1 / 6
1話
しおりを挟む「ノーブル様、冗談でしょう……? 婚約破棄なんて……」
「冗談なわけがあるか、エリス。お前は身分が私よりも低いくせに身持ちが固い。そんなお前に辟易していたんだ。早く私の物になればいいものを……」
伯爵であるノーブルと婚約をして1カ月。たったこれだけの期間で彼の性格がわかってしまった。外面はとてもいい人だけれど内面は違う。ここまで違う人はめずらしいくらいだ。
私のことを子爵令嬢だと馬鹿にして自らが伯爵家の当主になったことを自慢している。年齢は私と同じ19歳だけれど。父親が病気になったのでその代わりとしての務めが早まったのだった。それと同時に結婚が完了しているわけではないのに、身体の関係を迫って来ていた。私は断っていたけれど、まさかこんな事態になるなんて……。
「そんなわけでお前とは婚約破棄だ。ああ、慰謝料なんてものは支払わないからな。身体の関係を拒否したお前が悪いんだ」
「別に身体の関係を拒否しているわけでは……」
時が来れば身体の関係にはなる。それはわかっているはずなのに、ノーブルは我慢できないらしい。まったく……どこまで子供なのかしら?
「うるさい! お前となんか結婚してやるものか! すぐに私の屋敷から出て行け!」
「ノーブル様……」
その後のノーブルは完全にわがままな子供に成り下がっていた。私とは婚約破棄だと言って全く聞く耳をもってくれない。最低限の荷物だけを纏めて私は彼の屋敷から追い出された……。これからどうすればいいんだろうか。
--------------------------------
「お父様やお母様になんて言えばいいんだろう……」
私は自分の屋敷に帰ることも出来ずにいた。子爵令嬢が伯爵様と一緒になれた。それを喜んでくれた両親の顔。それを忘れられずにいたからだ。どれだけ失望されるかわかったものじゃない。私の身持ちが固すぎるばかりに……もっと早くノーブルに身体を許していればこんなことにはならなかっただろうか?
「でも、あのノーブルの性格だったら、他の些細なことでも婚約破棄だと言いそうよね」
例え身体の問題が解決されたとしても、他の問題で彼とは衝突していただろう。結婚生活がうまく行くとはとても思えなかった。そう考えればここで婚約破棄になったのは良かったと言えるだろうか?
「本当にこれからどうしよう」
私は教会内で祈りを捧げながら考えていた。すると後ろから人影が──。
「エリスか? もしかして……」
「えっ?」
突然、声を掛けられた私はその人影に向かって視線をむけた。そこには……間違いない。幼馴染の姿があったのだ。
3
あなたにおすすめの小説
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
「10歳の頃の想いなど熱病と同じ」と婚約者は言いました──さようなら【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王太子フリードリヒの婚約者として、幼い頃から王妃教育を受けてきたアメリア・エレファウント公爵令嬢。
誰もが羨む未来を約束された彼女の世界は、ある日突然1人の少女の登場によって揺らぎ始める。
無邪気な笑顔で距離を(意図的に)間違える編入生ベルティーユは、男爵の庶子で平民出身。
ベルティーユに出会ってから、悪い方へ変わっていくフリードリヒ。
「ベルが可哀想だろ」「たかがダンスくらい」と話が通じない。
アメリアの積み上げてきた7年の努力と誇りが崩れていく。
そしてフリードリヒを見限り、婚約解消を口にするが話は進まず、学園の卒業パーティーで断罪されてしまう……?!
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています
ある愚かな婚約破棄の結末
オレンジ方解石
恋愛
セドリック王子から婚約破棄を宣言されたアデライド。
王子の愚かさに頭を抱えるが、周囲は一斉に「アデライドが悪い」と王子の味方をして…………。
※一応ジャンルを『恋愛』に設定してありますが、甘さ控えめです。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる