9 / 12
9話
しおりを挟む
私はライマ様と一緒に二国間が共同で行うレジャー開発施設に向かっていた。既にその工事現場は見えている状態だ。
遠目から見てもかなり巨大な施設に見える。その規模も相当なものになり、動いている金額もかなりのものになりそうだった。ライマ様も当然、この事業には参加しているのだろうけれど……視察に来るということはオムニ様も携わっているということだろうか。婚約をしていた時は聞いたことがなかったけれど……。
「緊張するかな、フィリア?」
「あの……そうですね。多少、緊張はしていると思います」
緊張していないとなれば嘘になる。婚約破棄をされた相手……オムニ様が来ているとなれば、緊張しない方が無理だ。
「でも、ライマ王子殿下が傍にいらっしゃるので、緊張感は幾分か解けているかと思います」
「そうか……それなら良かったよ」
けっこう無理をしているけれど、ライマ様が近くにいてくれるというのは、相当な勇気に繋がるものだった。緊張感が解けているというというのもあながち嘘ではない。
「レジャー施設ということですが……どういった施設が入るのですか?」
「そうだな。決まっているものではお化け屋敷なんかが入ることになっている」
「えっ……お化け屋敷……?」
あんまりお化け屋敷に良い思い出はなかった。施設そのものも好きではないけれど、お父様に昔、本物の幽霊がたまに出ていると脅されたのが原因だ。
「苦手なのかい?」
「いえ、そういうことではありませんが……お父様に昔、脅された経験がありまして……」
「ああ、そういうことか」
「お父様を恨んでいるわけではありませんが、昔、本物の幽霊が出ると言われたことがあります……」
「なるほど、そんなことが……まあ、それなら仕方ないかな」
「はい……」
お父様とお化け屋敷の一件はあんまり良い思い出とは言えないわね。まあ、本気でお父様を嫌ったわけではないけれど。この世界には魔法使いや召喚士といった職業も存在している。彼らは超常現象を起こしてモンスターを狩っているのだ。
そんな能力が存在する世界で今さら幽霊が怖いというのも、子供じみているとは思うけど……昔、植え付けられたトラウマはなかなか消えないのだった。
「まあ、お化け屋敷の件は置いておいて……どうやらここに来て大正解だったようだね」
「えっ……それってどういう意味ですか?」
「前を見てごらん」
「あっ……!」
ライマ様に促されて見た前方……そこには婚約破棄をした張本人であるオムニ様の姿があったのだった。隣に女性を連れているようだけれど……?
遠目から見てもかなり巨大な施設に見える。その規模も相当なものになり、動いている金額もかなりのものになりそうだった。ライマ様も当然、この事業には参加しているのだろうけれど……視察に来るということはオムニ様も携わっているということだろうか。婚約をしていた時は聞いたことがなかったけれど……。
「緊張するかな、フィリア?」
「あの……そうですね。多少、緊張はしていると思います」
緊張していないとなれば嘘になる。婚約破棄をされた相手……オムニ様が来ているとなれば、緊張しない方が無理だ。
「でも、ライマ王子殿下が傍にいらっしゃるので、緊張感は幾分か解けているかと思います」
「そうか……それなら良かったよ」
けっこう無理をしているけれど、ライマ様が近くにいてくれるというのは、相当な勇気に繋がるものだった。緊張感が解けているというというのもあながち嘘ではない。
「レジャー施設ということですが……どういった施設が入るのですか?」
「そうだな。決まっているものではお化け屋敷なんかが入ることになっている」
「えっ……お化け屋敷……?」
あんまりお化け屋敷に良い思い出はなかった。施設そのものも好きではないけれど、お父様に昔、本物の幽霊がたまに出ていると脅されたのが原因だ。
「苦手なのかい?」
「いえ、そういうことではありませんが……お父様に昔、脅された経験がありまして……」
「ああ、そういうことか」
「お父様を恨んでいるわけではありませんが、昔、本物の幽霊が出ると言われたことがあります……」
「なるほど、そんなことが……まあ、それなら仕方ないかな」
「はい……」
お父様とお化け屋敷の一件はあんまり良い思い出とは言えないわね。まあ、本気でお父様を嫌ったわけではないけれど。この世界には魔法使いや召喚士といった職業も存在している。彼らは超常現象を起こしてモンスターを狩っているのだ。
そんな能力が存在する世界で今さら幽霊が怖いというのも、子供じみているとは思うけど……昔、植え付けられたトラウマはなかなか消えないのだった。
「まあ、お化け屋敷の件は置いておいて……どうやらここに来て大正解だったようだね」
「えっ……それってどういう意味ですか?」
「前を見てごらん」
「あっ……!」
ライマ様に促されて見た前方……そこには婚約破棄をした張本人であるオムニ様の姿があったのだった。隣に女性を連れているようだけれど……?
0
あなたにおすすめの小説
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
勝手に勘違いして、婚約破棄したあなたが悪い
猿喰 森繁
恋愛
「アリシア。婚約破棄をしてほしい」
「婚約破棄…ですか」
「君と僕とでは、やはり身分が違いすぎるんだ」
「やっぱり上流階級の人間は、上流階級同士でくっつくべきだと思うの。あなたもそう思わない?」
「はぁ…」
なんと返したら良いのか。
私の家は、一代貴族と言われている。いわゆる平民からの成り上がりである。
そんなわけで、没落貴族の息子と政略結婚ならぬ政略婚約をしていたが、その相手から婚約破棄をされてしまった。
理由は、私の家が事業に失敗して、莫大な借金を抱えてしまったからというものだった。
もちろん、そんなのは誰かが飛ばした噂でしかない。
それを律儀に信じてしまったというわけだ。
金の切れ目が縁の切れ目って、本当なのね。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです
鍛高譚
恋愛
内容紹介
「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」
王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。
婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。
「かしこまりました」
――正直、本当に辞めたかったので。
これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し……
すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。
そしてその瞬間――
王宮が止まった。
料理人が動かない。
書類が処理されない。
伝令がいない。
ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。
さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。
噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。
そしてついに――
教会・貴族・王家が下した決断は、
「王太子廃嫡」
そして。
「レティシア、女王即位」
婚約破棄して宰相をクビにした結果、
王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――?
これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの
完全自業自得ざまぁ物語。
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる