幼馴染が好きなら婚約破棄してください

マルローネ

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6話

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「デネブ殿……どういうことだ? 私の言ったことの意味がわかっていないのか?」

「いえいえ、王子殿下。私もそこまで馬鹿ではありませんよ。伊達に伯爵ではないのでね」

「……」


 デネブはやはり余裕の表情だった。シュルト王子が質問しているのに、全く答える気配もない。


「王子殿下……あなたは王子という肩書きを勘違いしているのではありませんか?」

「どういうことだ?」

「大方、王子殿下はアリーナのことが好きなのでしょう。まあ、その辺りはどうでもいいので、勝手によろしくやっていてください。私が言いたいのは、王子殿下の言葉に伯爵は賛同しない、ということです」


 やっぱりそういうことだったか。デネブは自分の方が高い権力を持っていると言いたいのだ。これでは……。


「王子殿下はなにも権力を振りかざす力はない。ですので、私が従う必要もないということです」


 デネブの言っていることは正しいけれど、1つだけ誤算があった。それは……


「では、私の言葉を聞いてもらおうか」

「えっ……? まさか……国王陛下!?」


 シュルトはそんなこと分かり切っているということだ。
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