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G.F. - 大逆転編 -
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『待って待って。じゃあ私から質問させて』
どうぞどうぞ…ということで一人目の質問者は、一番に手を挙げた番組メイン進行の小林綾恵さん。
『お二人は"パートナー"ってことだけど、それは"恋人同士"とは違うの?』
えっ?
『はーい。違いまーす』
詩織は左手を挙げて、満面な笑顔でそうきっぱりと、明るく元気に否定した。
『あら、違うの?』
詩織は綾恵さんに、黙ってウンウンと頷いて見せるだけで、それ以上釈明することもなかった。
っていうか、それについては僕だって、訊かれても困る質問だけど。
答えられない…ってか色々と複雑すぎて。
『じゃあ次、僕質問いいですか』
続いて、作詞家のHayatoさんが右手を挙げた。
『女装してる岩塚さんに』
「金魚って呼んであげてくださーい」
あのさ…詩織。
そういう揚げ足取りは、しなくていいんだって…。
『あっ、じゃあ…えっと金魚さんって、僕本当に顔が凄く可愛いと思うんです。でも本当にメイクだけ?美顔整形とかは?』
整形とか…そもそも、怖くてできません。
『いえ…あの、メイクだけです…』
僕はHayatoさんを真っ直ぐ見て、頭を小さく左右に振った。
『ぇ、マジ!?メイクだけで、そんな可愛くなれるもんなの!?嘘ぉ!マジで凄ぇじゃん!』
『近くで見てみたいんだけど、駄目かな』
次に俳優の青山漣さんが、席を立ってそう言った。
『近くってのは…どれくらいの』
『俺の目の前で』
えぇぇ…。
あんなイケメンの若手俳優が、間近で見たいって、僕を誘うように微笑んでんだけど…!
僕ど、どど…どうすればいい!!?
ねぇ!詩ぉ……。
……。
詩織が『金魚。頑張れぇ♪』というか『その可愛さを存分に、彼に魅せておやりなさぁい♡』って…またいつもの小悪魔みたいな妖しい笑みで…僕に「行ってきなさい」って…サインを送ってきてるんだけど…。
……あぁ。
『あの…じゃあ具体的に、僕はどうすれば…』
そう訊くと、YOSHIKAさんが…。
『まず立ったら?信吾くん』
僕は『あ、はい』と、YOSHIKAさんに言われたとおりに、カウンターの席から立ち上がった。
『じゃあこっち来て』
僕がYOSHIKAさんの元へと歩いて行くと…YOSHIKAさんは僕の両方に触れて、僕の体をくるっと回して『はい。どうぞ』って?
青山漣さんの目の前に僕を差し出した…?
…ぇ。
お互いの胸が触れ合いそうなくらい、僕の目の前に立ってる青山漣さん…近っ。てか背高っ!
…ひッ!
僕は許可なんかしてないのに!
その両掌で僕の両頬を包み込むように…そして軽く持ち上げるようにして、僕の顔に触れてきた!!
『…ぅ』
『……。』
黙ったまま僕を見下ろしてる青山漣さん。
対して、彼の顔を見上げさせられてる、強制的な見詰め合い状態の僕…。
ちょっと!
凄いイケメンってことは解ったんで!
手を放してくれませんか!
『ふぅん。背も本物の女の子みたいだ。低さが』
背が低いとか言うなっ!!
気にしてるんだから!!
『それよりこんなに近くで見てるのに、この顔が女装した男の顔だなんて今も理解できない。意識的には判ってるはずなのに。本物以上に可愛い女の子か…なるほど。奇跡と言われるわけだ』
僕の顔をまだ、じーっと覗き込んでる青山漣さん…だから近いって!!
このKiss距離やめろー!
もう早く放してって!長い!!
あと、気安く金魚が可愛いとか言うな!!
スタジオの大型カメラの全てが、僕と青山漣さんの男2人の超接近ショットを撮ってる…。
こんな状況を撮られて、全国放送するの?
僕らがまるで変態ぽくて…僕嫌なんだけど!!
嫌悪感が凄過ぎて、心臓がドキドキして身体が微かに震えてる…。
気付けば僕ら…あっという間に出演者さん達に囲まれてた…だから皆んな、近い近いっ!!
青山漣さんが、僕の顔を急にパッと手放す…。
…うわっ。
次々に出演者さん達が、僕の顔を間近で覗きながら交代していく…。
なにこれ。
僕は美術館の展示物じゃないんだから。
『これは凄いね』
『めちゃくちゃ可愛いですね!』
『まさに奇跡だねぇ!』
もういいです。そういうの。
聞き飽きたぐらいです。
『では皆さんも岩塚信吾さんも、一旦席に戻ってください』
佐藤アナウンサーさんがそう言って、質問コーナーを一旦仕切り直すことに。
他の出演者も、それぞれの席へと戻っていく。
「ふふっ。お帰りなさーい金魚♪」
「………た、ただいま…」
僕のドキドキな心理状況とは真反対に、リラックスした上機嫌そうな笑顔で、そう僕を迎えた詩織。
カウンター席の椅子に座ったまま、閉じた内股の両膝に両手を付いて、床に届いてない両足の爪先を交互にぶらぶらと、小さく揺すって気楽そうに…。
くっ、くそぅ…。
「kissされそうになった!あのイケメン俳優に!!」
ちょっと詩織を心配させてやろうか!
そう思って大袈裟に、内緒話のように小声で詩織にそう言ってやったんだけど…。
「きゃはははー。良かったね」
『…。』
良くなんかないっての!!
何がいいものか!!
「ねぇ…どう?始まりそうだった?」
「…えっ、何が?」
「BL♡」
始まるかぁぁぁー!!
…そんな展開があったからか『岩塚信吾くんの恋愛対象は、男女どっちなの?それもと両方?』とか『男性から告られたこととかある?』とか…一般常識ではあり得ない質問までが出はじめる始末…。
あと『膨らんでるその両胸はどうなってるの?』とか…。
…両方とも偽胸です。
その質問への回答はこの一言で終わり。
そんななか…。
『次、僕から質問してもええか?』
堀田さんが手を挙げた。
進行役の佐藤アナウンサーさんから『どうぞ』と指名と許可があり、堀田さんから出された僕への質問は…。
『君が出してるその女の子の声、どないして出してんの?』
この質問には、他の出演者さん達からも「うん。さっきから気になってた」「女の子声が凄く上手いもんね」「僕も訊きたいって思ってた」って声が。
これは僕にとっても、回答には凄く自信がある質問。
僕はこの質問に一呼吸置いて、ゆっくりと回答をはじめた…。
どうぞどうぞ…ということで一人目の質問者は、一番に手を挙げた番組メイン進行の小林綾恵さん。
『お二人は"パートナー"ってことだけど、それは"恋人同士"とは違うの?』
えっ?
『はーい。違いまーす』
詩織は左手を挙げて、満面な笑顔でそうきっぱりと、明るく元気に否定した。
『あら、違うの?』
詩織は綾恵さんに、黙ってウンウンと頷いて見せるだけで、それ以上釈明することもなかった。
っていうか、それについては僕だって、訊かれても困る質問だけど。
答えられない…ってか色々と複雑すぎて。
『じゃあ次、僕質問いいですか』
続いて、作詞家のHayatoさんが右手を挙げた。
『女装してる岩塚さんに』
「金魚って呼んであげてくださーい」
あのさ…詩織。
そういう揚げ足取りは、しなくていいんだって…。
『あっ、じゃあ…えっと金魚さんって、僕本当に顔が凄く可愛いと思うんです。でも本当にメイクだけ?美顔整形とかは?』
整形とか…そもそも、怖くてできません。
『いえ…あの、メイクだけです…』
僕はHayatoさんを真っ直ぐ見て、頭を小さく左右に振った。
『ぇ、マジ!?メイクだけで、そんな可愛くなれるもんなの!?嘘ぉ!マジで凄ぇじゃん!』
『近くで見てみたいんだけど、駄目かな』
次に俳優の青山漣さんが、席を立ってそう言った。
『近くってのは…どれくらいの』
『俺の目の前で』
えぇぇ…。
あんなイケメンの若手俳優が、間近で見たいって、僕を誘うように微笑んでんだけど…!
僕ど、どど…どうすればいい!!?
ねぇ!詩ぉ……。
……。
詩織が『金魚。頑張れぇ♪』というか『その可愛さを存分に、彼に魅せておやりなさぁい♡』って…またいつもの小悪魔みたいな妖しい笑みで…僕に「行ってきなさい」って…サインを送ってきてるんだけど…。
……あぁ。
『あの…じゃあ具体的に、僕はどうすれば…』
そう訊くと、YOSHIKAさんが…。
『まず立ったら?信吾くん』
僕は『あ、はい』と、YOSHIKAさんに言われたとおりに、カウンターの席から立ち上がった。
『じゃあこっち来て』
僕がYOSHIKAさんの元へと歩いて行くと…YOSHIKAさんは僕の両方に触れて、僕の体をくるっと回して『はい。どうぞ』って?
青山漣さんの目の前に僕を差し出した…?
…ぇ。
お互いの胸が触れ合いそうなくらい、僕の目の前に立ってる青山漣さん…近っ。てか背高っ!
…ひッ!
僕は許可なんかしてないのに!
その両掌で僕の両頬を包み込むように…そして軽く持ち上げるようにして、僕の顔に触れてきた!!
『…ぅ』
『……。』
黙ったまま僕を見下ろしてる青山漣さん。
対して、彼の顔を見上げさせられてる、強制的な見詰め合い状態の僕…。
ちょっと!
凄いイケメンってことは解ったんで!
手を放してくれませんか!
『ふぅん。背も本物の女の子みたいだ。低さが』
背が低いとか言うなっ!!
気にしてるんだから!!
『それよりこんなに近くで見てるのに、この顔が女装した男の顔だなんて今も理解できない。意識的には判ってるはずなのに。本物以上に可愛い女の子か…なるほど。奇跡と言われるわけだ』
僕の顔をまだ、じーっと覗き込んでる青山漣さん…だから近いって!!
このKiss距離やめろー!
もう早く放してって!長い!!
あと、気安く金魚が可愛いとか言うな!!
スタジオの大型カメラの全てが、僕と青山漣さんの男2人の超接近ショットを撮ってる…。
こんな状況を撮られて、全国放送するの?
僕らがまるで変態ぽくて…僕嫌なんだけど!!
嫌悪感が凄過ぎて、心臓がドキドキして身体が微かに震えてる…。
気付けば僕ら…あっという間に出演者さん達に囲まれてた…だから皆んな、近い近いっ!!
青山漣さんが、僕の顔を急にパッと手放す…。
…うわっ。
次々に出演者さん達が、僕の顔を間近で覗きながら交代していく…。
なにこれ。
僕は美術館の展示物じゃないんだから。
『これは凄いね』
『めちゃくちゃ可愛いですね!』
『まさに奇跡だねぇ!』
もういいです。そういうの。
聞き飽きたぐらいです。
『では皆さんも岩塚信吾さんも、一旦席に戻ってください』
佐藤アナウンサーさんがそう言って、質問コーナーを一旦仕切り直すことに。
他の出演者も、それぞれの席へと戻っていく。
「ふふっ。お帰りなさーい金魚♪」
「………た、ただいま…」
僕のドキドキな心理状況とは真反対に、リラックスした上機嫌そうな笑顔で、そう僕を迎えた詩織。
カウンター席の椅子に座ったまま、閉じた内股の両膝に両手を付いて、床に届いてない両足の爪先を交互にぶらぶらと、小さく揺すって気楽そうに…。
くっ、くそぅ…。
「kissされそうになった!あのイケメン俳優に!!」
ちょっと詩織を心配させてやろうか!
そう思って大袈裟に、内緒話のように小声で詩織にそう言ってやったんだけど…。
「きゃはははー。良かったね」
『…。』
良くなんかないっての!!
何がいいものか!!
「ねぇ…どう?始まりそうだった?」
「…えっ、何が?」
「BL♡」
始まるかぁぁぁー!!
…そんな展開があったからか『岩塚信吾くんの恋愛対象は、男女どっちなの?それもと両方?』とか『男性から告られたこととかある?』とか…一般常識ではあり得ない質問までが出はじめる始末…。
あと『膨らんでるその両胸はどうなってるの?』とか…。
…両方とも偽胸です。
その質問への回答はこの一言で終わり。
そんななか…。
『次、僕から質問してもええか?』
堀田さんが手を挙げた。
進行役の佐藤アナウンサーさんから『どうぞ』と指名と許可があり、堀田さんから出された僕への質問は…。
『君が出してるその女の子の声、どないして出してんの?』
この質問には、他の出演者さん達からも「うん。さっきから気になってた」「女の子声が凄く上手いもんね」「僕も訊きたいって思ってた」って声が。
これは僕にとっても、回答には凄く自信がある質問。
僕はこの質問に一呼吸置いて、ゆっくりと回答をはじめた…。
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