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4話 王子殿下 その2
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「久しぶりだな、ライア! こうして会えて俺は嬉しいよ!」
「フェリク・メガリス王子殿下、ご無沙汰しております。リューザ・フォビトン伯爵の娘のライア、参りました。本日はこうして伯爵家にお越しいただき……ええと、至上の喜びと……」
幼馴染であるフェリクを前にした、明らかに背伸びのある挨拶……私は途中から言葉を間違えるし、フェリクは笑っていた。
「はははは、ライアには似合わない言葉遣いだな。俺の前ではそんな固い挨拶をする必要はないだろう?」
「そうは言っても……あなたはメガリス王国の第二王子様なのだし、挨拶をしないわけにはいかないわ」
その挨拶は失敗してしまったけれど、形式上の挨拶はどうしても必要になるはず。私はそれを実行したのだ。
「まあ、分かっているよ。俺が言えたことではないが、とりあえず座ったらどうだ?」
「ありがとう、座らせていただきます」
私はやや緊張しながら応接室のソファに座った。フェリクのちょうど対面に座っている形だ。
「リューザ殿はいないのか?」
「お父様もいるんだけれど……」
なぜかお父様は現れない。私とフェリクが出会う仲介役を引き受けたのに。なんとなく理由は分かっているけれどね……私とフェリクを二人で話させたいのだ。
「まあ、今回は正式な訪問ではないし問題ないが、さて、ライア。かなり久しぶりにこうして再会することになったな。改めてよろしく」
「はい、フェリク王子殿下。よろしくお願い致します」
私達は握手を交わした。この挨拶方式はお互いの通例になっていた。懐かしいものだけれど、習慣とは恐ろしいもので忘れないわね。
「積もる話も色々したいところではあるけれど、本題に入ってもよろしいですか?」
「別に構わないよ、ライア。ただし、敬語は抜きにしてもらえると助かるが」
「わかったわ、フェリク。ええと、なにから話せば良いのかしら……」
最近、色々とあり過ぎて混乱している。私は彼に話すべき内容を整理できずにいたのだ。いえ、一通りの整理はしてきたつもりだったのだけれど、彼を前にして忘れてしまった。
「まあ、とにかく私は最近、エンビス・アトカーシャ侯爵と婚約破棄をすることになってしまって……」
「ああ、そのことか。話には聞いているよ、ライア。辛いことがあったんだな」
「ええ……」
彼も王族の一員なのだから、貴族階級の婚約破棄は当然のように知っているはずだ。さて、重要なのはここからなのだけれど……私はエンビス様が行った酷い仕打ちの数々を彼に話した。すると……。
「……なんだと?」
「フェリク?」
フェリクは普段なら絶対に見せないであろう恐ろしい顔つきになっていた。幼馴染が前にいるだけなのに恐怖を感じてしまっているわ……。
「フェリク・メガリス王子殿下、ご無沙汰しております。リューザ・フォビトン伯爵の娘のライア、参りました。本日はこうして伯爵家にお越しいただき……ええと、至上の喜びと……」
幼馴染であるフェリクを前にした、明らかに背伸びのある挨拶……私は途中から言葉を間違えるし、フェリクは笑っていた。
「はははは、ライアには似合わない言葉遣いだな。俺の前ではそんな固い挨拶をする必要はないだろう?」
「そうは言っても……あなたはメガリス王国の第二王子様なのだし、挨拶をしないわけにはいかないわ」
その挨拶は失敗してしまったけれど、形式上の挨拶はどうしても必要になるはず。私はそれを実行したのだ。
「まあ、分かっているよ。俺が言えたことではないが、とりあえず座ったらどうだ?」
「ありがとう、座らせていただきます」
私はやや緊張しながら応接室のソファに座った。フェリクのちょうど対面に座っている形だ。
「リューザ殿はいないのか?」
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なぜかお父様は現れない。私とフェリクが出会う仲介役を引き受けたのに。なんとなく理由は分かっているけれどね……私とフェリクを二人で話させたいのだ。
「まあ、今回は正式な訪問ではないし問題ないが、さて、ライア。かなり久しぶりにこうして再会することになったな。改めてよろしく」
「はい、フェリク王子殿下。よろしくお願い致します」
私達は握手を交わした。この挨拶方式はお互いの通例になっていた。懐かしいものだけれど、習慣とは恐ろしいもので忘れないわね。
「積もる話も色々したいところではあるけれど、本題に入ってもよろしいですか?」
「別に構わないよ、ライア。ただし、敬語は抜きにしてもらえると助かるが」
「わかったわ、フェリク。ええと、なにから話せば良いのかしら……」
最近、色々とあり過ぎて混乱している。私は彼に話すべき内容を整理できずにいたのだ。いえ、一通りの整理はしてきたつもりだったのだけれど、彼を前にして忘れてしまった。
「まあ、とにかく私は最近、エンビス・アトカーシャ侯爵と婚約破棄をすることになってしまって……」
「ああ、そのことか。話には聞いているよ、ライア。辛いことがあったんだな」
「ええ……」
彼も王族の一員なのだから、貴族階級の婚約破棄は当然のように知っているはずだ。さて、重要なのはここからなのだけれど……私はエンビス様が行った酷い仕打ちの数々を彼に話した。すると……。
「……なんだと?」
「フェリク?」
フェリクは普段なら絶対に見せないであろう恐ろしい顔つきになっていた。幼馴染が前にいるだけなのに恐怖を感じてしまっているわ……。
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