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30話 グレンデル視点
「グレンデル、次はこの薬品になります」
「ま、待ってくれ……少しだけ、休ませてほしい……」
「何を言ってるんですか? あなたは実験体なのですから、休みの時間以外は人権がありません。働いてもらわないと」
「そ、そうだが……」
私が実験体になって1カ月が経過した。今もトイレで戻したところだ……昼間に食べた食事を根こそぎ戻してしまった。あり得ない……どういうことだこれは?
侯爵であった私だが、ここの従業員はまったく人の心を持っていない。私の体調など気にすることなく、次々と怪しい薬を投与していくのだった。どうやら、病に効く薬を投与しているようだが……あくまでも実験段階なので副作用も大きい。その辺りを鑑みて改良を重ねて行くようだが……。
私の体調は限界を迎えていた。
「次の薬は大分改良を加えているので、副作用は少ないはずです。安心しても大丈夫ですよ」
「そ、そうか……それなら」
今回の薬は特定の疾患の特効薬になり得るものらしい。それだけに、実験室でも期待されているのだとかなんとか。怪しい未知の装置で私の体調を管理しているようだ。薬の効き目もそれで管理できるようである。まさか、宮殿の地下にこんな最新設備があったとは……。
だが、この最新設備が実るのは実験体のおかげのはず。今まで、何人の実験体を使い捨ててきたのだ……? 王家の闇を垣間見た気分だった。うっ……先ほどの薬を投与された。今は気分が非常に悪いので、なんとか副作用が出ないことを祈るばかりだ。
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「ふむ……どうやら副作用はないようですね。これは新薬の開発に大きく前進したと言えるでしょう。グレンデル、お疲れ様でした」
「あ、ああ……ありがとう」
「夕食の準備をしますので、休んでいて大丈夫ですよ。今日はもう終わりです」
「ああ……わかった」
私はベッドに横になった。本当に疲れた……出て来る食事などは一級品なので終身刑よりはマシな待遇なのかもしれないが……この1カ月で実験体の恐ろしさを思い知った気分だ。今日は終わりだとしても、また明日から戻す体調になってしまうのではないか……怖い。
私の寿命はどのくらいなのだろうか? このまま実験体として生き続ければ確実に死が迫るのだろうと思い知らされた……。誰か助けてくれ、お願いだ……。
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