8 / 9
8話
しおりを挟む
ドロワット侯爵に挨拶をしている人達……あれはウィル・スモーク侯爵とリノア・ハーテル公爵令嬢だった。
「ウィル様……まさか、こんなところで見ることになるとは……」
「隣にいるのはリノア・ハーテル公爵令嬢か。あの二人が一緒にいるということは、そういうことなのだろうな」
ウィル様の浮気相手ということになるのだろうか。私も侯爵令嬢だけれど、相手はさらに上のお方だ。単純に見た目以外に地位で選んだのかしらね。
「許せないか、シルメリア?」
「いえ、もうどうでもいいです。ウィル様に対してエネルギーを使うだけ、勿体ないと思いますので……」
「うむ、そうか。そういう気持ちは重要だと思うぞ。特に気分を変える上でな」
ウィル様とリノア様か……ここに立っていたら、彼らと鉢合わせになりそうね。どうしようかしら……。
「とりあえず、会場の端に移動しようか。このままでは目線が合ってしまうかもしれないからな」
「ありがとうございます。それでは行きましょう」
「ああ」
---------------------------
「やれやれ、シルメリアとしては会いたくない人物と対面する可能性が出て来たわけだな」
「そうですね……まあ、ドロワット侯爵の誕生日パーティーですので、ウィル様が来ていても不思議ではないんですが」
「まあ、確かにそうだな」
どうしようか。バルト様と楽しく食事をしていたのに……どうしたらいいのかしら。この端にいれば会わなくて済むかもしれないけれど。ドロワット侯爵には挨拶に行かないといけないし……溜息が出て来るわね。ウィル様とリノア様はすぐに帰ってくれるといいんだけれど。
「ふむ……ウィル殿にリノア嬢か。なるほど、なかなか上位の人達だな。ドロワット侯爵と会うのはお互いの関係強化といったところだろうか」
「そうでしょうね。ウィル様は浮気で私を捨てたのに……呑気なことです」
ドロワット侯爵と楽しそうに会話しているウィル様が許せなかった。私はこんなに悲しんだのに自分は……リノア様を手に入れている。気になるのはリノア様があんまり興味なさそうだけれど。
「恨んでいるか、ウィル殿を」
「そうですね。少し……」
「そうか。では、あの二人の元へ行くとしよう」
「えっ?」
バルト様の言われたことの意味が分からなかった。でも、バルト様は理解する前の私の腕を手に取ると……そのまま、ウィル様とリノア様のところに歩いて行った。ええっ!? まだ心の準備が出来ていないんだけれど……バルト様は本気の様子だ。
「ウィル様……まさか、こんなところで見ることになるとは……」
「隣にいるのはリノア・ハーテル公爵令嬢か。あの二人が一緒にいるということは、そういうことなのだろうな」
ウィル様の浮気相手ということになるのだろうか。私も侯爵令嬢だけれど、相手はさらに上のお方だ。単純に見た目以外に地位で選んだのかしらね。
「許せないか、シルメリア?」
「いえ、もうどうでもいいです。ウィル様に対してエネルギーを使うだけ、勿体ないと思いますので……」
「うむ、そうか。そういう気持ちは重要だと思うぞ。特に気分を変える上でな」
ウィル様とリノア様か……ここに立っていたら、彼らと鉢合わせになりそうね。どうしようかしら……。
「とりあえず、会場の端に移動しようか。このままでは目線が合ってしまうかもしれないからな」
「ありがとうございます。それでは行きましょう」
「ああ」
---------------------------
「やれやれ、シルメリアとしては会いたくない人物と対面する可能性が出て来たわけだな」
「そうですね……まあ、ドロワット侯爵の誕生日パーティーですので、ウィル様が来ていても不思議ではないんですが」
「まあ、確かにそうだな」
どうしようか。バルト様と楽しく食事をしていたのに……どうしたらいいのかしら。この端にいれば会わなくて済むかもしれないけれど。ドロワット侯爵には挨拶に行かないといけないし……溜息が出て来るわね。ウィル様とリノア様はすぐに帰ってくれるといいんだけれど。
「ふむ……ウィル殿にリノア嬢か。なるほど、なかなか上位の人達だな。ドロワット侯爵と会うのはお互いの関係強化といったところだろうか」
「そうでしょうね。ウィル様は浮気で私を捨てたのに……呑気なことです」
ドロワット侯爵と楽しそうに会話しているウィル様が許せなかった。私はこんなに悲しんだのに自分は……リノア様を手に入れている。気になるのはリノア様があんまり興味なさそうだけれど。
「恨んでいるか、ウィル殿を」
「そうですね。少し……」
「そうか。では、あの二人の元へ行くとしよう」
「えっ?」
バルト様の言われたことの意味が分からなかった。でも、バルト様は理解する前の私の腕を手に取ると……そのまま、ウィル様とリノア様のところに歩いて行った。ええっ!? まだ心の準備が出来ていないんだけれど……バルト様は本気の様子だ。
0
あなたにおすすめの小説
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
完結 冗談で済ますつもりでしょうが、そうはいきません。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の幼馴染はいつもわがまま放題。それを放置する。
結婚式でもやらかして私の挙式はメチャクチャに
「ほんの冗談さ」と王子は軽くあしらうが、そこに一人の男性が現れて……
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる