婚約破棄されたけど、私はあなたを信じます!

マルローネ

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8話

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「シンディ様……なんだかとても冷たいように感じたわ……」

「やはりテレーズも同じ印象を持ったか」

「デュラン兄さんもそうなんだ?」

「うむ、まあな。冷たい印象……なんとなく見下しているような、余裕のある表情もしていたな」


 ドーム伯爵の誕生日パーティーは無事に終了した。私の婚約破棄についても特に言及されることはなかったので、良しとするべきかしら。でも……。


「アルフ様とシンディ様に会うことになるとは思わなかった。しかも、あんなに冷たい感じで……」

「そうだな。私としてはあの場面でも軽い謝罪はあるものかも思ったが……全くなかったな」


 婚約破棄について全く謝罪がなかった。それどころか、触れられることさえなかったのだ。他の貴族が近くにいたからマズイというのであれば、少し人払いをさせるなど色々方法が考えられるのに……。まるで最初から婚約破棄なんてなかったかのようだった。

 いえ、そんな考えは許されない。ちゃんと婚約破棄は存在したのだから。


「ねえ、兄さん。この後はどうするべきかしら? あんな態度を取られたけれど、私はアルフ様がやはり自分の意志で動いているとは、とても思えないのよ」

「それは私も同じ気持ちだ。あの時のアルフ様はどこか操られている雰囲気もあったからな」

「ええ、そうよね」


 操られている……あながち間違いではないだろう。少なくともラルフはシンディの前で強く出れない印象だってあったし。自分の意志で全てを答えているとはとても思えなかった。あの二人には絶対になにかある。これは確信して言うことができた。


「よし、それではしばらくはシンディ様に焦点を当てて調べてみようか」

「それがいいわね、兄さん。なんとなくだけど、シンディ様が鍵を握っている感じだったから」


 アルフが操られているということは、その原因はシンディにあると見るのが妥当だろうか。それ以外にアルフを操れる人物の心当たりなんてないし。公爵令嬢のシンディならばそれが可能というものだ。


「テレーズ、デュラン、少しよいか?」

「お父様……? どうかしたのですか?」


 私室で作戦会議をしていた私達だけれど、そこに入って来たのはお父様だった。私とデュラン兄さんはお父様の方を見た。なにやら焦っているようだけれど……。


「いや……なんと言えばいいのか。お前達に客人が来ているぞ……」

「客人……? 一体誰ですか?」


 心当たりがないけれど、私達はその名前を聞いて驚愕した……。

「シンディ・クロフォード公爵令嬢だ。既に応接室にお通ししている。二人に話があるそうだ」
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