婚約破棄ですか? 優しい幼馴染がいるので構いませんよ

マルローネ

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10話


「グレンデル・ボアール侯爵。お久しぶりですね、まさかこんなところで会うとは思っていませんでしたが」

「マルクス・ファーム大公殿下……! まさか、貴方様がこのような場所に!」

「そ、そんな……!」


 グレンデル様とアレッサ様は今にも腰を抜かす勢いだった。まあ、仕方ないだろうけれどね。


「マルクス、用事の方はもう済んだの?」

「ああ。もう大丈夫だよ、アリス。待たせて悪かったね」

「いいわよ、仕事なんだし。気にしないで」

「???」

 私とマルクスが親しく話しているのをグレンデル様は不思議そうに見ていた。

「し、知り合いなのかい? アリス……?」

「マルクスとですか? ええ、そうですよ。幼馴染です」

「な、なんと……! そうだったのか……」

「ええ」


 グレンデル様はまた驚きの表情を見せた。先ほどから驚いてばかりねこの人。


「まあ、私とアリスの関係は置いておくとして……先ほどの話は全て聞かせてもらったよ、グレンデル殿。陛下への進言に嘘があって、さらに婚約破棄をした身のくせに慰謝料を支払わないだと? そう聞こえたのだが……」

「あ、いや……それはその……」

「なにか言い訳があるのなら聞かせてもらおうか。もちろん、私が納得できるようにな」


 さて、グレンデル様はなんて答えるかしら? 私には絶対絶命なように思えるけれどね。

「いえ、あの……その……申し訳ありませんでした……大公殿下」


 流石にマルクスの前では変な言い訳はしないようね。アレッサ様はどうなのかしら?

「う……」


 アレッサ様も大人しくなっている。まあ、ここで暴論を飛ばしたら今度こそタダでは済まないものね。


「謝罪すると言うことは誠心誠意、アリスに対応するということで良いな? ん?」

「も、もちろんでございます……! しっかりと慰謝料を支払います!」


 調子のいい言葉がグレンデル様から出て来た。慰謝料を支払うのは当然のことだ。それをマルクスに言われたから払うでは意味がない。こんなことでは終わらせないわよ。グリアさんの件も残っているしね。
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