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第19話 解けない指先と「はじまりの部屋」
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部屋に入ってガチャリと鍵を閉めた瞬間、ひなの目から、抑えきれんもんが溢れた。
「……っ……は……ぅ……あ……」
「……ん……よし……よし……よう言ったな……すごいで……ひな……自分の気持ちよう言えた……えらいで……」
震えるひなの背中を、安心させるように摩る。
「……ぅ……ぅうっ……ひぐっ……ぅえっ……」
「ん……怖かったな……もう大丈夫や……俺とお前だけや……もう誰もおらん……ほら……息……吐け……フゥーーって……フゥーーっ……」
「ふぅーっ……ぅ……ふぅーーっ……う……ぁ……ぅ……」
「ん……よし……よし……ようできたな……ええ子や……」
「……ほら上がろか……靴…脱ごな」
しゃがみこみ、ひなのスニーカーを片足ずつ脱がしたる。
「……ん……脱げた……おし……行こな」
俺は、ひなを抱き上げてリビングに上がった。
「……なんか飲むか?……ほら……いちごミルク……口開けぇ……」
パックにストローを刺してひなの口に当てると、ひながそれをパクリと咥えて、ピンクの甘い液体をチューチュー吸い上げ始めた。
「ん……ええ子や……うまいか?」
飲み込むのを補助するように背中を摩ってやる。しばらくすると、ズズッと音がして、ひながストローから口を離した。
「よっしゃ……よう飲んだな……えらいで……」
ポンポンと頭を撫でる。すると、甘えるようにスリスリと、頭を擦り付けてきた。
「くくっ……ほんま猫みたいやな……可愛ええやっちゃ……」
「ほんならいるもんまとめよか……服と……飾りと……画材と……あとはお前が好きなもんとかな……」
「おっしゃやるで」
「ん!」
◇
数時間後。窓の外はもう暗うなり始めとった。部屋の中には、いくつかのダンボールと荷物がまとまっとる。
「ふぅ……こんなもんか……ほんじゃ運ぶか……ひなはこのちっこい細かいの運べ……ほな行こか……」
◇
……ガチャッ
ドアを開けて廊下に出る。そこにはもう、誰の姿もなかった。
(……おらんな……まぁそらそうか)
「ほらこっち来ぃ……行くぞ……」
◇
数分後。
「おっしゃ……これで全部や……最後鍵閉めぇ……」
「ん……」
ひなが鍵穴に鍵を刺す。ガチャリ、と音がして、鍵が閉まった。
「よし……ほな行こか」
「ん……」
歩き出そうとした時、ひなのちっこい手が、俺の手をギュッと握って、指を絡めてきた。
「くくっ……指絡めてきよって……可愛ええやっちゃ………ひな………好きやで………ちゅっ……」
「ん…………僕も……好き……ちゅっ……」
「ふっ……ほんまに…………ちゅっ……ん……ちゅ……ちゅる……」
誰もいない廊下。俺たちは、外から見えることなんか全く気にせんと、互いの体温を確かめ合うように、深く、唇を重ね続けた。
「……っ……は……ぅ……あ……」
「……ん……よし……よし……よう言ったな……すごいで……ひな……自分の気持ちよう言えた……えらいで……」
震えるひなの背中を、安心させるように摩る。
「……ぅ……ぅうっ……ひぐっ……ぅえっ……」
「ん……怖かったな……もう大丈夫や……俺とお前だけや……もう誰もおらん……ほら……息……吐け……フゥーーって……フゥーーっ……」
「ふぅーっ……ぅ……ふぅーーっ……う……ぁ……ぅ……」
「ん……よし……よし……ようできたな……ええ子や……」
「……ほら上がろか……靴…脱ごな」
しゃがみこみ、ひなのスニーカーを片足ずつ脱がしたる。
「……ん……脱げた……おし……行こな」
俺は、ひなを抱き上げてリビングに上がった。
「……なんか飲むか?……ほら……いちごミルク……口開けぇ……」
パックにストローを刺してひなの口に当てると、ひながそれをパクリと咥えて、ピンクの甘い液体をチューチュー吸い上げ始めた。
「ん……ええ子や……うまいか?」
飲み込むのを補助するように背中を摩ってやる。しばらくすると、ズズッと音がして、ひながストローから口を離した。
「よっしゃ……よう飲んだな……えらいで……」
ポンポンと頭を撫でる。すると、甘えるようにスリスリと、頭を擦り付けてきた。
「くくっ……ほんま猫みたいやな……可愛ええやっちゃ……」
「ほんならいるもんまとめよか……服と……飾りと……画材と……あとはお前が好きなもんとかな……」
「おっしゃやるで」
「ん!」
◇
数時間後。窓の外はもう暗うなり始めとった。部屋の中には、いくつかのダンボールと荷物がまとまっとる。
「ふぅ……こんなもんか……ほんじゃ運ぶか……ひなはこのちっこい細かいの運べ……ほな行こか……」
◇
……ガチャッ
ドアを開けて廊下に出る。そこにはもう、誰の姿もなかった。
(……おらんな……まぁそらそうか)
「ほらこっち来ぃ……行くぞ……」
◇
数分後。
「おっしゃ……これで全部や……最後鍵閉めぇ……」
「ん……」
ひなが鍵穴に鍵を刺す。ガチャリ、と音がして、鍵が閉まった。
「よし……ほな行こか」
「ん……」
歩き出そうとした時、ひなのちっこい手が、俺の手をギュッと握って、指を絡めてきた。
「くくっ……指絡めてきよって……可愛ええやっちゃ………ひな………好きやで………ちゅっ……」
「ん…………僕も……好き……ちゅっ……」
「ふっ……ほんまに…………ちゅっ……ん……ちゅ……ちゅる……」
誰もいない廊下。俺たちは、外から見えることなんか全く気にせんと、互いの体温を確かめ合うように、深く、唇を重ね続けた。
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