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14話 サンセットの言い分 その1
しおりを挟む「お前達! どういうつもりだ!?」
「はい? サンセット様……どういうつもりだ、とは?」
私達は会議場から出て来たサンセット様に呼び止められた。予想はしていたけれど、ここまで怒った状態での呼び止めは予想外だ。なぜ怒っているのかは、見当が付いているけれど。
「しらばっくれるつもりか? シルバーマン公爵と私が話し、慰謝料未払い問題についても白紙になってしまうことは想定済みだっただろう!」
「いやそれは……先に言いましたよね? シルバーマン議長は退任されるって……」
「そういうことを言っているのではない!」
サンセット様は何が言いたいのだろうか。なんだか分からなくなってしまったわ。
「虎の威を借る狐の分際で、よくも私をコケにしてくれたな! 信じられぬわ!」
虎の威を借る狐って、私のことを言っているのかしら? なんだか暴言になって来ているけれど……大丈夫なのかな?
「お前達のことだから、慰謝料問題が解決したことをさぞや嬉しがっているのだろうな! まったく……卑しい者達だ!」
「まったくですわね……! たかが、慰謝料如きでメソメソと……本当に卑しいですわ!」
「……」
なんだか好き勝手言われている気がする……これには流石にお父様も反撃に出た。
「メジラマ侯爵……言葉には気を付けた方が良いのではないですかな? いくら侯爵殿と言えども」
「何を言っている、マリストル伯爵? たかが伯爵の分際で、私に意見すると言うのか?」
「メジラマ侯爵も大丈夫ですか? 我が娘と息子の二人は国王陛下の実子に当たるのですが……」
とりあえずの様子見で、お父様はゼノン国王陛下の名前を出した。サンセット様は一瞬、たじろいでいたようだけれど、すぐに言葉が返って来た。
「養子縁組が完了してかなりの年月が経っているのだろう? ウィンベルやヴィクターは伯爵家の子供という風に見られているはずだ。今更、国王陛下の名を出したところで、私が驚くとでも思っていたのか? 本当に虎の威を借ることしか出来ない連中のようだな!」
虎の威を借る狐という言葉が本当に好きなようね。びっくりするくらいに、サンセット様にも言えることなんだけれど……。
「虎の威を借る狐でしたら、サンセット様も同じではありませんか?」
「な、なんだと!? ウィンベル、貴様っ!」
「侯爵という肩書きがないサンセット様に、一体、どれほどの人が付いて来るのでしょうか? 虎の威を借る狐というお言葉が大変好きなようですが……サンセット様もそうですよね?」
「ななっ……!」
私はハッキリとサンセット様に言ってやった。彼は相当に怒った顔をしていたけれど、私は事実しか言っていないし。まあ、貴族は誰しも多かれ少なかれ、虎の威を借ってはいるんだけどね……。
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