公爵閣下と仲良くなっているので邪魔しないでくださいね

マルローネ

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8話

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 ドロワット侯爵に挨拶をしている人達……あれはウィル・スモーク侯爵とリノア・ハーテル公爵令嬢だった。

「ウィル様……まさか、こんなところで見ることになるとは……」

「隣にいるのはリノア・ハーテル公爵令嬢か。あの二人が一緒にいるということは、そういうことなのだろうな」


 ウィル様の浮気相手ということになるのだろうか。私も侯爵令嬢だけれど、相手はさらに上のお方だ。単純に見た目以外に地位で選んだのかしらね。

「許せないか、シルメリア?」

「いえ、もうどうでもいいです。ウィル様に対してエネルギーを使うだけ、勿体ないと思いますので……」

「うむ、そうか。そういう気持ちは重要だと思うぞ。特に気分を変える上でな」


 ウィル様とリノア様か……ここに立っていたら、彼らと鉢合わせになりそうね。どうしようかしら……。


「とりあえず、会場の端に移動しようか。このままでは目線が合ってしまうかもしれないからな」

「ありがとうございます。それでは行きましょう」

「ああ」


---------------------------


「やれやれ、シルメリアとしては会いたくない人物と対面する可能性が出て来たわけだな」

「そうですね……まあ、ドロワット侯爵の誕生日パーティーですので、ウィル様が来ていても不思議ではないんですが」

「まあ、確かにそうだな」


 どうしようか。バルト様と楽しく食事をしていたのに……どうしたらいいのかしら。この端にいれば会わなくて済むかもしれないけれど。ドロワット侯爵には挨拶に行かないといけないし……溜息が出て来るわね。ウィル様とリノア様はすぐに帰ってくれるといいんだけれど。

「ふむ……ウィル殿にリノア嬢か。なるほど、なかなか上位の人達だな。ドロワット侯爵と会うのはお互いの関係強化といったところだろうか」

「そうでしょうね。ウィル様は浮気で私を捨てたのに……呑気なことです」


 ドロワット侯爵と楽しそうに会話しているウィル様が許せなかった。私はこんなに悲しんだのに自分は……リノア様を手に入れている。気になるのはリノア様があんまり興味なさそうだけれど。


「恨んでいるか、ウィル殿を」

「そうですね。少し……」

「そうか。では、あの二人の元へ行くとしよう」

「えっ?」


 バルト様の言われたことの意味が分からなかった。でも、バルト様は理解する前の私の腕を手に取ると……そのまま、ウィル様とリノア様のところに歩いて行った。ええっ!? まだ心の準備が出来ていないんだけれど……バルト様は本気の様子だ。
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