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5話 クロッセ・エンブリオ侯爵
しおりを挟むクロッセ・エンブリオ侯爵視点……。
「そう言えば、楽しい噂が流れているようだな」
「左様でございますね、クロッセ様。確か……貴方様の元婚約者のお話ですよね?」
「その通りだ、エアル。カミーユの件で間違いない」
私は自室にエアル・トレイラー侯爵令嬢を招き入れ、会話を楽しんでいた。会話の内容は、この前捨てたカミーユについてだ。
「カミーユ嬢には最近、新しい男性の目撃情報があります」
「それをどこで仕入れて来ているのだ? 凄いな」
「面白そうだったので、私の護衛に探らせたのですわ。すると、外で男性と会っていることが度々ございまして。もしかすると、あれが噂になっている新しい婚約者なのかもしれませんわね」
「ふふふ、新しい婚約者か。退屈しなさそうな噂だ。それで? 会っている男性というのは、貴族なのか? まさか、一般人か?」
腐ってもカミーユは伯爵令嬢だ。付き合うにしても貴族の誰かになるだろうが、一般人という見方も面白いかもしれん。私に婚約破棄をされたショックで貴族不信になり……とかだと楽しめそうだな。ふはははははははは。
「一般人ではないようです。護衛からの話では、子爵令息のゼラン・コルカスト殿かと思われますわ」
「ほう、大した情報網だな、エアル。流石は私の女だ」
「ありがとうございます、クロッセ様。そう言っていただき、とても光栄ですわ」
よりにもよって子爵令息のゼランと一緒になったのか……ははは、これは傑作だ。一般人と付き合っていたらもっと面白かったが、子爵令息でも楽しめそうだ。なぜなら、あの家系は……。
「コルカスト家は子爵ではあるが、当代で一般人になるはずだ。確かそうだったろう?」
「そうですね。その辺りの関係もあり、ゼラン殿は宮殿での仕事をしていると聞きます。自分が家を継ぐことがない為に別の仕事を探したのでしょうね」
「それは面白い。今は子爵令息だが、将来は一般人になる人間との婚約か……カミーユの将来に相応しいじゃないか」
私の元婚約者ながらカミーユも落ちぶれたものだ。まあ、婚約破棄をされた女など貰い手が居ないのかもしれんな。まあ、私が強制的に破棄させたのだが……。
「どうなさいますか?」
「もちろん、祝福してやらないとな。エアルも来い、なかなか楽しめると思うぞ?」
「そうですわね……楽しめそうですね」
よしよし、エアルも乗り気なようだな。それでは早速、向かうとするか。私の護衛も動員して二人が会っているところに強襲を掛けてやるとしよう。待っていろよ、カミーユ。
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自分の置かれた状況すら理解できないおポンチかな?🤣
自分の立場を理解できない人は、必ず後悔の道を辿りそうですからね……
おいでおいでヘ(^_^)コイコイ
罠に誘い込まれそうな……
クロッセとエアル
人のデート(と思ってる)現場に行ってからかってやろう…としてるのか。
趣味悪ぅ~ある意味お似合いですね。
趣味が悪い元婚約者側ですね