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15話 砦での会話 その1
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その日の視察を終え、私達は砦に戻ることにした。
「申し訳ございません……このような部屋しか用意出来ずに」
「いや、とんでもないことだ。私の方こそ申し訳ない、貴殿らの待遇の改善は早急に行うと約束しよう」
「ケルヴィン様……! 勿体ないお言葉、ありがとうございます!」
夜も更けて来た為に、その日は砦内で泊まることになった。夜中に馬車を走らせるのは危険を伴うからだ。
私達に宛がわれた部屋は決して豪華な造りとは言えなかった。それでも、エルドの気遣いは嬉しく思った。私達の為に出来るだけ良い部屋を提供してくれたのだから。
必然的にエルドの泊まる部屋はもう少し粗末な部屋になるだろうし。私やケルヴィン様、レザード様の護衛は交代制で廊下などを警戒することになる。
「私は……兄上の部屋で寝るのか……?」
「同じ部屋で寝るなど、子供の時以来だな」
「あ、ああ……そうだな……」
「……」
そっか、用意された部屋は二つだけ。この部屋にケルヴィン様とレザード様が泊まるのだとしたら、隣の部屋では私とアリシアの二人が泊まる形になるわけか。
「と、いうことは……私と姉さんが隣の部屋で寝るの?」
「そうみたいね、アリシア。私達も子供の頃以来かしら?」
「そうね……もう何時頃だったか覚えていないけど」
気まずい雰囲気が私達の間には流れていた。ケルヴィン様とレザード様にもそんな雰囲気は流れているけど、女性である私達とは少し違う感じだ。
「ケルヴィン様、レザード様。それでは私達は隣の部屋に参ります。明日も早いかと思われますので……」
「そうだな。本日は色々あったし早めに休むとしようか」
「畏まりました、それでは失礼いたします」
「……失礼いたします」
私とアリシアは隣の部屋に向かった。
------------------------
それから、私達は着替えなどを済ませベッドへと入ることにした。ベッドとはいっても折り畳み式の簡易的なベッドだ。今までの人生の中でこんなベッドで寝た記憶はない。しっかり寝れるかという不安が残ってしまうけど。
「姉さん」
「なにかしら? アリシア」
「……私のこと恨んでる?」
「……アリシア? どういう意味?」
隣の簡易ベッドに入っているアリシア……なんだか様子が違って見えた。
「申し訳ございません……このような部屋しか用意出来ずに」
「いや、とんでもないことだ。私の方こそ申し訳ない、貴殿らの待遇の改善は早急に行うと約束しよう」
「ケルヴィン様……! 勿体ないお言葉、ありがとうございます!」
夜も更けて来た為に、その日は砦内で泊まることになった。夜中に馬車を走らせるのは危険を伴うからだ。
私達に宛がわれた部屋は決して豪華な造りとは言えなかった。それでも、エルドの気遣いは嬉しく思った。私達の為に出来るだけ良い部屋を提供してくれたのだから。
必然的にエルドの泊まる部屋はもう少し粗末な部屋になるだろうし。私やケルヴィン様、レザード様の護衛は交代制で廊下などを警戒することになる。
「私は……兄上の部屋で寝るのか……?」
「同じ部屋で寝るなど、子供の時以来だな」
「あ、ああ……そうだな……」
「……」
そっか、用意された部屋は二つだけ。この部屋にケルヴィン様とレザード様が泊まるのだとしたら、隣の部屋では私とアリシアの二人が泊まる形になるわけか。
「と、いうことは……私と姉さんが隣の部屋で寝るの?」
「そうみたいね、アリシア。私達も子供の頃以来かしら?」
「そうね……もう何時頃だったか覚えていないけど」
気まずい雰囲気が私達の間には流れていた。ケルヴィン様とレザード様にもそんな雰囲気は流れているけど、女性である私達とは少し違う感じだ。
「ケルヴィン様、レザード様。それでは私達は隣の部屋に参ります。明日も早いかと思われますので……」
「そうだな。本日は色々あったし早めに休むとしようか」
「畏まりました、それでは失礼いたします」
「……失礼いたします」
私とアリシアは隣の部屋に向かった。
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それから、私達は着替えなどを済ませベッドへと入ることにした。ベッドとはいっても折り畳み式の簡易的なベッドだ。今までの人生の中でこんなベッドで寝た記憶はない。しっかり寝れるかという不安が残ってしまうけど。
「姉さん」
「なにかしら? アリシア」
「……私のこと恨んでる?」
「……アリシア? どういう意味?」
隣の簡易ベッドに入っているアリシア……なんだか様子が違って見えた。
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