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第3章:愛があれば何も怖くない
第3章:愛があれば何も怖くない(4)
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豚の鼻を持つ亜人オーク共は急ぎ足で前へと進む。これから行う殺戮と略奪に胸を躍らせながら。
人間どもの集落を襲うのは何年振りであろうか。多くのオークたちはそれを覚えていない。銃という訳のわからない兵器を用い始めた人間どもは相当な戦力を有しており、そう簡単に集落を襲うような真似ができなくなったのだ。
しかし、今回は恐るべき力を持つ助っ人が付いている、と別働隊のダークエルフ達から聞いている。更にはその姿を遠目にながら見ることもできた。まるで鴉のような黒い翼を持つ天の御遣いの成れの果て。自分たちとは違う超次元生命体は魔王ヴァーディリスをも上回る力の持ち主であるといわれる。
オークの一匹は思う。これから襲われる町にいるはずの『白い死神』のことを。魔王ヴァーディリスをも屠った世界最強の魔道師あるらしいそれはとてもとても美しい少女であるという。魔族にとっては強者こそが正義である。数年前、恐るべき力で人類を勝利に導いた少女のことを敬愛こそすれ恨むようなことはない。そんな彼女でも超次元生命体である彼には太刀打ちできまい。そうであれば、ろくな軍勢も置かれていない小さな町などあっけなく制圧できるであろう。
オークは白い死神の末路を想像する。恐らく彼女はアレに切り殺される運命にあるが、運がよければ捕らえられるかもしれない。そうなれば、彼女は間違いなく群れ全体に陵辱される運命にある。ひょっとすれば自分にも機会があるかもしれない。魔王を打ち滅ぼした英雄を陵辱できることを考え、オークは下卑た期待に表情を緩ませる。
だが、彼は知らない。ヴァーディリスを倒した少女の側にはもう一人恐るべき存在がいることを。そして、ヴァーディリスと直接対峙したのは異世界で白き救世主と呼ばれるそちらの少女であることを。
不意に飛来した超音速の物体がオークの頭部を砕いた。盛大に脳と脳漿と血を撒き散らせて倒れた彼は自分の死を恐らく自覚していないだろう。
彼の死に周囲の者が気づく前に、周囲にいた数十のオークたちが同じように身体の一部を砕け散らしながら倒れていく。
オークの群れに恐慌が走る。すぐさま我先にと逃げようとするがその側から飛来する弾丸に撃ち抜かれ無残な屍へと変わっていく。
1300発の30mm機関砲弾が放たれた約20秒。100体以上いたオーク達は跡形もなく全滅した。
「アヴェンジャーまで出す必要はなかったか」
双眼鏡で戦果を確認した白き救世主ことアイラはそう呟いた。どうやらこの分隊には雑魚しかいなかったようだ。不意打ちで主力を潰す事ができればよかったのに、と内心悔しく思う。
ここは町から100kmほど離れた丘の上。アイラの足元には牛乳瓶ほどの大きさの薬莢が散乱している。そして、地面にバンカーで打ち付けられた台座の上に鎮座する巨大な銃は地上のあらゆる装甲車両を破壊できるという凶悪な機関砲である。
アイラは空を見る。茜色の日は今にも地に沈み、夜の精霊が闇の帳を空に引こうとしているところだ。平時であれば美しい夕焼けも、魔族と事を構えなければならない今は忌々しいだけのものだ。魔族のほとんどには闇を見通す目が備わっている。つまり、人間にとっては相手は見えているがこちらは見えないという状況で戦うことになるのだ。低光量補正視覚や熱視覚機能を持つアイラ自身はまったく問題はないのだが、普通の人間には死活問題だ。もっと言うならば、町の自警団の戦力は100人程度で個人の練度も低い。更に町にはろくな防御設備がない。敵方の兵力の大部分を町に到着される前に蹴散らしておきたい。
『そちらの様子はどう?』
腕時計型の通信端末子機からリミアの声がする。彼女に預けてきたスマートフォンを使っているのだろう。最も、いくらなんでも距離がありすぎるため、電波を魔法で強化して使っているのだろうが。
「グループをひとつ壊滅させました。すぐに次のグループの殲滅に向かいます」
アイラはそう言って機関砲に触れる。そして、即座に量子配列変換を開始。機関砲は異音を撒き散らしながら変形していく。後に残ったのは乗り物の一種であった。上から見れば縦に細長いそれは車体の前と後ろに車輪が取り付けられている。横一文字のハンドルに巨大な目のようにも見える単眼のライト。アイラの世界で、それはオートバイと呼ばれる乗り物だ。
『それについてなんだけど、一度戻ってきて欲しいの。ミーティアも来てくれたし』
アイラはそれを聞いて少しだけ安心する。ミーティアはアヴァロンにおいて、リミアに次ぐ実力をもつ魔道師である。しかも、このウィンディアの領主代行である彼女が兵を全く連れずに来るとは考えづらい。町を防衛するためにはプロの兵士は一人でも多いほうがいいのだ。
「お言葉ですが、姫。この場合は町から少しでも離れた位置で一兵でも多くの敵を討つほうが上策です。ミーティアが来たのなら彼女の連れてきた兵に自警団の指揮を任せて、エリオットも攻撃に回して下さい」
アイラはリミアの言葉に抗議して自分なりの戦術を述べる。味方が寡兵である場合の防衛戦は、まだ懐に入り込まれないうちに迎撃を開始するのが鉄則である。一撃を与えて離脱するのを繰り返し、敵を消耗させる。それが今回の場合唯一とるべき戦術であるとアイラは信じているのだ。
『お言葉ですけどぉ、それはぁ、相手が普通の敵しかいない場合の話ですよぉ』
唐突に通信機から聞こえる声が変わる。この間延びした力の抜ける声は間違いなくミーティアである。話が通じないことにじれた彼女がスマホを奪い取ったのだろう。そののんびりした口調の割りにせっかちなところのある彼女らしい行動ではある。
「じゃあ、貴女の見解はどうなの?」
『今来ている寄せ手は間違いなくただの囮ですよぉ。強力な魔族の反応がないですしぃ』
ミーティアの話を聞き、アイラは少しの間考える。確かにこの程度の集団がいくら1000体束になったところでアイラとリミアの敵になるはずがない。魔族がアイラという戦力を度外視しているとしてもリミアに対抗できる戦力を要していない限り侵攻しても無意味なのだ。最低でも一体はリミアに対抗できるほど強力な魔族が存在するはずなのだ。
『その程度の雑魚共ならそのまま町に押し寄せても大したことはないですよぉ。それよりもぉ、早く帰ってきて敵の主力に備えたほうがいいですよぉ』
アイラはミーティアの言葉を聞いて思考する。ミーティアの言うことが本当ならば敵主力は別方面から向かってくるはずだ。それも恐らく隠密性に長けた少数精鋭であろう。そして、その中にはかなりの実力者がいるはずなのだ。それからまず姫を守らなければならない。
「分かったわ。今すぐに戻る。ただ、戻る最中にそれに遭遇したら交戦するわよ?」
『それはもう御随意にぃ。でもぉ、支援はしますからぁ、連絡は一言くださいねぇ』
ミーティアの能天気な声を聞いて、アイラはいったん通信を打ち切り、バイクに跨る。そして、エンジンを起動させ走り始める。空気マグネシウム電池で動く電動式バイクであるため、音はない。だが、従来のガソリンエンジン以上の出力があるため、加速もある。稼働時間は短いがこの場から町まで帰るまでもてばいいだけなので問題はない。
「でも、どんな敵なのかしらね?」
アイラは走りながらまだ見ぬ敵に思いをはせる。少なくとも魔族はそれをリミアに対抗できる存在とみなしている。そして、それが単数か複数かも分からない。だが、そんな敵と戦うのは久しぶりだ。少しは楽しめる相手かもしれない。
「せいぜい楽しい戦いができるといいわね」
アイラはまだ見ぬ好敵手に向かって言う。せめて自分に傷のひとつでも入れられる相手ならばいいのだが、と思いながら。
人間どもの集落を襲うのは何年振りであろうか。多くのオークたちはそれを覚えていない。銃という訳のわからない兵器を用い始めた人間どもは相当な戦力を有しており、そう簡単に集落を襲うような真似ができなくなったのだ。
しかし、今回は恐るべき力を持つ助っ人が付いている、と別働隊のダークエルフ達から聞いている。更にはその姿を遠目にながら見ることもできた。まるで鴉のような黒い翼を持つ天の御遣いの成れの果て。自分たちとは違う超次元生命体は魔王ヴァーディリスをも上回る力の持ち主であるといわれる。
オークの一匹は思う。これから襲われる町にいるはずの『白い死神』のことを。魔王ヴァーディリスをも屠った世界最強の魔道師あるらしいそれはとてもとても美しい少女であるという。魔族にとっては強者こそが正義である。数年前、恐るべき力で人類を勝利に導いた少女のことを敬愛こそすれ恨むようなことはない。そんな彼女でも超次元生命体である彼には太刀打ちできまい。そうであれば、ろくな軍勢も置かれていない小さな町などあっけなく制圧できるであろう。
オークは白い死神の末路を想像する。恐らく彼女はアレに切り殺される運命にあるが、運がよければ捕らえられるかもしれない。そうなれば、彼女は間違いなく群れ全体に陵辱される運命にある。ひょっとすれば自分にも機会があるかもしれない。魔王を打ち滅ぼした英雄を陵辱できることを考え、オークは下卑た期待に表情を緩ませる。
だが、彼は知らない。ヴァーディリスを倒した少女の側にはもう一人恐るべき存在がいることを。そして、ヴァーディリスと直接対峙したのは異世界で白き救世主と呼ばれるそちらの少女であることを。
不意に飛来した超音速の物体がオークの頭部を砕いた。盛大に脳と脳漿と血を撒き散らせて倒れた彼は自分の死を恐らく自覚していないだろう。
彼の死に周囲の者が気づく前に、周囲にいた数十のオークたちが同じように身体の一部を砕け散らしながら倒れていく。
オークの群れに恐慌が走る。すぐさま我先にと逃げようとするがその側から飛来する弾丸に撃ち抜かれ無残な屍へと変わっていく。
1300発の30mm機関砲弾が放たれた約20秒。100体以上いたオーク達は跡形もなく全滅した。
「アヴェンジャーまで出す必要はなかったか」
双眼鏡で戦果を確認した白き救世主ことアイラはそう呟いた。どうやらこの分隊には雑魚しかいなかったようだ。不意打ちで主力を潰す事ができればよかったのに、と内心悔しく思う。
ここは町から100kmほど離れた丘の上。アイラの足元には牛乳瓶ほどの大きさの薬莢が散乱している。そして、地面にバンカーで打ち付けられた台座の上に鎮座する巨大な銃は地上のあらゆる装甲車両を破壊できるという凶悪な機関砲である。
アイラは空を見る。茜色の日は今にも地に沈み、夜の精霊が闇の帳を空に引こうとしているところだ。平時であれば美しい夕焼けも、魔族と事を構えなければならない今は忌々しいだけのものだ。魔族のほとんどには闇を見通す目が備わっている。つまり、人間にとっては相手は見えているがこちらは見えないという状況で戦うことになるのだ。低光量補正視覚や熱視覚機能を持つアイラ自身はまったく問題はないのだが、普通の人間には死活問題だ。もっと言うならば、町の自警団の戦力は100人程度で個人の練度も低い。更に町にはろくな防御設備がない。敵方の兵力の大部分を町に到着される前に蹴散らしておきたい。
『そちらの様子はどう?』
腕時計型の通信端末子機からリミアの声がする。彼女に預けてきたスマートフォンを使っているのだろう。最も、いくらなんでも距離がありすぎるため、電波を魔法で強化して使っているのだろうが。
「グループをひとつ壊滅させました。すぐに次のグループの殲滅に向かいます」
アイラはそう言って機関砲に触れる。そして、即座に量子配列変換を開始。機関砲は異音を撒き散らしながら変形していく。後に残ったのは乗り物の一種であった。上から見れば縦に細長いそれは車体の前と後ろに車輪が取り付けられている。横一文字のハンドルに巨大な目のようにも見える単眼のライト。アイラの世界で、それはオートバイと呼ばれる乗り物だ。
『それについてなんだけど、一度戻ってきて欲しいの。ミーティアも来てくれたし』
アイラはそれを聞いて少しだけ安心する。ミーティアはアヴァロンにおいて、リミアに次ぐ実力をもつ魔道師である。しかも、このウィンディアの領主代行である彼女が兵を全く連れずに来るとは考えづらい。町を防衛するためにはプロの兵士は一人でも多いほうがいいのだ。
「お言葉ですが、姫。この場合は町から少しでも離れた位置で一兵でも多くの敵を討つほうが上策です。ミーティアが来たのなら彼女の連れてきた兵に自警団の指揮を任せて、エリオットも攻撃に回して下さい」
アイラはリミアの言葉に抗議して自分なりの戦術を述べる。味方が寡兵である場合の防衛戦は、まだ懐に入り込まれないうちに迎撃を開始するのが鉄則である。一撃を与えて離脱するのを繰り返し、敵を消耗させる。それが今回の場合唯一とるべき戦術であるとアイラは信じているのだ。
『お言葉ですけどぉ、それはぁ、相手が普通の敵しかいない場合の話ですよぉ』
唐突に通信機から聞こえる声が変わる。この間延びした力の抜ける声は間違いなくミーティアである。話が通じないことにじれた彼女がスマホを奪い取ったのだろう。そののんびりした口調の割りにせっかちなところのある彼女らしい行動ではある。
「じゃあ、貴女の見解はどうなの?」
『今来ている寄せ手は間違いなくただの囮ですよぉ。強力な魔族の反応がないですしぃ』
ミーティアの話を聞き、アイラは少しの間考える。確かにこの程度の集団がいくら1000体束になったところでアイラとリミアの敵になるはずがない。魔族がアイラという戦力を度外視しているとしてもリミアに対抗できる戦力を要していない限り侵攻しても無意味なのだ。最低でも一体はリミアに対抗できるほど強力な魔族が存在するはずなのだ。
『その程度の雑魚共ならそのまま町に押し寄せても大したことはないですよぉ。それよりもぉ、早く帰ってきて敵の主力に備えたほうがいいですよぉ』
アイラはミーティアの言葉を聞いて思考する。ミーティアの言うことが本当ならば敵主力は別方面から向かってくるはずだ。それも恐らく隠密性に長けた少数精鋭であろう。そして、その中にはかなりの実力者がいるはずなのだ。それからまず姫を守らなければならない。
「分かったわ。今すぐに戻る。ただ、戻る最中にそれに遭遇したら交戦するわよ?」
『それはもう御随意にぃ。でもぉ、支援はしますからぁ、連絡は一言くださいねぇ』
ミーティアの能天気な声を聞いて、アイラはいったん通信を打ち切り、バイクに跨る。そして、エンジンを起動させ走り始める。空気マグネシウム電池で動く電動式バイクであるため、音はない。だが、従来のガソリンエンジン以上の出力があるため、加速もある。稼働時間は短いがこの場から町まで帰るまでもてばいいだけなので問題はない。
「でも、どんな敵なのかしらね?」
アイラは走りながらまだ見ぬ敵に思いをはせる。少なくとも魔族はそれをリミアに対抗できる存在とみなしている。そして、それが単数か複数かも分からない。だが、そんな敵と戦うのは久しぶりだ。少しは楽しめる相手かもしれない。
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