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24話 ミストマはこうして断罪される
しおりを挟む「ミストマ様の土下座には1ミリの価値もありません。申し訳ございませんが、立っていただけますか?」
「そんな……! コーデリア、一体、どういうつもりだ!? お前に一体、何の権限があって!」
ミストマ様はパニックになっているのか、叫んでいた。私が彼を断罪する権限は確かにないけれど、シムルグ様とアーシャ様の代弁を行う権利くらいはあるはずだ。私はミストマ様に理不尽な婚約破棄をされた身なのだから。
「私には直接、ミストマ様を断罪する権利はないですね。ですが、ミストマ様が行った罪から、どういう罰が下るのかは想像ができます」
「ぬっ……コーデリア……!」
「コーデリアの言う通りだ、ミストマ殿。お前は部下のマイクを使って、王家に対して嘘の報告をした。それを最初は隠そうとした罪もプラスすると、土下座くらいでは何も変わらないな」
「シムルグ様……ご慈悲を! どうかご慈悲を与えてください!」
ミストマ様は土下座でも私達を懐柔することは無理だと判断したみたいね。そこでさらに作戦変更をしているようだった。泣き落とし作戦……?
「どうかお願い致します! お許しを……! マイクについても私が何かをすることは、決してございませんので!」
「ふう、ミストマ殿……」
「は、はい! なんでしょうか?」
溜息を吐きながら、シムルグ様は話していた。空気の読めないミストマ様は元気に返事をしている。まさか、許されたと思ったわけじゃないわよね?
「マイクに何もしないと言うのは当然のことだ。マイクやその家族に手を出そうものなら、さらに罪が重くなるだけだからな」
「そ、それはもう……!」
「それに、マイクも一定の罪を背負うことになってしまうしな」
「は、はい……心得ております」
マイクさんは覚悟を決めていたのか、シムルグ様に反論をすることはなかった。彼の方がよっぽど公爵らしいかもしれない。土下座をしまくっているミストマ様はとても公爵様には見えないわ。
「これ以上話しても意味がないな。ミストマ殿を連行しろ」
「畏まりました、王子殿下!」
「ちょ、ちょっと待ってください! コーデリア、助けてくれ……慈悲を!!」
シムルグ様の護衛に捕らえられる中、ミストマ様は最後まで暴れていた。慈悲が欲しいと子供のように叫んで……。
ミストマ様の今後が見物になるわね。王家に対して嘘の報告書を提出し、それを隠していた罪はどのくらいになるのかしら?
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