婚約破棄されたと知ったら幼馴染の王子が怒りました!

マルローネ

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3話 王子殿下 その1

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 私はフェリク・メガリス第二王子殿下と会う手筈を整えていた。実際に手筈を整えてくれたのはお父様だけれど。こちらから会いに行くはずだったのに、使者の方の返事ではフェリクの方から来てくれるということなのだ。王子殿下の判断なので、私達では反論することが出来ずにその流れになったのだけれど……。


「まさか、フェリクの方から来てくれるなんて……なんて言えばいいのかしら」

「ライア様。心中お察しいたします。メガリス王国の第二王子殿下とお会いするのは、さぞかし緊張されるかと思いますので」

「ありがとう、ターニャ」


 私はメイドのターニャにお礼を言った。私と同じ歳の彼女だけれど、色々とお世話になっている。私の部屋の掃除とかシーツを替えてくれるのも彼女だしね。

「フェリク・メガリス王子殿下とお会いになられる……ライア様の地位の高さが改めて分かる事態でございますね。しかも、相手方から来られるというのは……」


 確かにその通りなんだけれど、本来であれば、いくら伯爵家の娘とはいえ王子殿下には簡単に会えるものではない。特に私はお父様とは違い、伯爵という地位を持っているわけではないのだから。その辺りは昔からの知り合い……幼馴染であるというところが大きく関連しているのだと思う。


「普段なら王子様となんてとても会える身分ではないわ、ターニャ」

「ということは、フェリク様と会えるライア様が特別だということですね。はあ……とても尊敬致します」

「あ、いえ……う~ん、そう言ってくれるのはありがたいんだけど……」


 ターニャはなぜかうっとりし始めていた。彼女は子爵家の娘で経験を積む意味合いも込めて、私のメイドをしてくれている。普通に貴族の娘ではあるのだけれど、なぜか以前から私に対する当たりが強い。これは単純に尊敬してくれているのかそれとも……うん。

「まあ、とにかくそれでいいわ。フェリクが来た時に失礼のないようにお願いね」

「畏まりました、ライア様。旦那様からも言われていることですので、最善の注意を払いたいと思います」

「ええ、お願いするわね」


 ターニャは普段から礼儀に対してはきちっとしているので問題はないと思う。まあ、多少の粗相があったとしても、フェリクが気にするとは思えないけれど。でも、彼と会うのは久しぶりになるし、この期間に厳格になっているとも考えられるけれど。

 彼はなんといっても第二王子……王族の中でも上位に位置し、下手をすれば将来の国王陛下になるかもしれないのだから。


「ライア様! 王子殿下がお越しになられました!」

「そう、わかったわ。すぐに参ります」

「はい」


 別のメイドが知らせをくれた。いくら幼馴染とはいえ相手は第二王子殿下……粗相のないようにしなければね。
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