人間扱いされないので別れてください

マルローネ

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1話

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「今度、隣国のタルタロス伯爵が来られる。ミリアは身体を差し出すのだ」

「な……そんな……!」


 私は目の前のクーザー伯爵の婚約者になっていた。日頃からセクハラじみたことや厳しい躾けを受けていたけれど、今回ばかりは我慢ならない。身体を差し出せって? まだ処女の身体を簡単に差し出せるわけないでしょ! しかも見ず知らずの男性になんて……私は奴隷じゃないのよ?

「いい加減にしてください……クーザー様。私はもう我慢できません!」

「なんだと? 断るつもりか? そんなことが許されると思っているのか?」

「知らないわよ! あんたなんかとはもう分かれてやる!」


 私は叫び出した。絶対に一緒にはなれない……そう確信したから。
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