婚約破棄を迫られました。私は利用されただけのようです。

マルローネ

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4話

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「河川事業の件だが、私はシルマの夫になる人物となら共同でやっていきたいと言ったのだ」

「共同でございますか?」

「うむ」


 お父様ことアレクから出てきた言葉だった。共同経営と譲ってしまうのとでは随分違う気がするけれど……。

 どういうことかしら。

「私は決してルギス様に譲ったわけではない」

「お父様……!」

 私はその言葉を聞きたかった。お父様がこう言うんだからまちがいないわ! 良かった……領民のことを第一に考えているお父様は生きているのね。

「でも、共同事業ではルギス様の物にはならないはずです。彼は一体、何を考えているのでしょうか」

「確かにそうだな。不気味だ……婚約破棄までしたということは相応の対処をしたということだろう。調べてみる必要があるな」

「そうですね、お父様」

 お父様が変わっていないようで安心したけれど、不気味な雰囲気は晴れなかった。何かが起きようとしているんだわ……。
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