婚約破棄とのことですが、あなたは既に詰んでいますよ?

マルローネ

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3話

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「ローズ、コルデン様と婚約破棄するのは問題ないでしょう? ここまで来たのなら。まあ、彼は絶対に別れるつもりみたいだけれど」

「そうですね……姉さま。大丈夫です」


 お父様や姉さまも突入した状態での婚約破棄……流石に婚約破棄は絶対に成立することになると思う。それは良いのだけれど、お父様達の行動にやや不安が募っていた。大丈夫なのかしら、と。

「コルデン様。婚約破棄の慰謝料はしっかりと貰いますからね」

「何を言っているんだ、リブガロ。私がそんなもの支払うとでも思っているのか? ふざけるのも大概にするんだな。内通者を作り、私の屋敷を張っていたようだからな……むしろ、私が金をとりたいくらいだ。探偵気取りで個人情報でも盗んでいたんじゃないのか?」

「それはコルデン様の自業自得というものでしょう。あなたは婚約者が居る身であるにも関わらず、浮気をしていた事実もあります。だからこそ、今回のローズとの婚約破棄に繋がったのでしょう?」

「ふん、仕方あるまい。私は伯爵なのだぞ? 子爵令嬢程度と結婚することは出来なかったのだ。ローズの外見を考慮して婚約してやったが……やはり、どうしようもないな。ローズ、愛人としてなら囲ってやってもいいぞ?」

「ふざけないでください……!」


 コルデン様は私の婚約者だ……愛人として囲う? 信じれない言葉に私は怒りを覚えた。ふざけないで欲しい。こんな人が私の婚約者だなんて……なんだか恥ずかしくなってきたわ。

「はは、予想通りの返しだったぞ、ローズ。まあいい。お前とは婚約破棄だけに留めようとしていたが、気が変わった。お前達家族が侵入してくるなんて考えていなかったからな。私は心底、腹を立てているのだ」

「? どういう意味ですかな?」

「分からないのか? お前達の家系をどん底に落としてやろうと言うわけだ」

「ご自分の発言の意味を理解していますか?」

「もちろんだよ」


 コルデン様はかなり危険なことを言っている。犯人捜しの件もそうだけれど、お父様や姉さまは相当に彼を怒らせたようだ。このままだと私達の家系が潰されることになるのでは……? 
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