカチューシャとお姫様抱っこ

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あれから車を走らせて、動物園の駐車場に到着した。

「……ひーな……ついたで……虎やで……起きぃ…………起きんのやったらちゅーするで……」 
「……ん…………すぅ……」 
「……くくっ……ほんまにお前は……それでバレとらん思っとるんがすごいわ……唇突き出しよって……ほんま可愛ええな……」 
「ん……ちゅ……ちゅぷ……ん……ちゅる……ん……ふ……ちゅ……」 
「ん……は……起きたか?ん?」 
「……ちゅっ」 

柔らかい感触が一瞬唇に当たる。

「んっ……なんや……反撃か……やられっぱなしは癪に障んな………口開けろ……」 
「ん……ちゅぷ……んん……じゅぷ……ん……ふ……ちゅる……ん……んん……じゅる……ん……」 
「ん……ぷは……くくっ……とろとろなってしもたわ……」 
「……よし……よし……ちゅっ……」 
「……えへ」 
「……ほんま……可愛すぎてどうにかなってまいそうや……ほら……俺の理性が持っとるうちに行くぞ……それともなんや?とろとろすぎて歩けんか?」 
「……ん」 

腕広げて待っとる。はよ抱っこしてー言うみたいに見つめてきよるわ。

「くくっ……人おるとこでも気にせず抱っこか……ほんまに可愛ええな……ちゅっ……待っとき……そっち行く……」 

……バタンッ
……ガチャッ

「……ほら来たで……よっ…と……ふっ……これで満足か?お姫様……ちゅっ…」 
「えへへー」 
「ははっ……ご機謙さんやな……ほら行くぞ……」

 ◇

動物園のチケット売り場。そこは沢山の人で賑わっていた。

「……いらっしゃいませ!何名様でしょうか?」 
「……大人2枚」 
「大人2名様ですね!かしこまりました!合計で…こちらになります!」 
「……これで」 
「はいお預かりします チケットと園内マップです!楽しんできてくださいね!」 
「……どうも」 

「……ほらひな……行くで」 
「ん!」
「くくっ……足パタパタしよって……子供みたいやな……そないに楽しみか……可愛ええやっちゃ」
「おし…行くぞ」

 ◇

動物園内。色んな動物の姿にひなの目がキラキラと輝いとった。

「ほらひな……象やで……でかいなぁ……」 
「ん!」
「くくっ……ええ顔しよるわ……ほんま動物好きやなぁ……」

「……パンダやでひな……なんかあいつひなみたいやな……ふにゃふにゃしとって……」 
「……む」
「なんや……ほっぺた膨らませよって……不満なんか?……俺はひなみたいで可愛ええな思てんけどな……」 
「……ん」
「……くくっ……分かりやすいやっちゃな……照れたんか?……可愛ええな……よし……よし……」 
「……えへ」 
「……ほんま……可愛ええやつや……」

 ◇

「……次はどこ行きたいんや?」 

ひなの視線が一点に釘付けになっとった。

「……ん?……なんや………ソフトクリーム食いたいんか?」 
「ん!」
「くくっ……赤べこみたいに頭振りよって……ええよ……食わせたる……」

 ◇

「……ソフトクリーム1つ」 

そう言うた瞬間ひなの眉が下がったんが分かった。

「……ん?……何やその顔は……俺も食わな不満か?……しゃあないやつやな」 
「……やっぱり2つで」 
「かしこまりました!少々お待ちください!」

「お待たせ致しました!どうぞ!」
「……どうも」 
「……ほら……ちゃんと持っとけよ」 
「ん!」

抱きしめとるひなの手にソフトクリームを持たせる。さっきしょんぼりしよったんが嘘みたいに嬉しそうな顔をしよる。

「くくっ……そない喜ばれたらなんぼでも食わせたなるわ……」
「……あこで食うか」 

 ◇

「……ん……下ろすで」 

俺はベンチの上にひなを下ろそうとした。するとひなの手にギュッと力が込もった。

「……なんや……下りたないんか……ほなこのまま座ろか……よっ…と……」 

俺の膝の上にひなを座らせて後ろから抱きしめる。

俺の腕ん中でちっこい舌でペロペロ食っとる姿が子猫みたいでほんま可愛ええ。

「……うまいか?……ふっ……その顔見たら聞かんでもわかるわ……良かったな」

ひなの頭をポンポンと撫でて自分の分を食う。

「……ん……甘いのそない好きちゃうけど……お前と食うたら…うまいな……」 
「……ん…」
「くくっ……また照れとんか……ほんま可愛ええやっちゃ……」

 ◇

「おし……食ったし行くで」 

膝の上におるひなが売店の方をジーッと見とる。

「ん?……あれ欲しいんか……ええよ……買ったる」 

 ◇

「……ん……よう似合うわ……虎ひなちゃん……可愛ええなぁ……」 
「……ん!」 

ひながもう一つ取って俺の目の前に差し出してきた。

「……は?……なんや……まさか俺につけろ言うとるんか……」 
「ん!」

もちろん!とでも言いたげに首取れそうなくらい激しく頷きよった。

「……うせやろ………はぁ……お前はこうなったらてこでも引かんからな…………しゃあない…ええよ……つけたる……」 
「わーい!」

腕を上げて足をばたつかせとる姿はほんまに子供みたいや。こないに喜ばれたら何でもやってやりたなってまうわ。

「ははっ……今日1番の喜びようやな……そないに俺が虎になるんが嬉しいか……ほんましゃあないやっちゃ……」

 ◇

「いらっしゃいませ!」 
「……これくれ」 
「合計でこちらになります!」 
「……これで」 
「ありがとうございました!」

「……ほらひな……つけたる……ん……可愛ええ虎さんや…………で?……俺を虎さんにすんのやろ?……ほら……はよつけろ……」 

(……ひながつけれるように頭下げたる……はぁ……ほんま敵わんわ……) 

「ん!」 

俺の頭にひなが虎耳を付ける。その瞬間、ひなの表情がパァッと明るなった。

「 京…かわいい!」 
「かわいい?……俺が?」 
「ん!」

ニコニコしながらコクコク激しく頷いとる。

「くくっ……はははっ…!…ほんまおもろいやっちゃな……まぁお前に言われたらなんや……悪い気せんわ」 
「えへへー」
「ふっ……ゆらゆらしよって……ほんま可愛ええやっちゃな……」
「おっしゃ……2人して虎さんになった訳やし……これでほんもんの虎さんに会う準備も万端ってわけや……ほら行くで」 
「ん!」

 ◇

サファリパークのバス内。俺はひなを膝の上に座らせて抱きしめとった。所謂対面座位の状態や。

「さぁあちらに見えるのが虎さんです!白い子もいますよ!」 
「……ほらひな……虎やで」 
「ん!」
「……かわいい……撫でたい……抱っこしたい……」 
「……くくっ……あいつ抱っこしたらお前食われてまうんちゃうか?」

そう言うて頭をポンポンと撫でた瞬間、ひなの目が光り輝いた。

「あ!ここに撫でれる虎さんいたー!えへへー」
「ははっ……ほんもんの虎より俺か……ん……もっと撫でぇ……」

ひなの手に頭を擦り寄せる。すると、ひなの手がピタリと止まった。

「……なんや……手ぇ止まっとるで……やっぱりほんもんの虎のがええんか?」 

俺が眉を下げると、ひながブンブンと激しく首を横に振った。

「ふっ……ほうか……ほんならもっと撫でろ」

スリスリと頭を擦り付ける。ひなが一瞬目を見開いて破顔したんが見えた。俺の頭に置かれたふにふにしたちっこい手が何度も頭の上を往復する感触に目を細めた。

 ◇

「ありがとうございましたー!この後あちらで虎さんの餌やり体験もできますよ!良かったらぜひ!」 

それを聞いた瞬間、腕ん中におるひなが俺の目をジーッと見つめてきた。

「くくっ……わかった……行ったる」 
「わーい!京好きー!」

俺の頬にひなが頬を擦り寄せる。ぷにぷにした愛しい感触に俺は思わず顔が緩んだ。

「ははっ……ほんま可愛ええやっちゃな……俺も好きやで……ひな……ちゅっ……」 
「えへへー……ちゅっ……ちゅっ」 
「ん……ふっ……くすぐったいわ……猫がじゃれてきとるみたいや」 
「……んふふ……ちゅっ」 
「ははっ……ほんまお前は俺をどうしたいねん……ちゅ……ん……ちゅ……」 
「よっしゃ……ほな行こか」

俺はガイドの方へと顔を向けた。

「……それどこでやっとんねん」 
「えっ!?あっはい!あちらを右に曲がったところでやっております!」 
「おおきに……ほらひな行くぞ」 
「ん!」
「ははっ……ええ返事や…」

 ◇

右に曲がった先。聞いた通りそこが会場やった。

「虎の餌やり体験こちらでーす!何名様でしょうか!」 
「……2人や」 
「ではこちらのトングでこのお肉を柵の間に入れてあげてください!」 
「ん……おおきに」 

「ほらひな……持ち……虎さん……くれ言うとるわ……ほらあげぇ……」 
「ん! 虎さん!お肉だよー!」

……ガブッ!……ムシャムシャ

「わ……」
「京!虎さん食べてくれた!」 
「くくっ……良かったな」
「ほらもっとあげぇ」 
「京もあげよーよ!虎さん喜ぶよ!」 
「俺がか?……しゃあないな……やったるわ」

トングで肉を掴んで檻の間に入れる。

「……おら……食え」 

……ガブリ!……ガブガブ

「…!」
「京の手から虎さん食べた!かわいい!」

ひなが自分で食わせた時以上に目を輝かせて足をパタパタさせた。

「ふっ……俺がやった肉虎が食ったんがそない嬉しいか……変わっとうやつやな……ほら次はお前がやれ」 
「ん!」

 ◇

ゲートの前。日が落ち始めてオレンジの光が差しとる。

「……楽しかったか?ひな」  
「うん!楽しかった!虎さんかわいかった!」 
「ふっ……そうか……良かったな」

ポンポンと頭を撫でとると、またひなの視線が一点に集中しとった。 

「ん?なんや……あれ撮りたいんか」 
「ん!」

ひなが目を輝かせて激しく頷く。

「くくっ……ええよ……撮ったる」

 ◇

動物園のパネルの前。カメラマンが記念撮影をしとる。

「いらっしゃいませー!わぁ!2人の虎さん!素敵ですね!ではどうぞあちらに!」 
「……撮んのも抱っこしたまんまがええんか?降りるか?」 

ひなが絶対嫌だと言わんばかりに首を横に振って力強く抱きついてきた。

「ふっ……そうか……抱っこがええか……おっしゃ……わかった……」 
「……いいですねー!いきますよ!はいチーズ!」

パシャッ

「お写真こちらになります!ありがとうございました!」 
「ん……おおきに」

その写真にはひなが俺の腕の中でふにゃりと笑って目を輝かせとる愛しい姿が写っとった。

「……ひな……できたで………くくっ……よう撮れとるわ……可愛ええ……気に入ったか?」 
「ん!」
「ん……そうか……良かったなぁ……」
「えへへー」

頭に置いた俺の手に、ひながスリスリと頭を擦り付けてくる。

「ん……ほんま…可愛ええな……よし……よし……」 
「ん……」

さっきまでの元気な姿はどこへやら。ひなはコクコクと船を漕ぎ始めとった。

「……なんや……電池切れか……ええよ……このまま連れてったるから寝てまえ……」

寝かしつけるようにトントンと背中を叩く。すると、すぐ腕ん中からすぅすぅと寝息が聞こえ始めた。

「……ん……ほんま可愛ええ寝顔や………おやすみ……ひな……ちゅっ……」
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