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9話 カルロス達との会話 その2
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「リディア嬢……今のフローラの態度をどう思う?」
「そうですわね……少し冷たいように感じられますわ」
「やはりそうか……リディア嬢もそう思うか」
「ええ、最近まで愛し合っていた仲なのですから、婚約解消をしたからと言って、冷たすぎるのではないかと思います」
私はなんて答えれば良いのか分からなくなっていた。シングマ侯爵令息とリディア様は二人で会話をしているけれど、その内容があまりにも変だったからだ。
「もしかすると、フローラ嬢には常識という言葉が欠如しているのかもしれませんわね」
「いや、それは言い過ぎだリディア嬢。私はフローラのことを信じたいと思っているよ」
「これは申し訳ありませんでした」
「いや、分かってくれれば問題ないのだ」
なんだか良い話をしているように思えるけれど、内容的にはまったくのお門違い……常識がないのはどちらなのかを、小一時間、問い質したいレベルであった。そもそもの問題として、シングマ侯爵令息に他人行儀に接した私が、どうして責められないといけないのか分からなかった。
婚約解消をして他人になることを提案したのは、シングマ侯爵令息なのだから。最初はとても悲しかったけれど、お互いがより良き未来に進む為に私がそれを了承したに過ぎない。シングマ侯爵令息は、私が他人のように接することを望んでいたかと思っていたけれど、先ほどの会話を見ている限り、そうではないらしい。
「シングマ侯爵令息……あなた様は一体、何を望んでいらっしゃるのですか?」
「何を望んでいるか、だと? 質問の意図がよく分からないな」
「私達はお互いに違う未来を進む決断を下したはずです。私はそれを忠実に守ったつもりです。それを今さらになって、他人行儀だと言われても困るのですが……」
「フローラ違うだろう? 私と君は身体の関係こそなかったが、愛し合っていたはずだ。それとも婚約をしていた時の思い出は嘘だったのかい?」
「いえ、嘘ということはありませんが……」
どんどん恥ずかしい話になっているような気がした。グランが真横で聞いているのだし、制止したい気分だ。シングマ侯爵令息への想いは、完全に絶ち切っているはずだけれど、それでもグランに疑われるのは嫌だったからだ。
「嘘ではないと言うならば、私のことをもっと気に掛けるべきだろう? 君はどうしてそんなに簡単に割り切っているんだ?」
「い、いえ……そんな簡単に割り切ってなんて……」
婚約解消の後、私がどんな気持ちで過ごしていたのか……おそらくシングマ侯爵令息は分かっていない。今のシングマ侯爵令息に理解出来るのだろうか、と言われても疑問が残る程だ。
今の彼の考え方は明らかに変だったから……。
「失礼ながらよろしいでしょうか? カルロス殿」
「ん? どうかなさいましたかな、グラン殿?」
そんな時、口を開いたのはグランだった。シングマ侯爵令息もそちらに顔を向けている。
「細かい話はとりあえず置いておいて、カルロス殿とフローラは婚約解消をしている。これに間違いはありませんね?」
「ん、それは確かに間違いはないが……それがどうかしたのですか?」
「私はフローラの幼馴染であり、婚約の話が出ている身でもなります」
「な、なに……婚約……?」
シングマ侯爵令息はとても驚いた表情をしていたけれど、さらに驚いたのは私だ。えっ? そんな話あったっけ……?
「事情はどうであれ、あなたはフローラに固執しているように思える。申し訳ないが、私の愛する幼馴染のフローラをそういう目で見るのは止めていただけますか?」
「な、何を言っているのですかな? グラン殿。フローラは最近まで、私との愛を約束していたのですよ? こんなことが許されるはずがない……」
「しかし、あなたは隣にいらっしゃる隣国のご令嬢と婚約することを選ばれた。これは紛れもない事実のはずだ」
「……」
ええと……私は何をしたら良いのだろうか? 単に話の展開を見守っていればいいの……? 全く読めない展開だ。グランの言葉が本当ならば嬉しいはずなんだけれど、素直に喜ぶのも違う気がしていた……。
「そうですわね……少し冷たいように感じられますわ」
「やはりそうか……リディア嬢もそう思うか」
「ええ、最近まで愛し合っていた仲なのですから、婚約解消をしたからと言って、冷たすぎるのではないかと思います」
私はなんて答えれば良いのか分からなくなっていた。シングマ侯爵令息とリディア様は二人で会話をしているけれど、その内容があまりにも変だったからだ。
「もしかすると、フローラ嬢には常識という言葉が欠如しているのかもしれませんわね」
「いや、それは言い過ぎだリディア嬢。私はフローラのことを信じたいと思っているよ」
「これは申し訳ありませんでした」
「いや、分かってくれれば問題ないのだ」
なんだか良い話をしているように思えるけれど、内容的にはまったくのお門違い……常識がないのはどちらなのかを、小一時間、問い質したいレベルであった。そもそもの問題として、シングマ侯爵令息に他人行儀に接した私が、どうして責められないといけないのか分からなかった。
婚約解消をして他人になることを提案したのは、シングマ侯爵令息なのだから。最初はとても悲しかったけれど、お互いがより良き未来に進む為に私がそれを了承したに過ぎない。シングマ侯爵令息は、私が他人のように接することを望んでいたかと思っていたけれど、先ほどの会話を見ている限り、そうではないらしい。
「シングマ侯爵令息……あなた様は一体、何を望んでいらっしゃるのですか?」
「何を望んでいるか、だと? 質問の意図がよく分からないな」
「私達はお互いに違う未来を進む決断を下したはずです。私はそれを忠実に守ったつもりです。それを今さらになって、他人行儀だと言われても困るのですが……」
「フローラ違うだろう? 私と君は身体の関係こそなかったが、愛し合っていたはずだ。それとも婚約をしていた時の思い出は嘘だったのかい?」
「いえ、嘘ということはありませんが……」
どんどん恥ずかしい話になっているような気がした。グランが真横で聞いているのだし、制止したい気分だ。シングマ侯爵令息への想いは、完全に絶ち切っているはずだけれど、それでもグランに疑われるのは嫌だったからだ。
「嘘ではないと言うならば、私のことをもっと気に掛けるべきだろう? 君はどうしてそんなに簡単に割り切っているんだ?」
「い、いえ……そんな簡単に割り切ってなんて……」
婚約解消の後、私がどんな気持ちで過ごしていたのか……おそらくシングマ侯爵令息は分かっていない。今のシングマ侯爵令息に理解出来るのだろうか、と言われても疑問が残る程だ。
今の彼の考え方は明らかに変だったから……。
「失礼ながらよろしいでしょうか? カルロス殿」
「ん? どうかなさいましたかな、グラン殿?」
そんな時、口を開いたのはグランだった。シングマ侯爵令息もそちらに顔を向けている。
「細かい話はとりあえず置いておいて、カルロス殿とフローラは婚約解消をしている。これに間違いはありませんね?」
「ん、それは確かに間違いはないが……それがどうかしたのですか?」
「私はフローラの幼馴染であり、婚約の話が出ている身でもなります」
「な、なに……婚約……?」
シングマ侯爵令息はとても驚いた表情をしていたけれど、さらに驚いたのは私だ。えっ? そんな話あったっけ……?
「事情はどうであれ、あなたはフローラに固執しているように思える。申し訳ないが、私の愛する幼馴染のフローラをそういう目で見るのは止めていただけますか?」
「な、何を言っているのですかな? グラン殿。フローラは最近まで、私との愛を約束していたのですよ? こんなことが許されるはずがない……」
「しかし、あなたは隣にいらっしゃる隣国のご令嬢と婚約することを選ばれた。これは紛れもない事実のはずだ」
「……」
ええと……私は何をしたら良いのだろうか? 単に話の展開を見守っていればいいの……? 全く読めない展開だ。グランの言葉が本当ならば嬉しいはずなんだけれど、素直に喜ぶのも違う気がしていた……。
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