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第3章:愛があれば何も怖くない
第3章:愛があれば何も怖くない(3)
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「何の卵なんだろうねぇ、これ」
屋敷の中にあるリミアの部屋。その中央に転がしてある卵を見てリミアは言う。形状としてはダチョウの卵に似ているが大きさはかなりのものだ。おおよそ人間の子供と同じぐらいの大きさなのだ。
「ドラゴンとかロックのものにしては空から降って来るって言うのがありえないし」
既に魔道師の顔になっているリミアは卵を見つめて考察を続ける。両者は巨大生物であり、卵もこの程度の大きさがあっても不思議ではない。ただし、彼らは普通巣に卵を産んでそこで厳重に保護するものだ。巣から持ち出して落としたりするはずがない。更に言うならドラゴンやロックが上空を飛んでいればウィンディアの警戒監視台からリミアに一報入るだろう。
「しかも、自力で減速しましたね」
アイラは卵の不可解な挙動を思い出して言う。あの減速は物理的にはありえない。つまり、この卵が魔法を使うか、外部から魔法を使ったものがいるということだ。そのうち後者の可能性は低い。なぜなら、アイラのセンサーにそれらしい人物は引っかからなかったからだ。巧妙に偽装していたということもありうるが、そんなことをしてまでこの卵を減速させた意味がわからないのだ。
「姉さんに連絡して引き取ってもらいますか?」
「確かにそれは妥当かもね」
エリオットの言葉にアイラは頷く。エリオットの姉であるミーティアはリミア以上にこうした超常的なものに対する知識が深く、研究するのも得意だ。ウィンディアまでの運搬は彼女にテレポートで取りに来てもらうのがいいだろう。というより、この卵のことを話せば一も二もなく飛んでくるだろう。
「じゃあ、早速ミーティアに連絡を取るね」
言うが早いが、リミアは通信用の魔法式『風乃渡手(ウィンド・メッセンジャー)』を構築しようとする。恐らくウィンディアの執務室にいるであろう彼女に連絡を取るのは難しくはない。
魔法式が完成し、リミアはミーティアのいるであろう場所の周辺の風の囁きを感じる。彼女はすぐに見つかった。後はただ語りかけるだけだ。
だが、そこで突然魔法式が崩壊した。意識を急速に現実世界に戻されたリミアが警戒を露にした表情で卵を見る。
「『魔法式破壊(スペル・ブレイカー)』どうして!?」
リミアの構築した魔法式を破壊したのは間違いなく魔法式破壊の魔法だ。そして、それの発信源がこの卵であることは間違いない。
「勝手なことをされては困るわ。せっかく訪ねてきたというのに」
唐突に卵から声がする。やや険のある少女と思しき声が。
次の瞬間、卵の表面にひびが入る。やがて卵は表面から崩壊していき、その中身が姿を現した。
白い殻を払い落としながら立ち上がったのは、腰を越えて膝近くまであるの黒髪が特徴の少女であった。年のころは10代になるかならないか程度に見え、その表情はまるで日本人形のように精巧でかつ怜悧である。瞳は柘榴石のように紅く、肌は雪のように白い。その身に纏うのは黄色を基調としたポンチョの様だが、まるでアゲハ蝶の羽のような黒い文様が描かれている。
「初めまして、リミア姫」
立ち上がった少女はリミアに正対し、優雅に礼をする。完璧に礼法にかなったそれは臣下のそれではなく、対等の皇族同士で用いられるそれである。ただ、その声には皮肉めいた響きがある。
「生ける伝説である白い死神に会えるなんて光栄ですわ」
リミアの最も忌み嫌う渾名を聞いたアイラが眉を顰める。
「御嬢さん、姫に喧嘩を売るために来たのならまず私が相手になってあげるわよ?」
静かに怒気を発するアイラが一歩前に出る。皇族を侮辱した場合、たとえ相手が子供であれ、侮辱罪が適応される。ましてや、目の前の少女はどう考えても只者ではない。鞭を前提に懲らしめても罰は当たらないだろう。
だが、少女はそれを軽く一瞥しただけで視線を逸らす。恐れているわけではなく、単に興味がないという様子だ。
「待って、アイラ」
臨戦態勢に入りかけているアイラを見て、リミアが制して言う。
「リミアエル・オクタヴィア・ランスロット。貴女の来訪を歓迎します」
そして、少女に対し対等の礼を返す。もっとも、それは少女のそれと比べるととてもぎごちないものであった。社交界における経験が少なく、兄弟からのいじめや暗殺者を恐れてろくに礼儀作法の教育を受けられていないがためである。
「しかしながら、私は貴女の名前も聞いておりません。初対面の相手にはまず名を名乗るのが礼儀ではないですか?」
だが、それでもリミアは堂々と相手側の非を咎めてみせる。初対面の相手にはまず自ら名乗るのはどこの世界の共通の礼儀であるのだ。
その様子を見た少女は僅かに面を食らった表情をした後言う。
「それは失礼」
頭を下げて言う少女の言葉にはどこか感心した風な響きがある。アイラやエリオットも少し驚いた。リミアが死神と呼ばれても動揺せずに受け止めたのだ。死神という渾名を克服しつつあるのかもしれない。そうだとすればとても嬉しいことだと二人は思う。
「私の名はアセナ。大神亜世那よ」
「名がアセナでその読み方ということはイズモの方ですか」
名前を聞いたエリオットが尋ねる。イズモは東の果てにあるという島国で、アイラの元いた世界では日本という国に酷似していると聞いたことがある。
「そういう認識でかまわないわ」
エリオットの問いをアセナは曖昧に肯定する。しかし、それは妙な話だとエリオットは思う。イズモは現在鎖国政策を執っており、国内外の人間の出入りを厳しく制限しているはずだ。
「で、貴女は何の用で姫に会いに来たのかしら?」
アイラは素の口調で少女に言う。姫の客とはいえ、どうもこの娘に礼を尽くす気にはなれない。この国の皇族であるリミアに対して礼を欠いているし、なにより胡散臭すぎる。
「そうね、ただ傍観しに来ただけよ、これから起こる事態に姫がどう対処するかを、ね」
それに対し、アセナは特に気にした風もなく淡々と応じる。これから起こる事態。その言葉にアイラ達は警戒心を覚える。この少女は何か事件が起こることを知っているのかもしれない。
マンティコアの件といい、巨大アリの件といい最近は事件が起こりすぎている。少女の言葉には何の具体性も根拠もないが、油断はできない。
「しかし、貴女がなぜここにいるのかよくわからないわ。白き救世主とはいえ次元跳躍までできるとは聞いてないのだけれど?」
アセナの言葉にアイラは目を見開く。白き救世主。アイラが元いた世界で極々限られた者だけが知るアイラの二つ名にして存在理由。それをなぜこの少女は知っているのだろう。
「どこで聞いたのかしら、そんなこと」
アイラは内心の動揺を可能な限り押し殺して言う。この世界の人間があのことを知っているはずがない。恐らくこの少女は神や悪魔に類する超次元生命体である。現在敵意は見せていないが油断できる相手ではない。
緊張した雰囲気の部屋の中。不意にリミアとエリオットの脳裏にけたたましい音が響く。直接意識に響くこの音は魔法による警戒警報だ。
「第一級警戒警報!?」
リミアが声に出して言う。警戒警報とは各領の監視台から魔法によって送信されるもので、その中でも第一級警戒警報は大規模戦闘の可能性を示す警報である。国家間の大規模な戦争がほとんど起こりえない現在の世界情勢の中でこの警報が示すのほとんどひとつである。送信元はウィンディア領でリミアに次ぐ魔法の使い手であり、この地方の領主であるミーティアである。
(こちらリミアエル。どうしたの、ミーティア?)
リミアは瞬時に通信魔法『風乃渡手』を起動。ミーティアとの通信回線を開く。
(こんにちわぁ、姫ぇ。なんだかぁ、大変なことになってますねぇ)
リミアの耳に届いたのは、間延びしたまるで緊迫感の感じられない領主代行にして友人のミーティアの声であった。あまりにも暢気なその声に、リミアは緊張感をそがれてしまう。だが、彼女の口から語られたのは想像を絶する事態であった。
(なんだかぁ、そちらに魔族の軍勢が向かっているらしいですねぇ。ざっと探知しただけでも千体以上のが)
屋敷の中にあるリミアの部屋。その中央に転がしてある卵を見てリミアは言う。形状としてはダチョウの卵に似ているが大きさはかなりのものだ。おおよそ人間の子供と同じぐらいの大きさなのだ。
「ドラゴンとかロックのものにしては空から降って来るって言うのがありえないし」
既に魔道師の顔になっているリミアは卵を見つめて考察を続ける。両者は巨大生物であり、卵もこの程度の大きさがあっても不思議ではない。ただし、彼らは普通巣に卵を産んでそこで厳重に保護するものだ。巣から持ち出して落としたりするはずがない。更に言うならドラゴンやロックが上空を飛んでいればウィンディアの警戒監視台からリミアに一報入るだろう。
「しかも、自力で減速しましたね」
アイラは卵の不可解な挙動を思い出して言う。あの減速は物理的にはありえない。つまり、この卵が魔法を使うか、外部から魔法を使ったものがいるということだ。そのうち後者の可能性は低い。なぜなら、アイラのセンサーにそれらしい人物は引っかからなかったからだ。巧妙に偽装していたということもありうるが、そんなことをしてまでこの卵を減速させた意味がわからないのだ。
「姉さんに連絡して引き取ってもらいますか?」
「確かにそれは妥当かもね」
エリオットの言葉にアイラは頷く。エリオットの姉であるミーティアはリミア以上にこうした超常的なものに対する知識が深く、研究するのも得意だ。ウィンディアまでの運搬は彼女にテレポートで取りに来てもらうのがいいだろう。というより、この卵のことを話せば一も二もなく飛んでくるだろう。
「じゃあ、早速ミーティアに連絡を取るね」
言うが早いが、リミアは通信用の魔法式『風乃渡手(ウィンド・メッセンジャー)』を構築しようとする。恐らくウィンディアの執務室にいるであろう彼女に連絡を取るのは難しくはない。
魔法式が完成し、リミアはミーティアのいるであろう場所の周辺の風の囁きを感じる。彼女はすぐに見つかった。後はただ語りかけるだけだ。
だが、そこで突然魔法式が崩壊した。意識を急速に現実世界に戻されたリミアが警戒を露にした表情で卵を見る。
「『魔法式破壊(スペル・ブレイカー)』どうして!?」
リミアの構築した魔法式を破壊したのは間違いなく魔法式破壊の魔法だ。そして、それの発信源がこの卵であることは間違いない。
「勝手なことをされては困るわ。せっかく訪ねてきたというのに」
唐突に卵から声がする。やや険のある少女と思しき声が。
次の瞬間、卵の表面にひびが入る。やがて卵は表面から崩壊していき、その中身が姿を現した。
白い殻を払い落としながら立ち上がったのは、腰を越えて膝近くまであるの黒髪が特徴の少女であった。年のころは10代になるかならないか程度に見え、その表情はまるで日本人形のように精巧でかつ怜悧である。瞳は柘榴石のように紅く、肌は雪のように白い。その身に纏うのは黄色を基調としたポンチョの様だが、まるでアゲハ蝶の羽のような黒い文様が描かれている。
「初めまして、リミア姫」
立ち上がった少女はリミアに正対し、優雅に礼をする。完璧に礼法にかなったそれは臣下のそれではなく、対等の皇族同士で用いられるそれである。ただ、その声には皮肉めいた響きがある。
「生ける伝説である白い死神に会えるなんて光栄ですわ」
リミアの最も忌み嫌う渾名を聞いたアイラが眉を顰める。
「御嬢さん、姫に喧嘩を売るために来たのならまず私が相手になってあげるわよ?」
静かに怒気を発するアイラが一歩前に出る。皇族を侮辱した場合、たとえ相手が子供であれ、侮辱罪が適応される。ましてや、目の前の少女はどう考えても只者ではない。鞭を前提に懲らしめても罰は当たらないだろう。
だが、少女はそれを軽く一瞥しただけで視線を逸らす。恐れているわけではなく、単に興味がないという様子だ。
「待って、アイラ」
臨戦態勢に入りかけているアイラを見て、リミアが制して言う。
「リミアエル・オクタヴィア・ランスロット。貴女の来訪を歓迎します」
そして、少女に対し対等の礼を返す。もっとも、それは少女のそれと比べるととてもぎごちないものであった。社交界における経験が少なく、兄弟からのいじめや暗殺者を恐れてろくに礼儀作法の教育を受けられていないがためである。
「しかしながら、私は貴女の名前も聞いておりません。初対面の相手にはまず名を名乗るのが礼儀ではないですか?」
だが、それでもリミアは堂々と相手側の非を咎めてみせる。初対面の相手にはまず自ら名乗るのはどこの世界の共通の礼儀であるのだ。
その様子を見た少女は僅かに面を食らった表情をした後言う。
「それは失礼」
頭を下げて言う少女の言葉にはどこか感心した風な響きがある。アイラやエリオットも少し驚いた。リミアが死神と呼ばれても動揺せずに受け止めたのだ。死神という渾名を克服しつつあるのかもしれない。そうだとすればとても嬉しいことだと二人は思う。
「私の名はアセナ。大神亜世那よ」
「名がアセナでその読み方ということはイズモの方ですか」
名前を聞いたエリオットが尋ねる。イズモは東の果てにあるという島国で、アイラの元いた世界では日本という国に酷似していると聞いたことがある。
「そういう認識でかまわないわ」
エリオットの問いをアセナは曖昧に肯定する。しかし、それは妙な話だとエリオットは思う。イズモは現在鎖国政策を執っており、国内外の人間の出入りを厳しく制限しているはずだ。
「で、貴女は何の用で姫に会いに来たのかしら?」
アイラは素の口調で少女に言う。姫の客とはいえ、どうもこの娘に礼を尽くす気にはなれない。この国の皇族であるリミアに対して礼を欠いているし、なにより胡散臭すぎる。
「そうね、ただ傍観しに来ただけよ、これから起こる事態に姫がどう対処するかを、ね」
それに対し、アセナは特に気にした風もなく淡々と応じる。これから起こる事態。その言葉にアイラ達は警戒心を覚える。この少女は何か事件が起こることを知っているのかもしれない。
マンティコアの件といい、巨大アリの件といい最近は事件が起こりすぎている。少女の言葉には何の具体性も根拠もないが、油断はできない。
「しかし、貴女がなぜここにいるのかよくわからないわ。白き救世主とはいえ次元跳躍までできるとは聞いてないのだけれど?」
アセナの言葉にアイラは目を見開く。白き救世主。アイラが元いた世界で極々限られた者だけが知るアイラの二つ名にして存在理由。それをなぜこの少女は知っているのだろう。
「どこで聞いたのかしら、そんなこと」
アイラは内心の動揺を可能な限り押し殺して言う。この世界の人間があのことを知っているはずがない。恐らくこの少女は神や悪魔に類する超次元生命体である。現在敵意は見せていないが油断できる相手ではない。
緊張した雰囲気の部屋の中。不意にリミアとエリオットの脳裏にけたたましい音が響く。直接意識に響くこの音は魔法による警戒警報だ。
「第一級警戒警報!?」
リミアが声に出して言う。警戒警報とは各領の監視台から魔法によって送信されるもので、その中でも第一級警戒警報は大規模戦闘の可能性を示す警報である。国家間の大規模な戦争がほとんど起こりえない現在の世界情勢の中でこの警報が示すのほとんどひとつである。送信元はウィンディア領でリミアに次ぐ魔法の使い手であり、この地方の領主であるミーティアである。
(こちらリミアエル。どうしたの、ミーティア?)
リミアは瞬時に通信魔法『風乃渡手』を起動。ミーティアとの通信回線を開く。
(こんにちわぁ、姫ぇ。なんだかぁ、大変なことになってますねぇ)
リミアの耳に届いたのは、間延びしたまるで緊迫感の感じられない領主代行にして友人のミーティアの声であった。あまりにも暢気なその声に、リミアは緊張感をそがれてしまう。だが、彼女の口から語られたのは想像を絶する事態であった。
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