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15話 サンセットの言い分 その2
しおりを挟む「ウィンベル! 侯爵であり、元婚約者の私に、よくもそんな口を聞いたな!!」
「私はサンセット様と違い、敬語で話していますが?」
「この馬鹿者が! 態度の問題だ! 私のことを完全に見下しているだろう!」
見下しているのはどっちなのか……サンセット様は婚約破棄の時からずっと、私のことを見下していたはずだ。いえ、その前から見下していたでしょうね。
「見下していたのはサンセット様でしょう? 私のことを」
「私は侯爵だぞ!? 伯爵令嬢でしかないお前を見下して、何が悪いのだ!」
会議場の前で大きな声が響いていた。先ほど出て行った、シルバーマン議長にも聞こえているでしょうね、この声は。大きなため息を吐いている彼の顔が容易に想像できた。
「メジラマ侯爵、それは失言ですな。訂正された方がよろしいかと思われますが?」
「マリストル伯爵……? なぜ、私が訂正などをしないといけないのだ?」
お父様は少し間を置いた。軽く咳払いをしている。
「簡単なことですよ、我々は皆、国民に生かされているようなものだからです。国民の税金が私達の生活を支えてくれている。大きな事業を行うのも、税金を使うでしょう? そこから出て来る儲けについても、元々は国民から来ているのです。虎の威を借る狐についても同じでしょうな、貴族は皆、虎の威を借っていますので……メジラマ侯爵も同様にね」
「ぬう……!」
「その辺りを前提にした上で話をさせていただきますと、メジラマ侯爵にウィンベルを見下す権限などありません。伯爵令嬢を見下していると言うのでしたら、国民も全て見下しているのでしょう? それも許されることではありませんよ」
「……!」
国民の税金で生かされている貴族、という話から、サンセット様の見下している範囲を確定させてしまったお父様。サンセット様の表情的に図星を突かれたようね。言葉では完全にサンセット様が負けているわ。
まあ、サンセット様の言い分はメチャクチャなので当たり前なのだけれどね。
「メジラマ侯爵、見下しているという発言の訂正はされないのですか?」
「誰がそんなことをするものか! 都合の悪い時だけ国王陛下に縋りつく貴族の分際で……私と親交のある議員達を罷免にして、さぞや調子に乗っているのだろうな!」
「そうですよ! 国王陛下のお力を借りなければ、何も出来ない家系の分際でっ! サンセット様に慰謝料支払いを断られたから、パパ助けて~~~と泣きついたのでしょう?」
サンセット様もシリス様も周りが全く見えていないようだ。大きな声で叫んでいる。こんな状態では、どちらに非があるのかなんて、一目瞭然なんだけれど……。
「酷い言われようですな……それに議員の話にもなっている」
「構わぬ、マリストル伯爵。ここからは私が直接説明しよう」
「えっ……?」
聞き覚えのある低い声……私達は一斉にその方向に視線を集中させた。サンセット様やシリス様も振り返っている。
曲がり角から現れた人物、それは……。
「ぜ、ゼノン国王陛下……!?」
少数の護衛と共に、ゼノン・ダグラス様が現れたのだった。サンセット様とシリス様は目玉が飛び出しそうになっていた。気持ちは分かるけれど、いい気味としか言いようがない……大声で喚いていたし、先ほどの会話も全て聞かれていたでしょうね。
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