攻撃力と防御力共に最強クラスになっているので、パートナーと一緒に無双します!

マルローネ

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106話 作戦会議 その3

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「マシュマト王国のアルカディア島への進軍は比較的有名なはずだが、高宮春人ほどの人間が知らないのは意外だな」

 ディランは春人の功績などを考慮しての発言だ。特に馬鹿にしているわけではなく、単純に驚いているといった感情が強い。それは、リグドやニルヴァーナも同じであった。

「ふふふ、そんな美人な者たちを引き連れる人間だが、意外と人生経験は豊富ではないというオチかな? まあ17歳で経験豊富というのも変ではあるが」

 リグドの言葉には皮肉も混ざっていた。春人のメンバーは彼以外には女性しかいない。しかもサキアを含めて、全てが美人だ。男であれば、ハーレム状態について、小一時間説教をしたくなる羨ましい状態であったのだ。

「俺の経験が大したことがないというのは事実ですけど……周囲が女性だけというのは偶々で……」

 春人としては本気の発言だ。別にビーストテイマーの二人を手籠めにしている事実もない。しかし、ディランやリグドには通用しなかった。


「モテる男ってのは必ずそう言うからな。お前はキープしてるから、余計に質が悪いな」
「全くだ。実力的に周囲から惚れられるのはわからないでもないが……また、世の中は愛人を作っている者も多いが……だが、許されることではないね」

 二人は意外に純情なようだ。彼らは愛人の存在については否定的であった。現代日本人のような感覚と言えるだろう。


「まあ、春人が女たらしなのは事実だけど。今はアルカディア島のことでしょ? そっちの話に戻さない?」

 アメリアの言葉は春人に対するフォローだ。棘も混ざってはいたが。リグドたちも彼女の言葉に頷いた。

「アメリア……女たらしって……そんなつもりじゃ」
「なによ、女たらしでしょ、スケベ春人。まあ、今回はそんな世間知らず君に教えてあげる」

 アメリアは自信満々な表情で春人の顔を見据えた。春人としても苦虫を噛み潰した表情になっている。何を言っても突っ込まれると予想したからだ。事実、彼自身も自覚している部分もあり、強くは出られないのだ。

「どうでもいいけど。アルカディア島なら、数か月後には調査船が出る予定だよ。冒険者の参加も募集しているくらいだからね」

 関係ない話には興味がないのか、ニルヴァーナはぶっきらぼうに話し出した。その言葉に春人やアメリアの表情は変化する。ニルヴァーナの言葉、特に冒険者を募集しているところに反応したのだ。

「冒険者を、募集している……」
「少し興味深いわね」

 最強の冒険者と名高い二人だ。新天地への調査という言葉にも反応している様子であった。彼らほどの実力者であれば、未開の地への挑戦とは恐怖以上に楽しみが勝るのだ。オルランド遺跡の攻略と近いものがある。



「まあ、そっちはしばらく保留ね。現在の依頼をどうにかしないとダメだし」
「俺としてはどういう風に理解したらいいのかな?」
「マシュマト王国が東の海岸から戦艦でアルカディア島を目指していることだけ分かれば十分でしょ。数年前から進められてるはずよ」
「そうなんだ」

 春人としては意味がわからないことが多かったが、数年前であれば、自らが飛ばされる前の話になる。理解することの方が困難ということだ。それだけ前から計画があったのなら、アメリア達なら知っていても自然ということになる。


「とにかく、あんたらがアルトクリファ神聖国に向かって、その間は私たちが、この村で闇の軍勢がやって来ないかどうかの監視になりそうだね」

 ニルヴァーナの発言に、周囲の者たちも同意したのか頷いていた。マシュマト王国に軍隊に出動を依頼するにしても、この村での守りは必要になるということだ。

 その後は、誰がこの村に残るのか、そしてマシュマト王国に協力の要請をするのは誰かが話し合われた。



「それでは、わたくしとルナがこの村に残りますわ」
「私も残る要因だね」

 しばらくの話し合いの結果、最も効率的な人選がなされたのだ。ビーストテイマーの二人とナラクノハナのニルヴァーナが、オードリーの村に残ることで調整は行われ、春人とアメリアは神聖国へ向かう。そして、マシュマト王国への協力要請はリグドとディランの二人が行うことになった。

「闇の軍勢の戦力が想像以上だからね。レッドドラゴンとは比べられない程に大きい。実力的には、これが一番いいだろう」
「仕方ねぇな」



 リグドとディランの二人は、満足していたわけではないが、自らの力が及んでいないことも承知している。快く、マシュマト王国に出向くことを了承したのだ。

「じゃあ、なるべく早く戻ってくるから。留守番、お願いね」
「ええ。アメリアも春人様と盛り上がらないようにお願いいたしますわね」
「な、なに言ってんのよ……!」

 レナの冗談の一言にアメリアは顔を赤くする。春人も聞こえていた為に意識してしまう。なんとも微妙な空気が流れていた。サキアも居るとはいえ、二人で神聖国まで行くことになるのだ。そういう事態になっても不思議ではない。

「マスター、私がしっかりと監視していることはお忘れなきように」
「うう、べ、別になにかするなんて考えてないって……!」
「春人? それはそれで微妙なんだけど?」
「ええ? アメリアまで……!」

 その後、春人はしばらくの間、サキアとアメリアに別の意味合いで睨まれることになってしまった。闇の軍勢の件とは別に、春人の今後は心配すべき事象であった……。
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