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6話
しおりを挟む「何の用だ、アレク。それからシルマも……」
私とお父様は護衛を引き連れてルギス様の屋敷を訪れた。河川事業の件と婚約破棄の件で話し合う為だ。
「何の用事かは既に分かっているでしょう? ルギス様」
「まあ、確かにそうだな。それで? なにが言いたいんだ?」
「単刀直入に言います。河川事業から撤退してください。あの事業をあなたに任せるわけにはいかない」
「おや? それだけか? シルマとの婚約破棄の件はいいのか?」
ルギス様は悪びれる様子がなかった。完全に私を見下しているようだけれど。
「そっちの件は構いませんよ。あなたのような人物に大切な娘はやれないと分かりましたので」
「おやおや、随分な言われようだな」
「その代わり、慰謝料はきっちりいただきますがね。それと、河川事業に携わるのもやめてもらいます」
お父様ははっきりとそう言った。
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