婚約破棄されたけど、どうやら私は隣国の最強国家の王家の血筋だったようです

マルローネ

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4話 現れた人々 その2

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「よ、ようこそいらっしゃいました……! あの、私はその……!」

「セルフィ・リンシャンテ様でございますね? ご無沙汰しております」

「は、はい……ええとその……」


 グラボイド王国の王子様に間違いはないと思うけれど、私は極度の緊張から名前を思い出せずにいた。ええと、なんて名前だったかしら……。

「私の名前はアイル・グラボイドと申します。グラボイド王国の第一王子になります」

「あ、アイル王子殿下……ご無沙汰しております!」


 そうだった、アイル王子殿下だった。しかも第一王子殿下なんて……想像以上に地位の高いお方だ。しかも、宗主国の国家になるのだし……。

 お父様達が不在の今、私が誠心誠意対応しなければならない。間違いは許されないのだから。

「ふむ、その様子ですとまだお聞きしていないようですね」

「えっ……? どういうことでしょうか?」

 アイル様の言葉の意味が理解できなかった。どういう意味かしら?

「あ、いえいえ。それは後程説明いたします。エンリケ殿とサーシャ殿はご不在ですか?」

「は、はい。父と母は現在は不在でございますが……」

「なるほど、どうやら入れ違いになってしまったようですね。現在はどうでしょう? 中で待たせていただくことは可能でしょうか?」


 とても丁寧な話し方に私は恐縮してしまった。宗主国の方々はもう少し偉そうな印象があったから。事実、前のパーティで見た貴族の方は敬語を使っていなかったし。第一王子様の言葉遣いはそれとは比べ物にならない。むしろ、そんな風に話して貰っていることが失礼になるのでは、と感じてしまう程だった。


「は、はい! もちろんです! 応接室にご案内いたします!」

「ふふ、ありがとうございます。……意外とお転婆になっているな」

「何かおっしゃいましたでしょうか!?」

「いえいえ、なんでもありませんよ。それではご案内いただけますか?」


 私は完全にテンパっていたけれど、とにかくアイル様を中にご案内するだけで精一杯だった。応接室はすぐ側なのに果てしなく長い道のりに感じてしまう……。


 早くお父様とお母様には帰って来て貰いたかった。
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