攻撃力と防御力共に最強クラスになっているので、パートナーと一緒に無双します!

マルローネ

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70話 方針

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「なあ、サキア」
「なんでしょう、マスター?」
「離れてくれない? 重くはないけど、照れる」

 春人は酒場での会話を一旦終えて、解散という形を取っていた。危険な状況は脱していないが、とりあえず夜も更けているのでお開きとなったのだ。春人は自室に戻っていた。隣ではサキアが明らかに誘惑しており、春人に抱き着き、なにかされることを待ち望んでいる。

「本日もなにもしてくださらないんですか?」
「サキアになにかするわけないだろ?」

 春人は相当に自制心を抑えていることは隠し、彼女の頭を撫でた。サキアも気持ちよさそうに春人を受け入れる。

 サキアはどんなことでも喜んで受け入れるだろうということは春人にも理解できていた。人間ではない為に、身体への負担も皆無だろう。しかし、春人の快楽を満足させるように苦痛に満ちた表情などは表現できる。

 正直な話、彼女の可愛さも相まって、徐々に行けない方向に進みかけている春人ではあったのだ。今は、エミルの冷たい視線が防波堤になっている。その為、サキアのこういった抱き着き行為は非常に困るのだが、その行為を拒否できるほど春人は無情ではない。

「結局、美由紀は2階の最後の1つの部屋に入ることになりましたね」
「そうだね、不満かい?」
「いえ、私もその方が良いと思います」

 意外にもサキアの言葉は素直なものだった。春人の印象としては、彼女は最近は春人の言葉に逆らう傾向があった。というのも、後にお仕置きをされるための前振りで……だが、春人はお仕置きをしないために、その辺りは堂々巡りだ。

「しかし、ちょっと前は独立の話があって……アルゼルの件、ゴイシュの件、鉄巨人の件と来て……とうとう親衛隊か」
「はい、しかし心配しても仕方がありません。静観というのも必要になるでしょうし」
「ああ、ところでみんなは風呂だっけ?」

 春人の期待に膨らむ言葉……サキアの表情はむくれる。

「マスター、覗きは行けませんよ」
「しないって」

 春人は即答したが、むくれたサキアはそのまま春人に抱き着いたままだった。


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「まさか、こちらに来て、すぐに温泉に入れるなんて思わなかったわ」
「バーモンドさんの酒場の裏は温泉だしね。露天風呂~~!」

 軽く身体を流した美由紀とアメリアはそのまま露天風呂に入った。特に男女の時間が決まっているというわけではないので、入り口のところに立札が置かれる仕組みだ。

「さ、さきほどのお話から一変している気が……いいんでしょうか、こんなにくつろいでて」

 遅れて湯につかるのはエミルだ。お風呂に入れることによる幸福感に満ちている印象だった。しかし、親衛隊の話……完全に理解するには至っていないが、アーカーシャの街に脅威が迫っている可能性を示唆されて、内心は穏やかではなかった。


 最近の出来事でも、グリフォン襲撃、鉄巨人襲撃と重なっている為だ。

「エミルさま、今は何事も起こっていない。まずはそれを喜びましょう」
「レナさん……わかりました」

 そして、最後に湯に入るのは、最も日焼けをした長身のレナだった。胸の大きさでは美由紀に負けているが、総合的な身体のラインはこの中でもトップと言えるかもしれない。


「つーか、何自分の身体を誇示するかのように入ってんのよ。さっさとつかりなさいよ」
「うふふ、レナ。そんなにヤキモチ妬かなくてもよろしいのでは?」

 娼館の綺麗な女性と比較しても、むしろ勝っているレベルのアメリアであるが、年上のレナに身体で負けていることを自覚しているのか自分の身体と彼女の身体を見比べて悔しそうにしている。

 アメリアも胸はかなり大きく形も完璧だ。まさに庶民が聞けば石を投げるレベルの贅沢な会話と言えるだろう。

「身体なんてどうでもいいと思うけれど……」
「美由紀も凄いわね……胸とか。春人のスケベ」

 高校の時に90センチ以上あると言われていた美由紀のバスト。水泳の時間などはなんとかその姿を見ようとした男達も居たほどだ。彼女のそんな胸にはエミルも羨ましそうにしている。

「うふふ、楽しいですわね。みなさんとこうして一緒にお風呂に入るのは」
「まあ、そりゃね。あんまりゆっくりできる状況でもないのは確かだけど……でも、お風呂くらいゆっくりしたいじゃない」

 みんな、一定の幸福感を満喫しているが、やはり内心は穏やかとは行かない。真っ先に話し出したのは美由紀だ。

「メドゥ……彼女の仲間の方々が気がかりね……」

 一番最初に彼女を助けただけあって、美由紀はメドゥを最も心配していた。常人ではまともに動けなくなるほどの大怪我だったのだ。それが、完治するらしいことに美由紀も驚いていたが、メドゥの仲間については詳細がわかっていないだけに非常に心配になっている。


「ヘカーテ……親衛隊のボスでレベル1200の破格の化け物。そんな奴に襲われたのよ。仲間は3人居たけど、全員死んだでしょうね」
「アメリアさん……そんな言葉……」
「私は何人も冒険者の死体を見て来たわ。弔いはしたけど、別に回収とかはしなかったし。年間何人の冒険者が死んでるか知ってる?」

 エミルは淡々としているアメリアを叱責しようと試みたが、すぐに言葉を失くす。冒険者とは毎日が命がけなのだ。春人たちと居ることが当たり前だった為、その現実を忘れつつあったエミルであった。

「あなたの言い分はわかったけれど、それではなにもしないの?」

 美由紀が今度は口を開いた。アメリアも彼女に向き直る。

「どの道、アクアエルス遺跡とオルランド遺跡……最深部がどうなっているのかを確かめに行かないとね」
「そうですわね、それは必須事項ですわ。わたくしもご一緒いたします」

 アメリアは隠しエリアがどのようになっているか、その調査を前向きに考えていた。レナも同伴の意志を示す。彼らとて冒険者……真実は自らの目で判断することが求められているのだ。


「んじゃ、私と春人、レナで明日にでも遺跡に向かいましょ」

 急遽、決まった方針。レナも頷き承諾をした。街には現在は「ブラッドインパルス」も滞在している。街の警護は万全と言えるだろう。メドゥの仲間たちの調査も含め、アメリアは最善と思われる案を提示したのだった。
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